2010/11/12

Ferrer Ferran "PARSAX"の作曲者公認録音

昨日、Twitterを眺めていたときにふとフェレール・フェラン Ferrer Ferranの「Sonatina - Parsax」のことを思い出して、久々にこの曲について調べてみた。この曲は、2本のアルトサクソフォンとピアノのための作品である。3つの楽章から成り、クラシックの書法で書かれていながら、バラードやポップス(ジャズ)のような親しみやすい外観を持ち、「サックスのデュエットで何か良い曲ない?」と訊かれたときには必ずこの曲をオススメすることにしている。

Tsukuba Saxophone Quartetのソプラノ吹きのNとともに、かつて2回ほど演奏に取り組んだ。私は2ndだったが、フィンガリング的に微妙に難しく練習に苦労した覚えがある。1stは、フィンガリングに加えてフラジオもきちんと吹かねばならず、もっと大変だったようだが。1997年にスペインで開かれた世界サクソフォン・コングレスに際してサックス吹きのラミレス兄弟のために作曲された。日本初演は服部吉之先生とファブリス・モレティ氏(1stと2ndはジャンケンで決めたらしい)が行っている。国内でも少しずつ演奏される機会が増えてきており、嬉しい限り。

作曲者ご本人の作品解説ページを訪れたところ、全編の参考音源がアップロードされていた。
http://ferrerferran.es/Obras/Sonatina.Parsax.htm

ステーブルなテンポで鳴らしきり、サックス二本が重なる部分の和音も倍音レベルまでしっかりとコントロールされており、とても完成度が高い演奏だと思った。ちょっと解りづらいが、上記リンク先ページの三つ並んだ音符アイコンをそれぞれクリックすると、第1楽章、第2楽章、第3楽章を聴くことができる。

作品の良さを、音源と共に伝えられるのは嬉しいなあ。音の世界ならば、百読は一聴にしかず、とでも言えようか。

2010/11/11

Dinant 2010:ファイナリストのみなさんの経歴

NOVIKOV, Evgeny(ロシア)
ノヴォシビルスク特別音楽学校にてサクソフォンを始め、その後奨学金を得てフランスに留学。サン=モール音楽院でニコラ・プロスト氏に師事し、現在はヴェルサイユ音楽院でヴァンサン・ダヴィッド氏に師事。経歴からも判るとおりシャポシュニコワ流の演奏、というわけではない。ちなみに、この名前を調べようとすると、同名のラリードライバーの名前が多数引っかかる。

RAUTIOLA, Joonatan(フィンランド)
なんと、ヘルシンキのシベリウス・アカデミーでは、あのペッカ・サヴィヨキ Pekka Savijoki氏のお弟子さんだったそうな!その後、モーリス・ラヴェル音楽院(クリスチャン・ヴィルトゥ氏に師事)、サン=モール音楽院(ニコラ・プロスト氏に師事)、パリ国立高等音楽院(クロード・ドゥラングル氏に師事)等で学んだ。前回大会のセミファイナリストでもある。ファーストネームは、ヨナタン、と読むそうな。

ROGINA, Miha(スロヴェニア)
もはや説明の必要もないでしょう。リュブリャナ音楽院でMatjaž Drevenšek氏に師事し、フランスへ留学。セルジー・ポントワーズ音楽院(ジャン=イヴ・フルモー氏に師事)、ヴェルサイユ音楽院(ヴァンサン・ダヴィッド氏に師事)、パリ国立高等音楽院(クロード・ドゥラングル氏に師事)等で学んだ。ピアノの李早恵さんとの室内楽団であるDuo Kalypsoにて、数々の国際コンクールで入賞しまくっている。前回、前々回大会ではセミファイナリスト。第2回ジャン=マリー・ロンデックス国際コンクールでは3位を受賞。2007年来日時に初めて演奏を聴いたが、まさに圧巻であった(日本のサックスが、10年間置いてけぼりにされていると感じた)。

SOUILLART, Alexandre(フランス)
モーリス・ラヴェル音楽院(クリスチャン・ヴィルトゥ氏に師事)、モンペリエ音楽院(フィリップ・ブラキャール氏に師事)を経て、パリ国立高等音楽院第3課程でクロード・ドゥラングル氏に師事している。ADAMI(芸術家演奏家権利管理非営利団)クラシック大賞受賞。既に教員免許も取得し、いくつかの音楽院で教鞭をとっている。Osmose四重奏団メンバー。日本のサクソフォン奏者、安井寛絵さんと親交が深く、2009年に初来日した。

ZIMIN, Nikita(ロシア)
モスクワ第2地方音楽院(プロコフィエフ音楽院)卒業後、現在はグネーシン音楽学校でマルガリータ・シャポシュニコワ教授に師事。第2回ジャン=マリー・ロンデックス国際コンクールでセミファイナリスト。第4回のアドルフ・サックス国際コンクール優勝者であるセルゲイ・コレゾフ氏と並ぶ、ロシアの若き俊英。YouTubeのここのアカウントに彼の演奏がたくさんアップロードされているが、豪快かつエモーショナルな演奏をする方である。

DIRICQ, Simon(ベルギー)
ベルギー王立モンス音楽院に学んだのち、フランスへ留学。ヴェルサイユ音楽院でヴァンサン・ダヴィッド氏に師事したのち、パリ国立高等音楽院でクロード・ドゥラングル氏に師事。現在は卒業している。いくつもの国際コンクールでの入賞歴がある。前回大会では、セミファイナリストだった。Ensemble Squillanteメンバー。

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経歴をきちんと調べると、見えなかったものが見えてくるが…。とりあえず結論としては、

フレンチスクール、強し!

といったところ。もう、圧倒的すぎて開いた口がふさがらない…。国籍が違えど、ほぼ全員がフランスで学んだ奏者である、という状況は、1978年のギャップ国際コンクールでの状況を想起させる。ちなみに今回は、前回まで幅を利かせていたスペインの奏者の参加が少なが、もしスペイン勢の参加比率が高ければ、ファイナルの状況が多少なりとも変わってきたのではないかとも思う。

Dinant 2010: Finalists

Here is the list of finalists of International Competition for Saxophone Adolphe Sax 2010 (Dinant).

http://www.adolphesax.com/index.php?option=com_content&view=section&layout=blog&id=14&Itemid=70

NOVIKOV, Evgeny (Russia)
RAUTIOLA, Joonatan (Finland)
ROGINA, Miha (Slovenia)
SOUILLART, Alexandre (France)
ZIMIN, Nikita (Russia)
DIRICQ, Simon (Belgium)

本選への進出者は、現地時間の20:30に発表された。前評判のとおりのビッグネームな奏者が通過したが、エフゲニー・ノヴィコフ Evgeny Novikovという名前は初めて聴いた。ロシア勢、強いですね。ちなみに、検索すると同名のラリー奏者の名前が出てきてしまい、マトモに調べることができない(追記:プログラム冊子を調べてみたところ、ロシア出身とはいっても学んだのはフランスがメインだそうな)。

本選は11/12より始まる。すでにご存じの方も多いかもしれないが、本選の演奏はライヴ中継されない。演奏者は、お互いの演奏を聴くことがルールで禁止されているからである。

(追記)
集計ページのアップデートも行った。さすがにファイナルともなれば集計・分析の必要も無いだろうと判断し、この程度の情報に留めておいた。
日本語ページ:
http://www.geocities.jp/kuri_saxo/notes/dinant2010/dinant2010_jap.html
English Page:
http://www.geocities.jp/kuri_saxo/notes/dinant2010/dinant2010_eng.html

2010/11/10

Dinant 2010:二次予選…

二次予選進行中。昨日は中島諒さんと、ドイツの女性奏者の演奏を聴くことができた。本日は頭から聴けたが、ミーハ・ロギーナ氏、アレクサンドル・スーヤ氏、ニキータ・ツィミン氏と、ビッグネームが連続するブロック。現在はニコラさんという、この方も非常に素晴らしい音楽性とテクニックをもったプレイヤーの演奏を聴いている。誰しも一歩も引かず(当たり前か)、それぞれが素晴らしい演奏を披露しているさまを聴くことができた。

それにしても、例えばロシア奏者の演奏は個人的にvery impressedである。前回のセルゲイ・コレゾフ氏もそうだったが、ハマった瞬間に一気に聴衆を惹きつける魅力的な演奏が飛び出す。時に愚直なまでのストレートな音楽表現は、その演奏者の精神性を覗く気がするのだ。私は、例えばジャズ、プログレッシヴ・ロック、タンゴ、フュージョン(特に国産)、ラテンといった音楽分野にも興味を持っているが、そういったものを聴くときに刺激される部分と同じところが反応するような、そんな気がする。

二次予選は、課題曲の「Kotekan」でかなり差が付いていると感じた。前回のアドルフ・サックス国際コンクールの本選で課題曲として委嘱された作品だが、奏者にとんでもない負担を強いる難曲だ。そしてピアニストも大変そう…。そこに引き続いて現れる選択曲で、転んでしまうこともしばしば…。いやはや、登攀することは容易ではないらしい。聴いているぶんには良いのだが。

ちなみに、「Kotekan」作曲者のPiet Swerts氏は、ピット・スウェルツと発音するのが良いらしい…と、審査員の原さんのブログに書いてあった。というわけで、みなさまもこれからそうやって発音しましょう(^∀^)ノ
http://blog.goo.ne.jp/hara-sax/e/385e14ec756fc7dd045223e90fc8cf76
原さんのブログ記事に書いてある「クロノス」四重奏版については、以前ブログの記事で取り上げた。ここから試聴可能。

2010/11/09

Dinant 2010:一次予選の動画

二次予選も始まったところで(いま中島諒さんの演奏をライヴで聴いているところ)過去の話に戻ってしまうが、一次予選の動画が、少しずつアップロードされている。まだ全ての動画はアップロードされていないが、今後少しずつというところだろう。

公式アカウントはこちら。
http://www.youtube.com/user/AdolphesaxTV

こちらは何のアカウントだろう?コンクールのウェブコンテンツに携わるAdolphesax.comの、Daniel Duranさんのアカウントだろうか?(おとといメールしたとき、ニックネームでDanyと名乗っていた)
http://www.youtube.com/user/dany1es

もちろん、二次予選も、非常に見ごたえがあって楽しい。やはり醍醐味はライヴで興奮を共有すること!秋の夜長はぜひディナンの中継を楽しみましょう。

2010/11/08

Dinant 2010:集計ページに二次予選情報追加

二次予選出場者のリストに加え、選択曲の割合、自由曲の状況についてもグラフを追加した。また、他の部分で多少の修正・情報追加を行った。

日本語:
http://www.geocities.jp/kuri_saxo/notes/dinant2010/dinant2010_jap.html
英語:
http://www.geocities.jp/kuri_saxo/notes/dinant2010/dinant2010_eng.html

それから、これはKei.Kさんのブログから引っ張ってきたものだが、一次予選の結果発表式の様子がYouTubeにアップロードされている。なかなか臨場感があって面白い。

Dinant 2010:Semi-Finalists

The information from Adolphesax.com http://adolphesax.com/index.php?option=com_content&view=article&id=781&Itemid=761

Dinant 2010 Semi Finalists:

KUSHNAROV, Volodymyr (Ukraine)
LEE, Wonki (South Korea)
Mijovic, Blaz (Slovenia)
NAKAJIMA, Ryo (Japan) 中島諒
NIEDERSTRASSER, Kirstin (Germany)
Novikov, Evgeny (Russia)
PAGE, Stephen (USA)
Pellens, Pieter (Belgium)
Rautiola, Joonatan (Finland)
Rogin, Miha (Slovenia)
SOUILLART, Alexandre (France)
Zimin, Nikita (Russia)
Arsenijevic, Nicolas (France)
CVERLE, Peter (Belgium)
DIRICQ, Simon (Belgium)
Fusik, James (USA)
HONDO, Makoto (Japan) 本堂誠
HYDE, Joshua Malcolm (Australia)

日本人からの参加者で、2次進出者は2名。その他、ミーハ・ロギーナ氏、アレクサンドル・スーヤ氏、ニキータ・ツィミン氏あたりの名前が見える。

(追記)
集計ページのアップデートも行った。とりあえず速報扱いということで、細かい集計・分析・追記は後ほど。実は、いろいろと書きたい情報があるのだが追いつけていない。
日本語:
http://www.geocities.jp/kuri_saxo/notes/dinant2010/dinant2010_jap.html
英語:
http://www.geocities.jp/kuri_saxo/notes/dinant2010/dinant2010_eng.html