タイトルほど大げさな記事ではない(笑)。
ラッシャーに捧げられた作品、たとえばダールやイベールやグラズノフやマルタンといったほとんどの作品は、もちろんラッシャーの音色を想定して書かれているのだと思う。しかし、どちらかというと、伝統的なフレンチ・サクソフォンのキラキラした音色で演奏されるほうが、曲想にマッチしていると感じるのだ。
ダールの冒頭を想像した時に、あのヒロイックなフレーズは、細身な音色よりも、もっと重みのある音色のほうが「これだ!」と思えるのだ。作曲者に聴かせたら、どっちがいいと言うのかなあ。現代風と言われる、軽量化された音色についても同じことが言えると思う。
曲が生まれた時点で作曲家の頭の中に流れていた音色が最適だということもあるし、その後新たに創り出された音色が実はその曲に最適だということもある。作品が生き物だということを再認識する思いだ。
0 件のコメント:
コメントを投稿