最近、グラズノフの「四重奏曲」をさらっている。思えば今までやってきた曲は、デザンクロやら何やらだった。しかし今回取り組んでいるのは、サックスの世界としては大変珍しいロマン派の生き残り。難しい。
サックスの世界に多く存在するネオ・ロマンティックの作品は、どんな難しい作品でも、登攀するときにも足がかりとなる部分があるものだった。それまで吹奏楽などで触れてきた現代の音楽と、どこかしら共鳴する部分があって、その部分を自分たちのアンサンブルの武器として聴かせてゆけば良かったのだ。
グラズノフの難しさは、演奏するときにそういうものがほとんどないこと。好きな曲であることには違いがないのだが、いざ演奏するとなるとこれが大変。いったいどこをどうやって組み立てていけば良いのか…中途半端なフィンガリングの難しさと相まって、これから苦労しそうな予感だ。好きな曲だからって、吹くときも上手くいくとは限らないものなんだなあ。
…というかそもそも、ロマン派の作品をほとんど聴かないのにも原因はあると思う。
でも、グラズノフははまると面白いかもな、なんて奥の深い作品なんだろうか。他のどの曲でも感じたことのない哀愁、そして渋さに惚れる。
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