2011/06/04

東京ガス吹奏楽団第33回定期演奏会

【東京ガス吹奏楽団第33回定期演奏会】
出演:東京ガス吹奏楽団、田中旭(cond)、家中勉(tuba)
日時:2011年6月3日(金曜)開演19:00
会場:東京オペラシティコンサートホール
プログラム:
J.ボコック - 友愛と賛歌のファンファーレ
A.メンケン/真島俊夫 - 美女と野獣
E.グレグソン - チューバ協奏曲より第1楽章(家中勉, tuba)
G.ハル - チューバ吹きの休日(家中勉, tuba)
V.モンティ/後藤洋 - チャルダーシュ(家中勉, tuba)
L.バーンスタイン/C.グランドマン - 「キャンディード」序曲
S.ラフマニノフ/石川學 - ヴォカリーズ
A.I.ハチャトゥリアン/林紀人 - バレエ音楽「ガイーヌ」より
~アンコール~
吉俣良/渡辺哲也 - 大河ドラマ「江」

知り合いのご紹介で伺った。なんと、あの広大なオペラシティのコンサートホールがほぼ満席…驚き。そういえば、このホールに入るのも久々だなあ。リサイタルホールのほうはちょくちょく伺っているのだが。プログラム冊子を見ると、団員の本業の所属が書いてあるのが面白い。取締役と一般社員が並んで楽器を演奏しているとか、なかなか想像できないが、ステージ上に立てば誰しもが演奏者なのだ。でも、やっぱりやりづらそうな…そんなことないのかな?

演奏は、ボコックの技巧的なファンファーレから始まった。"ウィンド・オーケストラ"を具現化したような三角形の理想的なバランス。聴いていた位置によるのかもしれないが、やや金管系は抑えめなサウンド。指揮者の音楽性も手伝い、また、バンダの演出も交えて華やかに冒頭曲を飾った。「美女と野獣」は、さすが演奏者の共感度も高く、手慣れたもの。

そして、チューバの家中勉氏を迎えての3曲。家中氏の演奏は、オペラシティコンサートホールという場所でも余裕の響き。上面の反響板にぶつかって、会場全体に音が拡散しているのだろうか。演奏は、エンターテイメント性あふれるもので、大変楽しめた。バックのオーケストラは、グレグソンの現代的なリズム・和声処理にやや不満が残った(確かに、グレグソンは難しい…)が、さすが「チューバ吹きの休日」などは、良い協奏感、が出ていたような。

休憩を挟んで、バーンスタイン。難しい曲だが、全体的な構成も練り上げられており、最初おとなしく始まったと思ったら、最終部に向けて煽る煽る。各ソロも奮闘し、聴き応えがあった。ラフマニノフは「あれ?」という感じだったのだが(この和声とメロディは難しいっす)、最後のハチャトゥリアンはさすがだった。アンサンブルもしっかりと合わせられており、高レベルな演奏だった。もうちょっとガツンと来てほしいところもあったが、おそらくこの団体の音色のスタンスなのだろう。こちらのソロも、いずれも見事だった。

アンコールは「江」。タイムリーで、客席もずいぶんと湧いていた。

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