東京に来る前は、6年間つくば市に住んでいた。「研究学園都市」「秋葉原からTXで45分」「国際交流都市」…といったキーワードが即座に思い浮かぶが、今考えてみると面白い環境で過ごすことができていたのだなと、改めて思う。
閉鎖的な土地であるせいか外界の雑音がなく、何かを集中してこなすにはもってこい。手頃な娯楽が少ないため、勉強・研究以外だとサークルくらいしかやることがない。必然的に同じ人達と長期間にわたってつるんでいることになるので、なにか一つのことを醸成する環境ができやすい。とはいえちょっと頑張って東京に出れば、様々な刺激を得ることもできる。etc.
そんな土壌のためか、私の知る限りこれまでに3回、大学時代の吹奏楽団を起点としたサクソフォン・パートの隆盛が起きている。始まりはツクバ・サキソフォン・アンサンブルだろう。私たちの4~5つ上の先輩方が結成したカルテットで、自主公演の開催、ジョイントコンサート開催、独自編曲作品の演奏、ウェブページ作成等、当時、大学生のみで結成されたアンサンブルとしては画期的なほど、幅広く活動を展開していた。その活動の広さ、場数の多さは驚異的なもので、このページからその活動の濃さを参照することができる。
そのおよそ5年後、私を含む吹奏楽団のメンバーが立ち上げたカルテットは、大学の吹奏楽団が主催するアンサンブル・コンサートでツクバ・サキソフォン・アンサンブルの演奏の一端に触れた。そこで「アトムハーツ・クラブ・カルテット」を聴いて受けた衝撃は、間違いなくカルテットとしての活動を見直すきっかけとなり、そのおかげで現在まで演奏を続けていられるのだと思っている。当時MuseSQなどと名乗っている時期もあったが、協会のコンクールに参加したことをきっかけにTsukuba Saxophone Quartetと名乗り(これもツクバ・サキソフォン・アンサンブルの影響を受けていることは明らか)、自主公演の開催などを行った。ちなみに「アトムハーツ・クラブ・カルテット」に挑戦したことは、ツクバ・サキソフォン・アンサンブルから私たちが受けた影響に対する、答えというか落とし前の付け方だったのかもしれない。
それからさらに5年、なんだか後輩の間に再び不穏な動き(笑)がと思ったら、あれよあれよという間に自主公演の開催が決まっていた。つくばのサックスには「5年」という何かバイオリズムのようなものがあるのかもしれない。大学の吹奏楽団のメンバーを中心に、カルテットを3曲、松雪明先生を独奏として迎えてJ.イベール/J.M.ロンデックス「コンチェルティーノ・ダ・カメラ」、そして最後にラージアンサンブルで「フィンランディア」「カンタベリー・コラール」を演奏するとのこと。Tsukuba Saxophone Quartetもちょっとだけ出演させてもらいます。
チラシのデザインは、サックスパートの現役団員のひとり、GUTIOさんの手によるもの。
【筑波大学サクソフォンアンサンブルコンサート】
日時:2012年9月16日(日) 開場15:00 開演15:30
会場:つくばカピオホール(TXつくば駅より徒歩5分)
客演:松雪明
料金:入場無料
プログラム:
J.S.バッハ - イタリア協奏曲
J.イベール/J.M.ロンデックス - コンチェルティーノ・ダ・カメラ(客演:松雪明)
J.ヴァン=デル=ロースト - カンタベリー・コラール 他
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