この歴代パリ国立高等音楽院の教授陣は、四重奏も共通の録音を残している。ミュールとデファイエは長きに渡って四重奏の活動を積極的に行ったが、ドゥラングル教授に関しては、Quatuor Adolphe Saxの活動期間が比較的短かったのが残念だ。そんなわけで、ミュールとデファイエが共通で取り上げた作品は多いのだが、ドゥラングル教授も…となると少ない。
G.ピエルネ - 民謡風ロンドの主題による序奏と変奏
ミュール:Gramophone L1033
ミュール:Erato STU 70306
デファイエ:EMI
ドゥラングル:Vandoren 001
ミュールの旧録音(Gramophone)は、"1936年のディスク大賞受賞作"というタグが付けられることが多いが、この"ディスク大賞"というものの詳細な実態がいまいち良く判らない。レーベルの賞なのか、何か国家的な賞なのか、気になるな…。デファイエの録音は、エレガントそのもの。ドゥラングルの録音は、シュミットとともにいぶし銀なイメージ。
F.シュミット - 四重奏曲作品102
ミュール:Decca LX3135
デファイエ:EMI
ドゥラングル:Vandoren 001
いずれの録音もCDへ復刻されており、入手はしやすいはずだ。ミュールの録音は、やや時代を感じるものの、技術的にはかなりのレベル。解釈として完成しきっていないのは、まだまだ後続の名演を期待できるという点で幸いだったかもしれない(これがデザンクロだと、もう完成形が呈示されてしてしまっているものだから…)。三世代の移り変わりが、一番良くわかる録音だと思う。
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