お茶の水ディスクユニオンにヴェーベルンの作品集があったので買ってきた。中古で735円。ラッキー。
「Boulez conducts Webern(DG 437 786-2)」という10年ほど前の録音で、演奏はブーレーズ指揮アンサンブル・アンテルコンタンポラン。ごく初期のピアノ四重奏曲から、中後期の協奏曲(作品番号は24)まで歌曲、室内楽を取り上げたCD。作品番号順に収録されていて、ヴェーベルンの作風の変化がたどれるのが面白い。
お目当ては「四重奏曲作品22」。これは珍しくもサクソフォーンを含む室内楽作品で、ヴァイオリン+クラリネット+テナーサックス+ピアノという異色の組み合わせによる2楽章構成の小品。ほんの6分間の中に散りばめられた点描的なフレーズが楽器間で交換されながら、濃密な音空間が形成されていく。これねー、やってみたいんだけど演奏者にも観客にも受け悪そうだし強烈に難しそうだしで、なかなか手が出せないでいるのだが。
このディスクではピアノがピエル=ロラン・エマール、サクソフォンがクロード・ドゥラングルという現代にあってはこれ以上の贅沢はないという最強の演奏陣。作品に対する冷徹なまなざしと超高度なテクニックが、譜面をより忠実に再現しているようだ。まるで譜面が眼前に迫ってくるようなカミソリの刃のように極端にメカニカルな印象。この曲、他にはカイル・ホーチが参加している「Chambersax」にも同じ曲が収録されていたり、クリステル・ヨンソンが参加しているMaアンサンブルの演奏がある。Maアンサンブルの演奏は未聴なので、そのうち聴いてみたいなあ。
そういえばヴェーベルンの作品て、一曲一曲が短いんだなあと改めて感じた。「5つのカノン作品16」なんて、全5楽章構成で3分30秒程度だもの。
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