アメリカの重要なサクソフォン奏者のひとりに、ジョン・サンペン John Sampen氏という奏者がいる。ノースウェスタン大学でフレデリック・ヘムケ氏に師事したほか、ラリー・ティール、ドナルド・シンタらにも師事したそうだ。クラシカルな作品のみならず現代作品にも力を発揮し、これまでの委嘱作品・献呈作品の数は60を超える。CDも10枚以上を数え「Electric Saxophone(Capstone)」を始めとしていずれも素晴らしい物ばかり。
Marilyn Shrude - Renewing the Myth
William Albright - Sonata
Marilyn Shrude - Shadows and Dawning
Burton Beerman - Concerto No.1
Marilyn Shrude - Evolution V
ここで紹介するのは2002年にリリースされた「Shadows and Dawning(Albany Records TROY526)」。入手しやすく内容も充実しているため、サンペン氏のCDの中ではかなりお薦めできるもののひとつ(Amazonでの購入リンクはこちら)。ピアノはMarilyn Shrude女史…サンペン氏の奥様で、作曲家でもある。ここにも2作品収録されているが、並大抵にはいかないほどの超高密度の曲で驚かされる。たとえば「Renewing the Myth」は、パガニーニのカプリス第24番のコラージュ作品:YouTubeでも聴けるが、サクソフォン奏者にもピアニストにも高度な技術を要する作品。
収録されているプログラムは、そのシュリュード「Renewing the Myth」「Shadows and Dawning」を含み、さらに直前の記事でも紹介したウィリアム・オルブライトの「ソナタ」、テープとサクソフォンの「コンチェルトNo.1」に、Sax 4th Avenueとの共演となる「Evolution V」ときている。面白い作品ばかりだ。
ウィリアム・オルブライト William Albrightと言えば、もしかしたら一部の方は言語学者の名前を連想するかもしれないが、サクソフォン吹きにとっては、やはりアメリカの作曲家、オルブライトである。アルト・サクソフォンのための「ソナタ」を初めとして数々のサクソフォン作品を手がけたが、1998年に53歳という若さで亡くなっている。ジュリアード音楽院、ミシガン州立大学、パリ音楽院(ここではオリヴィエ・メシアンに師事)で学んだのち、帰国後はミシガン州立大学の教授として活躍した。
やはりアメリカの著名な作曲家であるウィリアム・ボルコムと親交が深く、彼のことを"wonderfully gifted, creative and inventive composer, and a marvelous teacher who cared about teaching and put his whole heart into it.(才能豊かで、創造力に富み、独創的な作曲家。そして心のすべてを後進の育成に注ぎ込んだすばらしい教育家)"と評している。
サクソフォンのための創作リストを眺めるだけで、「Fantasy Etudes(サクソフォン四重奏)」「Heater: Saga(サクソフォン+吹奏楽)」「Pit Band(アルトサクソフォン+バスクラリネット+ピアノ)」「Doo-Dah(サクソフォン三重奏)」と種々編成に渡っているが、やはり「Sonata for Alto Saxophone and Piano(サクソフォン+ピアノ)」だろう。
4つの楽章からなり、全部演奏するとおよそ20分の長さとなる。いやはや、大曲だ。
Two-Part Invention
La follia nuova: A Lament for George Cacioppo
Scherzo, "Will o'the wisp
Recitative - Mad Dance