2006/11/17

Rob BucklandのCD

「イギリスのサクソフォン」に新着資料。なかなか鮮烈なレコーディングだったので、ページに加える前に、とりあえず速報を…。

ロブ・バックランド Rob Buckland氏のソロ・アルバムで、「Towards the Lights(Quartz QTZ 2020)」というCD。「ロブ・バックランドって誰だ」という方には、アポロ・サクソフォン四重奏団のアルト奏者、といえば分かるのではないだろうか。イギリスのサクソフォン界の中でも、比較的若いサクソフォニストである。

詳しいレビューは「イギリスのサクソフォン」ページに回すとして、雑感を少々。

イギリスのサクソフォン奏者って、どうしてこうも上手いのかなあ…。使っている楽器は、師であるジョン・ハールの影響か、ヴィンテージ(セルマー)。昔の楽器よりも現代の楽器のほうが性能が良いわけで、その点から言えばヴィンテージ・サクソフォンというのはけっこう演奏上の制約があるものだと考えるのだが。それを全く感じさせない演奏…。

そして、このエモーショナルな音色と独特のヴィブラート。日本やフランスのサックスとは、そもそも根本的な発音の方法が違うのが良く分かる。肺と楽器の間に何も抵抗がないのか?日本のコンクールなどでは、特に迎合されなさそう。

楽曲の山場のフォルテ部分って、日本人だったら普通は響かせよう響かせようと思って吹くものじゃないだろうか?そうではなくて、とにかくサックスを震わせようというブレス・コントロール。だから息はストレートにどんどん入るし、ヴィブラートなどによるごまかしが全くきかないのだ。初めて聴くとかなりびっくりするが、これこそイギリスのサックス!曲のツボにはまると、これほど魅力的な音色は他にない。

吉松隆「ファジイバード・ソナタ」が入っているのが楽しい。自分に刷り込まれているのは須川さんの演奏だが、ババックランド氏の演奏はそれに勝るとも劣らないかっこよさ。ピアニストのノリもすばらしい!殊更にテンション・ノートを強めに弾き、和音が重なるところなど完全にジャズ化させているあたり、本当にクラシックの人かな…と思ってしまうほどだ。

アンディ・スコットの作品(サックスとヴィブラフォンのデュオ)は、これエマーソン・レイク&パーマーそのまんまでしょ、というツッコミを入れたくなる。まさにプログレッシヴ・ロックの影響ですなあ。

タワレコで買ったところ、ちょっと高かったが(\2,510)、このれはなかなかの逸品ではなかろうか。

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