2013/11/25

テリー・ライリー「暗殺者の幻想」

CDの解説をそのまま訳してみた。自分用のメモなので、間違っている部分も多いと思うが、なんとなく大筋がわかるので、どなたかの助けになれば幸い。

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Terry Riley - Assassin Reverie (2001) for Saxophone Quartet and Tape

ARTE Quartettにより委嘱され、2001年6月16日にARTE QuartettとBeat Kappelerによって初演された。

Assassin Reverieは、単一楽章だが、音素材とステージングの指示によって3つのセクションから構成されている。"論理的な文脈"を持つステージングによって作曲されている。ライリーがスコアに書いた演奏ノートには、次のような指示が書いてある。カルテットの演奏者は全員、同じ色の服と帽子(hat)で身を固めなければならない。それは、白でも黒でも黄でも緑でも良い。

この視覚的側面は、もちろん録音においては失われているが、書いておくに値することだろう。曲の冒頭、ソプラノサクソフォンが叙情的なフレーズを奏で始めると、ステージ上は赤い色の光で包まれる。すぐにアルトサクソフォンとの絡みとなるが、アルトはカノン的にソプラノサクソフォンのフレーズを模倣する。さらにテナーサクソフォンが演奏し始め、やはりソプラノサクソフォンのパート模倣する。

冒頭の哀愁を帯びた曲のムードは、すぐに相反する上行形の連符によって、まったく違った性格を見せることとなる。19-23小節目と、36-38小節目に、ソプラノサクソフォンの上行形の連符を見ることができるだろう。2回めの上行形は、ソプラノサクソフォンが無伴奏のカデンツァへと進行するための境界となっている。そのカデンツァははやり上行形であり、ソプラノサクソフォンはカデンツァの最高音に達すると、痛みを伴った泣き声のように、ピッチベンドによって音程を下げる。

62-63小節目に現れるテナーサクソフォンとアルトサクソフォンが演奏する上行形のフレーズは、新たなエピソード(Con moto)の開始を告げる音形だ。アルトとテナーのシンコペーションの動きによって、ソプラノサクソフォンとバリトンサクソフォンが奏でるアラベスク風のメロディが出現する。楽器ごとの絡み合いはさらに複雑となり、演奏は徐々に強烈となり、ついに最初のセクションのクライマックスへと到達する。ここでは、4本のサクソフォンが、激烈な上行形の半音階のクラスターを奏でる(94-99小節目)。全てのパートにffffの指示があり、ステージングの指示には、灯されていた赤い光を突然消すように、との指示がある。同時に、サウンドトラックがスタートする。

ここから第2セクションである。攻撃的なサウンドトラック…銃器の発射音や、ヘリコプターの音が全編に渡って聞かれる…とともに、次のセクションまで暗闇からストロボを発光させるようにとの指示がある。ここでライリーは特に記譜を書いておらず、演奏の開始位置だけを厳格に定義している(ソリ、テュッティ、デュエット、等)。サウンドトラック中の別々のパッセージは、旋律のようなフレーズや音階に関連づいており、4人のプレイヤーによって自由に演奏されて良い。サクソフォンパートはサウンドトラックに聞かれる恐怖のサウンドに呼応して、本能的に即興を行わなければならない。この劇的で長大なセクションでは、ライリーによれば、演奏者は"ステージの周囲に"移動しなければならず、さらに"サウンドトラック中と同じような銃器の音や暴力の音を常に模倣しなければならない"そうだ。

サウンドトラックのキューイングにより、第2セクションが終わる。サクソフォン奏者は譜面台の場所に戻り、ストロボをは消され、青い光を灯すようにとの支持がある。サウンドトラックは徐々にフェードアウトし、サクソフォン四重奏は最終セクションを奏でる。ここで演奏される旋律は、冒頭の哀愁を帯びたフレーズと似通ったものである。

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Arte QuartettのこのCD→Terry Riley: Assassin Reverieで聴ける。「Uncle Jard」では、ライリーがヴォーカル&ハープシコード&ピアノで参加していたりと、なにげに豪華。演奏は妙に即物的なのだが、それもまた味わい。

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