主に吹奏楽分野、歌曲の分野で知られる作曲家の伊藤康英氏が、「伊藤康英・音楽の夕べ ポッドキャスト版」なる企画を始めたのだという(f_iryo1氏のブログで知った)。
http://itomusic.cocolog-nifty.com/blog/
毎回、伊藤康英先生が作曲したピアノ曲、吹奏楽曲、歌曲の中から、一曲ずつを紹介していく、というスタイルになるらしい。先生自身の肉声による解説も入っており、まさにヴァーチャル・コンサート、といった趣だ。しかもたっぷり20分!
こうやって自分の作品を音源として紹介してゆく試みは、大変珍しい。普通に作曲家がこういった企画をやろうとすると、団体ごとの権利などが絡んでくるのだろうが、康英先生の場合は友人と共演したようなものや音楽大学の指揮を振った音源が大量に存在するため、比較的実現は容易なのだろう。
初回のプログラムは、「だんだんサンバ(ピアノ)」「Violinissimo!~ヴァイオリンと吹奏楽のためのカプリツィオ」「あなたのほほえみは」。特に「Violinissimo!」は、ヴァイオリンの名曲を知った人には大変面白い。例えば前半では、「スペインのフォリア」のコードの上に、バッハ「シャコンヌ」のメロディがステップを踏み、さらに続いてパガニーニのカプリスが聴こえてくる…と言った具合(さすがに全部は分からなかったが)。
歌も良いなあ。先生は歌を手がけ始めた時期はかなり遅いはずだが、メロディの美しさはまさに絶品。今回の録音ではオブリガード声部としてフルート・ダモーレを加え、豪華な響きに仕上がっている。
話は飛ぶが、先生の本来の(昔の)作風って、上の三曲からはかなりかけ離れたものなのだよなあ。創作音列を基に曲を展開していくような、昔の作品も好きで…「サクソフォーン協奏曲」とか「協奏的幻想曲」とかも流してくれないかなあ。…まあ、それはともかく、末長く続いていってくれることを願う次第。
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