ルクレールやヒンデミットやプーランクはたくさん演奏されるが、その次が続かない、というのがサクソフォン・デュオの現状。私が今まで聴いたり演奏したりしたなかで、際立っているなと感じたものをいくつか思い出して挙げてみたい。
Alain Bernaud - Sonate en duo (ssax, bsax)
フランスの作曲家、アラン・ベルノーと言えば「四重奏曲」あたりが有名だが、ソプラノサクソフォンとバリトンサクソフォンのために書かれた本作品も、見過ごしてはおけないと思う。もともとはデファイエとルデュー、という2人の伝説的名手らのために書かれた作品で、モチーフの鏡像進行に重きを置いた作品。第1, 3, 4楽章あたりなどオススメ。難しいのはもちろんだが、長いのもちょっと難点。
(楽譜:Editions Comble)
Ferrer Ferran - Sonatina ~PARSAX~ (asax, asax, pf.)
「キリストの受難」などの吹奏楽作品が有名なフェレール・フェランだが、こんな曲も書いているのですねえ。スリリングな第1楽章、美しい第2楽章、ジャズ風の第3楽章と、はっきりと性格が分かれており聴きやすく、全部通しても演奏時間は11分程度。Ensemble TXの演奏会でも取り上げたが、けっこう難しかった(もしかしてアマチュア初演!?)。吹いているほうも楽しいし、聴衆受けもかなり良い作品であることは間違いがない。
(楽譜:Editions Comble)
Andy Scott - Dark Rain (ssax, asax, winds or asax, tsax, winds)
音源が存在せず詳細が分からないのだが、ジョン・ハールとロブ・バックランドに捧げられた協奏曲、というだけで興味が引かれる。しかも、British Composer Awardsの吹奏楽&ブラス部門を受賞してしまったというのだから、なんだか凄いものであることは間違いなさそうだ。このリンク先から試聴できる。clip1とclip3とclip5がカッコよすぎる。ピアノリダクション版作ってくれ~。
(楽譜:Astute Music)
Guy Lacour - Suite en duo (asax, asax)
アルトサクソフォンのためのデュオ。第2楽章(だったかな…)のフーガに、バロック作品からの影響を感じ取ることができる。終楽章は、二本のサックスが濃密に絡み合いながら複雑なパッセージを吹き飛ばす。最後の飛ばしっぷりには、拍手喝采って感じです。
(楽譜:Billaudot)
江原大介 - Coloring time (ssax&asax, asax&tsax, pf.)
蓼沼雅紀さんと長澤範和さんのデュオ「阿吽」の演奏会に際して委嘱された新作。中間部にはジャズ風のフレーズが置かれ、そして両端にはゆったりとした美しい部分が奏でられる。この演奏会では3つの新作が披露されたが、トリを務めたこの作品に、観客席が大いに沸いていた。
(楽譜:未出版)
他に何か良い曲がありましたら、教えてくださいm(_ _)m…そういえば、フェルドハウスのライヴエレクトロニクス作品、「TATATATATA」ってテナーサクソフォンとバリトンサクソフォンのために編曲されているんだったか。
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