3回にわたって、マルセル・ミュール四重奏団の復刻盤:グリーンドア音楽出版GD-2057に収録されている曲目について、雑多なことを書いている。
第1回はこちら。
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アプシルも、確証は持てないが世界初録音なのだろう。本作品はミュールの率いる四重奏団に献呈されたものではなく、1956年にフランソワ・ダニール氏率いるベルジュ四重奏団(ベルギー)に献呈された作品である。作品中に何の民謡が使われているか…は上記CDの解説文を読んでもらうとして…えーと、グールデ氏の受け売りなのだが、そこはご勘弁を…作品を初めて聴いた時の印象を。
この作品を初めて知った、ジャン・ルデュー四重奏団Opusレーベルから出版されているCDに収録されている、その演奏を聴いた時である。ファブリス・モレティ、フィリップ・ポルテジョワ、ドゥニ・バルド、ジャン・ルデュー各氏による演奏で、悠々としたバリトンサクソフォンと、その上で超絶技巧を展開する上声部、といった対比が実に面白い。第3楽章のバリトンの音色など、ルデューファンには垂涎モノである。
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「グラーヴェとプレスト」が最後に置かれているのは、これはミュール四重奏団のリサイタルを模しているのだ。ミュールたちの四重奏団は、プログラムの最後に頻繁にこの作品を置いたとのこと。ピエルネと同じく、ギャルド・レピュブリケーヌ・サクソフォン四重奏団時代の録音が存在する。それと聴き比べてみた時の、30年という年月を感じられる興味深い録音である。
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