2012/04/22

ザッツ・サクソフォン・フィルハーモニー第9回定期演奏会

びっくりした。大学だったり、サクソフォニーだったり、まがいなりにも何度かサクソフォン・オーケストラという編成に関わったことのある自分にとって、大きな衝撃であった。

昨年も伺いレベルの高さに驚いたものだったが、本日の演奏はレベルが高い…という部分に収まりきらないものだった。演奏会後にお知り合いと話したが、ストレートに感動を覚えたステージだった。近藤久敦氏を客演指揮に呼んでいるから、とかそういった単純な理由ではないとは思うのだが…。いやはや、驚き。

【ザッツ・サクソフォン・フィルハーモニー第9回定期演奏会】
出演:ザッツ・サクソフォン・フィルハーモニー、近藤久敦(指揮)
日時:2012年4月21日(土曜)18:00開演
会場:国立オリンピック記念青少年総合センター カルチャー棟・大ホール
プログラム:
E.エルガー - 威風堂々第一番
E.エルガー/近藤久敦 - "エニグマ変奏曲"よりニムロッド
G.ホルスト/大須賀吉江 - 組曲"惑星"より火星、金星、木星
H.ジマー/新実信夫 - パイレーツ・オブ・カリビアン
A.W.ウェバー/新実信夫 - オペラ座の怪人
C.チャップリン/内田祥子 - ライムライト(スペシャル・ミュージック・ストーリー)
タイム・トゥ・セイ・グッバイ(アンコール)

一曲目、エルガーの「威風堂々」がとにかくすごかった。この一曲で演奏会のメインを張ることすらできるのでは…というほどの完璧な演奏。立体感あふれる各声部の絡み合い、トリオの美しい(開放すらケアされた)音色、難儀な16分音符も粒立って聴こえる。客席からも、大きな拍手が送られた。箸休めのエニグマ変奏曲に続いて、ホルストの「惑星」抜粋。パーカッションも交え、相当の意気込みを感じる演奏で、ここまででひとつの演奏会として成り立ってしまっていると思ったほどだ。特に、火星でのオケが一体となった推進力や、木星でのキラキラとした楽しさ(まさに快楽の星!)といったところなど、印象深い。ちなみに「惑星」のなかでは土星がいちばん好きなので、本当は土星も聴きたかったなー、なんて。

後半は、吹奏楽アレンジを思わせる「パイレーツ・オブ・カリビアン」にて幕開け。後半になっても、高いクオリティは維持されたまま、聴衆をぐっとひきつける。「オペラ座の怪人」については、さすがに柏原さんの編曲を知っていると?な部分があったのだが、最後の「ライムライト」は圧巻であった。ザッツさんお得意の、スペシャル・ミュージック・ストーリー…ナレーションとサックスオケを絡める音楽絵巻である。脚本もオリジナルなのが驚き。

「ライムライト」は有名な喜劇王チャップリンの映画で、父の影響で私も「モダン・タイムス」「独裁者」「黄金狂時代」あたりは観たことがあるのだが(「独裁者」の最後の演説シーンなど、小学生なりに感動を覚えたものだ)、そういえば「ライムライト」のストーリーを知るのは初めてだったかもしれない。ナレーションの上手さ、そして演奏の上手さもあって、感動的なステージとなっていた。そして、そのまま「Time to Say Goodbye」である…うーむ、やられた。完璧なプログラミングだ。サクソフォン交流会でご一緒するのも楽しみ。

終演後は、来場していた柏原さんとともに代々木で軽く一杯。美味しかった。

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