2008/05/02

クロード・ドゥラングルの生徒たち(その1)

ご存じThunderさんのブログ上での連載「マルセル・ミュールの生徒たち」に触発され、じゃあ最近のパリ国立高等音楽院 CNSMDPはどうなのか、という疑問から、課題曲や卒業生をリストアップしつつ、状況を考察してみたい。とは言っても、Thunderさんの文章力にはどうしても劣ってしまうことはわかりきっているため(苦笑)、簡潔なものになることをお許しいただきたい。

クロード・ドゥラングル氏がダニエル・デファイエ氏からCNSMDPサクソフォン科教授の職を受け継いだのは、1988年のことである。デファイエクラスの最後の卒業生は、Philippe Braquart、Daniel Gremelle、Antoine Bellec、Eric Devallonというメンバーであった。新作委嘱の課題曲は無し。

[1989]
新作課題曲:
Betzy Jolas - la plupart du temps 2
1er prix:
Alain Pereira, Jérôme Bartalucci, Eric Martin
2eme prix:
Paul Wehage, Cyril Nadjar

課題曲となったヨラスの作品は、テナーサクソフォンとチェロ、テノール(男声)という編成のためのもの。Alain PereiraとJérôme Bartalucciは、それぞれBoulogne -sur-Mer音楽院、Thiers音楽院のサクソフォン科講師。Eric Martinは、同姓同名のジャズヴォーカリストのほうが検索に引っかかってしまい、調べがつかなかった。

[1990]
新作課題曲:
なし
1er prix:
Cécile Dubois, Paul Wehage
2eme prix:
Christian Bataille, Jean-Luc Miteau

Cécile Duboisは、ブザンソン音楽院サクソフォン科講師。ゲランド・ロワール夏期国際音楽アカデミーの講師なども務めている。Paul Wehageに関しては、公式ページをご覧いただきたい。現在は作曲や指揮など、オリジナリティあふれる活動を展開しているようだ。CDでは、無伴奏チェロ組曲を収めたもののほか、REMレーベルにアントワーヌ・ティスネ作品集などというものも吹き込んでいたようだ。

[1991]
新作課題曲:
なし
1er prix:
François Leclaircie, Didier Vadrot, Michel Supéra, Jean-Michel Pirollet, Christophe Bois

全員プリミエ・プリで卒業。François Leclaircieはニース音楽院講師、ディディエ・ヴァドロ Didier VadrotはOssia Saxophone Quintet オッシア五重奏団のソプラノ奏者としても有名で、アンリ・ソーゲ国際音楽コンクールに入賞。ソーゲ作品集のレコーディングに参加している。確か安田良美さんと結婚したという噂を聞いたことがあるのだが、本当のところはどうなんだ。

Michel SupéraはValenciennes音楽院講師。Jean-Michel Pirolletは、ヴァドロと同じくオッシア五重奏団の奏者。Christophe Bois クリストフ・ボワは卒業後にドゥラングル教授のアシスタントを務め、その後Bourges音楽院の講師。ディアステマサクソフォン四重奏団 Diastema Saxophone Quartetのソプラノ奏者。パリ管弦楽団とともに、何度か来日しており、日本でもおなじみ。

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