ロバート・カール Robert Carl氏はアメリカの作曲家。現在、ハートフォード大学音楽学校の作曲科長を務めながら、管弦楽・室内楽・独奏曲等、幅広い分野へと作品を提供している。「Roundabout(Innova 596)」は、そのカール氏の室内楽・エレクトロニクス作品集である。収録曲目は下記の通りである。このうち、「El Canto de los Asesinados 殺人の歌」と「Lesgedowdaheah」と「Die Berliner Hornisse ベルリンの雀蜂」がサクソフォンに関係する。
Roundabout
El Canto de los Asesinados
Bells Dance, Drums Ring
Haiku of Buson(蕪村の俳句)
Lesgedowdaheah
Die Berliner Hornisse
Nell Miller, Op. 1
「El Canto de los Asesinados」はバックヴォーカル、テノール、サクソフォン、打楽器アンサンブルによる作品であるが、なんとも聴いたことのない不思議なタイプの作品。曲の中に込められた要素が妙に独立して聴こえるような居心地の悪さとともに、人を喰ったようなサウンドが面白く聴けた。「Lesgedowdaheah」は特に後半「Slam」での乱痴気騒ぎともいうべきジャズ・サウンドが楽しい。
「ベルリンの雀蜂」では、リムスキー=コルサコフの「熊ん蜂の飛行」を意識して書かれた作品だというが、こちらはなかなか面白い。蜂の羽音を表現しているような不気味な前半部と、蜂のダンスを表現し、シーツ・サウンドで音をばらまく後半部。後半部でピアノが入ってくるところなど、その効果の大きさにドキッとしてしまう。サクソフォンはマーク・エンゲブレツォン Mark Engebretson氏だ!リチャード・ディーラム Richard Dirlam氏のアルバム「She Sings, She Screams」で名前を見て以来だ。
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