2008/05/16

興味の対象

ブログの右上のプロフィール欄にも、ウェブページkuri_saxoプロフィールページにも書いてあるとおり、現在の「サクソフォンの歴史的録音」「現代音楽におけるサクソフォンの位置づけ」「シガード・ラッシャー」の3点である。以前はイギリスのクラシック・サクソフォンの調査にいそしんでいた時期もあったのだが、最近はややパワーダウン気味、というか他の3点に注力している中で、時間の割り振り方が変わってきたとでも言おうか。

特に、最初の2つ「サクソフォンの歴史的録音」「現代音楽におけるサクソフォンの位置づけ」は、私がこの先に渡って調査を行っていくべき2大柱だ。この2つは見方によっては相反するものであるが、同時に俯瞰していくことにより、やや突っ込んだ捉え方をすることができているのかな、と考えている。

・サクソフォンの歴史的録音

これに関しては、木下直人さんやAndy Jackson氏、そして知り合ったアマチュアのサクソフォン奏者の方々などからの音源提供により所蔵資料が揃ってきた。ありがたいことだ。特に木下直人さんから頂戴したものに関しては、(木下さんからの強い希望もあり)積極的に価値がわかる方への配布を行っていかなければいけない。

中高生~大学生でサクソフォンに取り組んでいる方の中で、デファイエを聴いたことのある方は何人いるだろう…もっと言えば、今年の管打を受ける人のうち、デファイエ演奏のリュエフ「ソナタ」を聴いたことのある人は、何人いるのだろう!聴いたからって、別に良い成績が残せるわけじゃないけれど、それとは別に大切なものがあるのではないかなあと思う今日この頃。いちアマチュアの戯言ですが。

・現代音楽におけるサクソフォンの位置づけ

高校3年のときに棚田文則「Mysterious Morning III」にハマって以来だから、かれこれ6年になるのか。我ながら長いな~。最近でこそ国内の演奏会でライヴエレクトロニクスやパリ周辺の最新作が取り上げられるなど、状況は変わりつつあるが、もっと大きくレパートリーが転換しても良いと思うのだ。フェスティバルや、一部の奏者の演奏会で取り上げられるだけでなく、さらに広範囲で積極的に取り上げられることが必要かと。もちろん、最新作ばかりではダメで、伝統的なものを含めてバランスよく取り組んでいくことが必要。

話は逸れるが、伝統的なフレンチ・スクールのレパートリーに縛られているサクソフォンの中途半端な教育システムが問題かもしれない。フランスのコンセルヴァトワールで学んでいる生徒の中には、13歳でサクソフォンとミュージック・コンクレートのための作品をCDへ吹き込んでしまう、という例もあるくらいだ。…これに関しては、きちんと考察しなおしてみようかな。

・シガード・ラッシャー

おかげさまで、この4月でいったん区切りをつけることができた。外部に向けて具体的な成果を表すことができるのは、6月か7月頃かな。というわけで、4月以降シガード・ラッシャーに関する調査はいったん停止しているが、最近もPaul Cohenのダール「協奏曲」に関する論文(これがけっこう面白い)を入手するなど、資料の収集は継続中。ラッシャーは、後を継ぐ奏者がいるにも関わらず、そちらにはどうもラッシャー本人ほどの調査の魅力を感じないのだよな。不思議。

次はどこを探索してみようかなー。イギリスのサックスに戻るのも面白そうだし、ミュール以前のサクソフォンというのも面白そうだ。

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