ピエール・ハスケノフ Pierre Hasquenoph(1922-1982)は、フランスの作曲家。初期には医学を学んだが、すぐに音楽の道に進んだ。セザール・フランク音楽院に入学し、Guy de Lioncourt (作曲と和声)、de René Alix (対位法とフーガ)、Marcel Labey (指揮法)に師事した。1950年から55年までパリ音楽院でダリウス・ミヨーやジャン・リヴィエの作曲クラスに学ぶ。ラジオ局でキャリアを積み、最初はディレクターとして(1956年)、次にRTFの交響楽部門長(1958年)、最後にORTFのService Lyrique部門(?)長(1960年)を務めた。1973年から1982年まで、フランス放送局の室内楽部門のディレクターを務めた。ハスケノフは、古今東西の流行の寄与を否定することなく、常に流派にとらわれない自由な作風を主張している(フランス語版 Wikipediaより)。
サクソフォン作品は、この「シンフォニー・コンチェルタンテ」の他にも数多い。おそらく、作曲の師であるリヴィエの影響であろう。アルトサクソフォンのための「コンチェルティーノ作品20(1960年)」、テナーサクソフォンのための「コンチェルティーノ(1976年)」、アルトサクソフォンのための「ニュルンベルク・コンチェルト」、室内オーケストラのための「インヴェンション」、サクソフォン3重奏のための「小セレナーデ」、サクソフォン4重奏のための「4声のソナタ」、サクソフォン4重奏とオーケストラのための「第4交響曲」といった具合。大規模な作品が多いが、サクソフォン界一般にあまり知られているとはいえないだろう。
「シンフォニー・コンチェルタンテ第3番」は、サクソフォン四重奏とオーケストラ(2管編成+打楽器+ピアノ)という充実した編成、そして20分以上に及ぶ長大な作品で、急緩急の3楽章(Vif, Lent et Scherzo, Vif)形式作品。マルセル・ミュール四重奏団の参加で、このような録音が残されていたことが驚きだ。ネオ・ロマンティックの典型のような作品で、サクソフォン四重奏にもかなり技巧的な演奏が求められるが、ミュール四重奏団は、フランセ「Paris! a nous deux」で聴かれるようなキレッキレの演奏で見事に要求に応えている。
0 件のコメント:
コメントを投稿