【クロード・ドラングル サクソフォン・ライブ2 "Next"】
出演:クロード・ドゥラングル(sax)、ホセ=ミゲル・フェルナンデス(electronics)
日時:2012年10月13日(土曜)18:00開演
会場:静岡音楽館AOI
料金:全席指定4000円、22歳以下1000円
プログラム:
P.ブーレーズ - 二重の影の対話
G.グリゼー - アヌビ=ヌー
M.ストロッパ - ...of Silence(静岡音楽館AOI委嘱作品・第3版)
L.ベリオ - セクエンツァIXb
野平一郎 - 息の道(静岡音楽館AOI委嘱作品 日本初演)
問い合わせ:
054-251-2200 (静岡音楽館AOI)
いよいよ今週末に迫ったドゥラングル教授のリサイタル@静岡音楽館AOIの聴きどころをご紹介。
一見すると2007年のリサイタルを想起させる内容だが、本質は全く違う所にあるようだ。2007年の内容をさらに発展させた結果がこの5曲だ、ということなのだろう。まさに尖った印象を受けた前回("ライヴ"という言葉がとても似合っていた)とは打って変わって、ベテラン作曲家でラインナップを組んだ今回のプログラムは、サクソフォンを学ぶ方以外にも聴いてほしいほどのものだ。
ブーレーズ「二重の影の対話」は、クラリネット作品からの改作。国内でのサクソフォン版の演奏は、佐藤淳一氏、大石将紀氏らによってすでになされているが、やはり注目ポイントはIRCAMのスタッフが音響面でサポートを行う、ということ。ストロッパ作品も、これは2007年に委嘱新作として演奏されて以来の演奏となるということだろうが、音響が非常に重要な作品となっているため、再びIRCAMスタッフの采配のもと聴くことができるのだ。
グリゼー、ベリオ作品は、無伴奏の作品として非常に重要なレパートリーだ。ドゥラングル教授の"音"そのものを存分に楽しむことができるだろう。前回、実はグリゼー作品の演奏が予定されていたのだが、急遽シェルシ「3つの小品」に差し替えとなった。それはそれで良かったのだが、ドゥラングル教授の演奏するグリゼー作品はとても興味あるところだ。
そして何といっても野平一郎氏の新作「息の道」である。4本のサクソフォンとエレクトロニクスを駆使した音響は、これまで築き上げられたサクソフォン+エレクトロニクスという編成の作品の中にあって、ひとつの大きな峰としての位置を占め、これからも演奏され続けることだろう。7月のWSC会期中にイギリス初演を聴くことができたのは、まさに僥倖であった。この類まれなる傑作を、ふたたび日本で聴けることを嬉しく思う。
チケットは残っているかわからないが、とりあえずまだの方は問い合わせてみてはいかがだろうか。
→054-251-2200 (静岡音楽館AOI)
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