2010/04/30

MAX!MAL BL!NDMAN

ピアニストの大宅裕さんに教えていただいたCD。演奏者のBL!NDMAN Saxophone Quartetは、ベルギーの四重奏団体である。いくつかのCDはオンライン上で全ての録音が公開されており、誰でも無料で聴くことができる(→公式ページはこちら)。

この団体について語るときは、彼らが目指す方向性について簡単に解説しておかなければならない。「ブラインドマン」という言葉は、1917年に刊行されたマルセル・デュシャン監修の雑誌の名。「盲目の男」とは、「芸術展に訪れた 訪問者を引き連れる 盲目の男」というダダイストの観念を表しているそうだが、これってダダイズムの基本思想である「既成の秩序や常識に対する、否定、攻撃、破壊といった思想(Wikipediaより)」の同義語なのだろうか。

公式サイトの言葉をそのまま引用すると、「同団体の創設者であるEric Sleichim氏は、マルセル・デュシャンやヨーゼフ・ボイスといった芸術家の思想を音楽に適用しようと考えている。サクソフォン四重奏という形態から出発し、慣例にとらわれない演奏表現の追求、"芸術"と呼ばれるすべての分野からのレパートリーの拡張、等に務めている」ということなのだそうだ。世の中の95%のサクソフォン四重奏と呼ばれる団体が、フレンチ・アカデミズムをベースに演奏活動やレパートリー構築に励むなか、一線飛び越えて"音楽"の本質に迫ろうとする姿勢は、大いに評価すべきではないだろうか。相当ぶっ飛んだことをやっていると思うのだが、それに共感するメンバーが4人も!同門だから、とか、上手いから、だけでは務まらないだろう(^^;

「MAX!MAL BL!NDMAN(Universal Music 986835-6)」は、ベルギー・ミニマリズムのパフォーマンスをフランクフルトでライヴ収録したディスク。全曲が聴けるサイトへのリンクは、ここ。

Thierry de Mey/Peter Vermeersch - Contre Six [2pf, vc, saxq, loop]
Walter Hus - Five to Five [2pf, vc, saxq, loop]
Eric Sleichim - Third movement for Beuys [tsax]
Peter Vermeersch - Scrum [tsax]
Thierry de Mey - Balatum [8percs]
Thierry de Mey/Peter Vermeersch - Habanera [2pf, vc, saxq]

編成がずいぶんと特殊だが、いろいろな響きがして面白いぞ。ベルギーのミニマル・ミュージックというのも初めて聴いたが、オランダのミニマルを深青色に染めたような響き(適当なこと言ってる)。「Contre Six」「Habanera」の2曲が楽しいですね。こういう音楽の需要がある、というのも凄いことだな。

2010/04/29

バッハのことなど

最近のことだが、寝付く前にはかならずバッハの何かしらを聴いてから寝るようにしている。聴けば聴くほどに、和声の動きやそれぞれの声部の独立性に耳が引き込まれる。いまさらながら実に味わい深く、どれもが魅力的である。

大バッハ、ことヨハン=セバスチャン・バッハの家系には他にもたくさんの作曲家がいて、例えばC.P.E.バッハなどかなり響きが似た作品を書いているのだけれど、言葉で説明するのは難しい「深遠さ」という点では、大バッハの作品は他と一線を画している。作品から立ち上がる響きは、時に宇宙などと喩えられることもあるくらいだが、バッハほどに、響きに身を委ねられる作曲家はいない。私は、バッハとは何かと訊かれたら、「シンプル&古典的な端正さと天才的な閃きの同居」と答えるが、聴き手それぞれに、それぞれの独立した印象を植えつけてしまうのも、やはりバッハならではの作用なのだろうか。

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ざっと見渡したときに、サクソフォン・カルテット向けに編曲されたバッハの作品って、何があるかな。「フーガの技法」「パルティータ第4番」「パルティータ第6番」「シャコンヌ」「イタリア協奏曲」くらいだろうか。ソロでやるのも面白そうだけれど、やっぱりバッハの面白さは多声にあるのかなあとも思う。

一曲、なにかしっかりと四重奏でバッハを取り上げてみたい今日この頃。もしやるなら、ぜひマイナーキーの作品を吹いてみたい。そういえば伊藤康英先生が編曲した「シャコンヌ」が、イトーミュージックから楽譜を買ったきり手付かずだ(音を出しては挫折しを、4回くらい繰り返しているような)。

水曜日の夕方

サックスメーカー系飲み、じゃなかった、メーカー系サックス飲みだったのかな?(笑)mckenさん、けこっつさん、masaxさんと、大田区下丸子の沖縄料理屋さん「とんとんみー」で飲み。Twitterのつぶやきから飲み会がセッティングされてしまうなんて、楽しいですね。masaxさんのウェブサイト「SAXOFAN」は、私が高校生だった頃からよく存じているのだが、この日が初めてお会いできて感激!(mckenさんとは、古くからのお知り合いらしい)

さすがサックスの話が出る出る…ドビュッシーの話題が面白かったなあ。飲み会から帰ってから思わずデファイエとロンデックスとミュールの、それぞれのドビュッシーの「ラプソディ」の録音を聴いてしまった!デファイエの吹き方は、サックスの枠を踏み越えているように聴こえますね。さすがだ。

あ、あと、まめこさんとこつぶさんと遊びました(爆)まさか飲み屋で折り紙折ってみたり、足ジャンケンしたりするなんて(^∨^)楽しかったなあ(なんか童心に還った気分)。

2010/04/27

Northshore Saxophone Trio plays たかの舞俐 on YouTube

先日聴きに伺った、ノースショア・サクソフォン・トリオのコンサートの一部模様が、YouTubeにアップロードされていた(アップロードしたのは、誰なのだろうか。たかのさんの関係者かな?)。

たかの舞俐さんの「リガリアン」を2曲楽しむことができる。「リガリアン」は、LigetiとAlienを融合させた言葉で、「I」については、作曲家の言葉によれば「リゲティにエイリアンの遺伝子を融合させ、発展させていったらどうなるだろう?」というコンセプトに基づいて作曲されているそうな。「IV」は、同じタイトルを持つものの、そのコンセプトからは外れ、浮かんできた曲想を躊躇なく受け入れて書いていった、とのこと。

前半こそシリアスな場面が未受けられるが、「リガリアンI」後半はブギウギ風、「リガリアンIV」後半はジャズ風で、比較的受け入れやすい響きだと思う。第4楽章最後の重音は、何か長い前置きがあるんだよなあ(笑)。まあ、それに関しては心にとどめておこうっと。

たかの舞俐 - リガリアンI


たかの舞俐 - リガリアンIV

2010/04/26

アルルの女(クリュイタンス指揮パリ音楽院管)

これも、さとうさんに送っていただいた録音。

アンドレ・クリュイタンス×パリ音楽院管弦楽団という組み合わせは、フランス音楽をやらせたらもう言わずもがなの史上最強コンビ(だと思う)。木下直人さんに最高の状態で復刻していただいたラヴェル作品集は頻繁に聴くし、フォーレのレクイエムの録音も素晴らしいし、、、えっと、あと何か手持ちの録音はあっただろうか。

ビゼーの「アルルの女」第一組曲&第二組曲の録音もまた、このコンビの名を知らしめた名録音。瞬間瞬間の響きが美しく、夢のようなピアニシモから、豊潤なフォルテまで、いかなる時にも常に輝きと高貴さを失わないのだ。楽器の響きとしては、弦の何気ない響きと、あと個人的にはホルン、というか「コル」が好きですね。ヴィブラートがかかるんですよ。去年、諸事情によりなぜかテナーサクソフォンでこのパートを吹いたのだが、そのとき参考にしたのもこの録音だった。

ソシエテって、聴けば聴くほどに"ラテン系"オーケストラなイメージがあるのだが、皆様はどうお思いだろうか。音色の明るさといい、リズムの弾けっぷりといい…ヴィラ=ロボスとかやらせたら凄いんじゃないかなあ、とか(笑)不謹慎ながら夢想してしまう。

サクソフォンは、たしかギャルド・レピュブリケーヌのミシェル・ヌオー Michel Nouaux氏だったと思う。さすがにダニエル・デファイエと比べてしまうと劣勢なのだが、素朴ななかにも煌きと意志を湛えた、「この時代の音」を出している。第二組曲「メヌエット」でのオブリガートなど、ゾクッとしてしまう。

2010/04/25

チェンバー・シンフォニーの楽譜

やる予定はないけれど、アンドリュー・スティラー Andrew Stillerの「チェンバー・シンフォニー」の楽譜を買ってみた。たぶん国内の多くのサックス吹きにとっては、「チェンバー・シンフォニー」といえば雲井雅人サックス四重奏団、と連想されると思うが、私にとってはアムハースト四重奏団 AmherstSQのCDで知ったときの衝撃が大きい。当時から刺激的な作品だとは思いつつ、楽譜がどうなっているかなど考えたこともなかったのだが、さすがに国内でこれだけ流行り出すと気になってくるもの。以来ずっと購入するタイミングを逃していたのだが、先日某氏とこの「チェンバー・シンフォニー」の話しになり、良い機会だと思って購入手続きを進めた。楽譜が到着したのは、つい昨日のことだ。

ざっと眺め、一瞬だけ音出しもしてみたが。音から聴こえるとおりに微分音の使用があったり、メヌエットにハイノートがあったり、第4楽章のバリトンはやっぱり30秒のlightly spicedな完全即興だったりと、「ふむふむ」言いながらスコアを読み進め…あ、「Vancouver, Vancouver, This is it!!」はやっぱりテナー奏者が叫ぶのか(^_^;ここは個性が出そう(アムハーストの録音では、録音プロデューサーが叫んでいたっけ)。楽譜には、Call out with Great Excitementの指示が(笑)

どの楽章も、符ヅラはかなり普通なのだが、これがああいったぶっ飛んだ響きになるというのが面白い。第4楽章は、フレデリック・ジェフスキーの「パニュルジュの羊」を地でゆく作曲法、だが冒頭の拍は単純な4/4で、頭が混乱する。各所セクションに繰り返しがあるあたりは、さすが「ハイドンの交響曲をモデルにしている」と言うだけあるな…たしかに、アレグロ~アンダンテ~メヌエット~フィナーレ(プレスト)という形式だけみれば古典派そのものだ。

・件の部分のスコア

2010/04/24

サキソフォックスの楽譜セール

サクソフォン交流会でダッパーサクセーバーズさんの演奏を聴いて以来、サキソフォックスにハマっている。CD「サキソフォックスのお気に入り」を聴いたり、ウェブ上で試聴(MIDI音源だけど)したりすると、なかなか面白い編曲が多いようで、いくつか楽譜を購入しようかなーと考えていた。音楽の絵本 WebShopから、編曲譜を購入することができるのだが、ほとんどの楽譜が2000円と、なかなかリーズナブル。

CDと楽譜が、容易にリンクするのは嬉しいな。有名な曲ならまだしも、CDを聴いて「あって、これいいかも!」と思っても、だいたい楽譜って手に入らないからな。

…などと思っていたら、なんと!本日4/24はズーラシアンブラスのお誕生日ということで、ズーラシアンブラス関連(もちろんサキソフォックス含む)の全楽譜・CDが半額セール中なのだとか!渡りに舟とはこのことで、早速朝から全曲試聴→がっつり購入。XX冊購入して、あっさりと予算オーバー(苦笑)。6~7月あたりに、Tsukuba Saxophone Quartetのメンバーで、つくば市の居酒屋で小さなライヴを行う予定であるため、そこで使えるだろうと考えている。