ミュール、デファイエ、ドゥラングルは、言わずと知れたパリ国立高等音楽院の歴代教授陣だが、3人全員が録音を残している曲はなにがあるかなあ、と調べてみた。3つを並べて聴くことで、フランスにおけるサクソフォンの演奏スタイルの変遷を聴きとることができそうだ。
J.イベール - コンチェルティーノ・ダ・カメラ
ミュール:Gramophone DB 5062/63 フィリップ・ゴーベール指揮パリ音楽院管弦楽団
ミュール:EMI 85240 マニュエル・ロザンタール指揮パリ・フィルハーモニア管弦楽団
ミュール:型番なし シャルル・ミュンシュ指揮ボストン交響楽団(ライヴ)
デファイエ:Epic LC3478 ジャン・フルネ指揮コンセール・ラムルー管弦楽団
ドゥラングル:BIS CD-1357 ラン・シュイ指揮シンガポール交響楽団
なんと言ってもミュールの最初の録音だろう。オケとやや噛み合わないながらも、天才的な閃きと勢いに充ち満ちている。引退直前のライヴ録音にも注目。ドゥラングルの録音は、言わずと知れた"楽譜通り"。初めて聴いたときは、飛び上がるほど驚いた。
C.ドビュッシー - ラプソディ
ミュール:EMI 85240 マニュエル・ロザンタール指揮パリ・フィルハーモニア管弦楽団
デファイエ:Erato STU70719 マリウス・コンスタン指揮フランス国立放送管弦楽団
ドゥラングル:Erato 5TU71400 アルミン・ジョルダン指揮モンテカルロ・フィルハーモニー管弦楽団
ドビュッシーについては、やはりデファイエの録音が突出していると思う。オーケストラの管楽器の扱い方も絶妙。ミュールはソロは良いのだが、オーケストラがやや力不足。
P.モーリス - プロヴァンスの風景
ミュール:Decca LXT5221 Solange Robin (pf.)
デファイエ:Fidelio ? Jacqueline Dussol (pf.)
ドゥラングル:BIS CD-1130 Odile Delangle (pf.)
いずれも名演。ミュールの、ヴィブラートをバリバリかけながらもハイスピードかつスタイリッシュな演奏は見事。デファイエの録音はあまり知られていないだろうか?
全部で3曲か。何か忘れている気がするが…。トマジ「協奏曲」は、ミュールが第2楽章"ジラシオン"だけ録音しているものの、編成が違うこともあり割愛した。グラズノフに関しては、いずれの奏者も録音を残していないのはやや奇異に映る(ミュールは、ピアノとのデュエットのライヴ録音を残している)。
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