2011/04/08

フォーレの「エレジー」をサクソフォンで

フォーレの「エレジー」をサクソフォンで、というと、真っ先に思い浮かんでしまうのがこのアルバム。バリトンサクソフォン奏者のHenk van Twillertが演奏したアルバムで、「On Classical Tour with the Baritone Sax(Movie Play MPC 101.852)」と題されている。版元のMovie Playなんて、このCDくらいでしか聞いたことがないぞ…。

トゥイラールト氏のCDは、「Tango」を始めとしてとにかく個性的&素晴らしいものが多いのだが、その中にあってやや中途半端な印象を残すアルバム。ちょっとプログラムを眺めてみると、タイトルに偽り無し、たしかに「クラシック名曲集」のとおりだ。シューマンの「幻想小曲集」や、グラナドスの「ゴイエスカス」あたりは珍しいが、ほかは改めてバリトンサクソフォンで取り上げることにも特に魅力を感じない…。録音があまり良くない(妙に解像感が乏しい)ことも、原因のひとつだろう。

Robert Schumann - Fantasiestucke Op. 73
Gabriel Faure - Après un rêve
Gabriel Faure - Pavane
Gabriel Faure - Elegie Op.24
Fritz Kreisler - Liebesleid
Eric Satie - Gymnopedie No. 1
Eric Satie - Gnosienne No. 1
Eric Satie - Gymnopedie No. 3
Sergey Rachmaninoff - Vocalise Op.3a No.14
Maurice Ravel - Piece en forme de Habanera
Enrique Granados - Intermezzo from Goyescas
Claude Debussy - La fille aux cheveux de lin (1er livre des "Preludes")
Claude Debussy - Le Petit Berger (Children's Corner)
Claude Debussy - Golliwogg's cake walk (Children's Corner)

などと思って聴き始めるのだが、フォーレの「エレジー」ではたと動かしていた手が止まった。なんだかこの曲の演奏だけ妙に引き込まれる。今にもはちきれそうな情熱を内包しながら、クライマックスでその感情が爆発する名演奏だ。CDなのに、ちょっと感動的なくらい。CDを手に入れたのは確かもう7年ほど前だが、このアルバムのなかではやはりフォーレの「エレジー」を一番聴いているなあ。

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