アドルフ・サックス国際コンクール2006が終了。参加者の皆さんはお疲れ様でした。野次馬の身ながら、二週間近くに渡って大変楽しませていただいた。
特に今回は、インターネットでのリアルタイム中継が観られる&全参加者の演奏の様子の録画が観られる(!)ということで、結果だけではなくて内容もばっちり堪能することができた。Adolphesax.comの運営者の努力の賜物だと思うが、ぜひ次回も続けていただきたい。
コンクールを通しての様々なデータ(結果や曲目など)は、個人的に以下のページにまとめた。
こちら→アドルフ・サックス国際コンクール2006非公式集計ページ
このコンクールは、もちろん奏者個人同士が戦うコンクールだとは思っているのだが…別の側面から捉えれば、参加者のバックボーンである「教育者」の戦いでもあると思っている。
第一回優勝者のヴァンサン・ダヴィッド、第二回優勝者のアレクサンドル・ドワズィー氏は、いずれもパリ国立高等音楽院のドゥラングル・クラスの出身。第三回の優勝者である原博巳氏は東京藝術大学別科の出身であるが、そのほかの入賞者はほとんどがドゥラングル・クラスの出身だった。そんなわけで、今まではドゥラングル門下圧勝という感じだったのだが(本選もドゥラングル門下対抗という感じ)、今年はずいぶん毛色が違ったようだ。
さて、ここで今回の優勝者セルゲイ・コレソフ Sergey Kolesov氏の経歴を追ってみよう。グネーシン音楽アカデミー出身で、マルガリータ・シャポシュニコワ Margarita Shaposhnikovaに師事、キエフ国際サクソフォーンコンクール優勝、サクシアーナ国際コンクールではセルマー賞を受けている。ここで驚くべきはやはり、フランスへの留学経験がないこと、ではなかろうか。
また、六位までの入賞者も、カナダ、スペイン、日本、フランスなど世界各地にばらけた。これは、一昔前から考えれば驚くべきことだと思う。
世界中のサクソフォン教育が、フランスのレベルに追いつかんと必死にグレードアップを図っていることが、今回のコンクールから窺えるのではないだろうか。
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