とても興味深く、面白いライヴだった!そして、実に贅沢な時間だった。
ライヴの様子を収録した、"ライヴ録音"や"ライヴDVD"というものは良くあるけれど、今回のライヴはその逆。レコーディング・セッションの一部にお客さんを入れて、レコーディングをしながら聴いてもらう、という試みとのこと。主催=仕掛け人がどなたなのかイマイチわからなかったのだが、こういった企画が実現するとは…これからのTokyo Rock'n Saxの活動がますます楽しみになってしまった。
銀座の中心街から少し離れた場所にある、新富町駅最寄りの「音響ハウス」。そのスタジオNo.1が今回の会場だった。いわゆるレコーディングスタジオ、その言葉通りの会場で、10~20人ほどの聴衆が、巨大なミキシング・コンソールの後ろに座って、巨大なスピーカー(Dynaudio M4のカスタム・バージョン、体験したことのないようなクリアな音が発せられていた)から出てくる音を楽しむ、というもの。最初こそ、いつもとの違いに(聴き手ながら)戸惑ったものの、非常に贅沢な環境、そして流れ出てくる音にいたく感激してしまったのだった。
音響システムについては公式ページを見ていただくとして、映像について少々。録音と同時に録画も行われていたのだが、スタッフの方を捕まえて聞いた所、メインのカメラはSONY α7Sだった。同カメラから、非圧縮の4K映像をHDMIで出力させ、ミキサー室に置かれた4Kディスプレイで即時出力する、というシステムが組まれていた。そうやって出力された映像の、美しいこと!しかし、映像に関して、確かにお高い機材とはいえ、ベースとなる機材は頑張ればコンシューマからでも手が届く…というもので組まれていることに、最近の映像技術の進歩とコモディティ化の波を感じたのだった。確かに、いまやスマホで4K映像が撮れる時代ですからね。
【Tokyo Rock'n Sax "プログレナイト"】
出演:松下洋(sat)、山下友教(sa)、東秀樹(a)、加藤里志(at)、丸場慶人(t)、塩塚純(b)、川地立真(b)、田中拓也(bs)、山本真央樹(drs)
日時:2016年6月16日(木曜)19:15開演
会場:音響ハウス Studio No.1
プログラム:
Rush - YYZ
Yes - Siberian Khatru
U.K. - In the Dead of Night
U.K. - Time to Kill
Yes - Heart of the Sunrise
Genesis - Dancing with the Moonlit Knight
Yes - Roundabout
King Crimson - 21st Century Schizoid Man
King Crimson - Red
Toto - Child's Anthem (encore)
プログラム内容は、プログレ尽くし。なんと"俺得"な内容であることか!イエスの「シベリアン・カートゥル」「ラウンドアバウト」「燃える朝焼け」や、キング・クリムゾン「21世紀の精神異常者」「レッド」など、同一アーティストの名曲を一気に聴けたのが楽しかった。しかも、大好きな曲ばかりだ。「燃える朝焼け」また、音響環境の素晴らしさゆえ、普段のライヴでは聴くことができない細かい部分まで、耳をダンボのようにして聴くことができた。アレンジのこだわりや、繊細なバランス・コントロールなど、新たな発見がいくつもあった。演奏者は、緊張もするしおそらく大変だったことと思うが…。
後半は、スタジオ後方のブース内で、演奏者と同じモニター・ヘッドフォンを使って聴く、というものだったのだが、これがまた面白い。聴きたい奏者の出力レベルだけ上げてみたり、パンで左右に振ってみたりと、そんな遊びができる、これまたなかなか無い経験であった。最後、アンコールが終わった後には、スタジオ内に移動し、各奏者が手に持つタマゴ型スピーカーから、録音したばかりの「燃える朝焼け」を聴く、というオマケの素敵イベントもあった。
いやー、楽しかったなあ。お誘いしてくれた松下くん、ありがとうございました。10月には、おなじみカフーでの次のライヴも予定されているとのこと。絶対行こう!
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