最高のライヴだった!!午後から正統派クラシック・サクソフォンの王道を聴き、夜からクラシック・サクソフォンの極北を聴くことができるなんて!
【PEDROSAXO&松下ようDUO LIVE ~"世界のサクソフォニストより"第1弾~(横浜公演)】
出演:松下洋、PedroSaxo、塩塚純(以上sax)、岩本健吾(pf)
日時:2013/03/28(木)19:00開場19:20開演
会場:かなっくホール(京浜東北線東神奈川駅)
プログラム:
~松下洋ステージ ゲスト:塩塚純~
Chick Corea/旭井翔一 - Children's Songs [ssax, pf]
Chick Corea - Addendum [ssax, tsax, pf]
Chick Corea/旭井翔一 - Armando's Rumba [asax, bsax]
Gary Schocker - Three Dances [asax, asax, pf]
~PEDROSAXOステージ~
PedroSaxo - Estrella Altair [tsax]
PedroSaxo - La Compañía Libre [tsax]
PedroSaxo - Selectron (Space Music?) [tsax]
PedroSaxo - Abalalia [tsax]
PedroSaxo - Agua [tsax]
PedroSaxo - Broken but Walking [tsax]
~デュオ・ステージ~
PedroSaxo - YO STYLE(新作初演) [asax, tsax]
プログラム冊子ナシ、MCあり、演奏者は出ずっぱり。コンサートではなく、まさにライヴといった趣。
まず、松下洋さんによるチック・コリア。これがとにかく凄いんですわ。「Children's Songs」はピアノとソプラノサックスのデュオだが、鮮烈。ピアノのクラスター強奏から導き出される中世からの叫び声のようなソプラノサクソフォン。開いた口が塞がらないとはこのことか。直管のキャパシティを最大限に引き出し、容赦なく音をばらまいていた。旭井翔一氏によるアレンジもトンデモなくて、一曲目はRob Bucklandの録音がベースになっていたものの、二曲目は完全なオリジナル。旭井氏のチック・コリアへの尊敬の念、そして愛を感じた(旭井氏はチック・コリアが大好きなんだそうだ)。
ここで塩塚純さんが登場。「Addendum」は、チック・コリアのアルバム「Children's Songs」の最終トラックに収録されたピアノトリオ作品のアレンジ。爽やかな印象から始まるが、似たようなフレーズを執拗に繰り返し、激烈なフレジオ音域(ヴァイオリンパートなので…)を交えながら徐々に盛り上がる。「Armando's Rumba」は、デュオ。このスタイルの音楽は本当に好みだ。繰り返しの美学と興奮が入り混じった、最新のポピュラー音楽にも通じる楽しさを堪能した。アレンジの面白さと、奏者の遊び(もちろん、下地となるテクニックがあってこそである)が化学反応を起こし、魅力的な音楽に変貌していた。
最後の実質的な第一部アンコール扱いの「Three Dances」はフルートにこんな作品あるんだ!という驚きと、また2本のサクソフォンのフリーダムな遊びが楽しくて、あっという間に聴き終えてしまった。ああ、とにかく楽しい!
稀有な機会に臨席できた僥倖。音楽の本質が"ライヴ"にあることを実感させられる。演奏者の覇気をこれほど感じたライヴは久々だったかもしれない。このままブルーノートかスイートベイジルにでも持っていけそうだ。音大生なんかけっこう聴きに来るかなあと思ったのだが、それほど若い人がいなかったのは残念(すごくもったいなかったと思う)。ぜひ再演を期待したいところだ。もしYouTubeに上がったら、ぜひご覧いただきたい。
(PedroSaxoのステージのことは続きの記事から)
0 件のコメント:
コメントを投稿