2015/10/04

新鎌ヶ谷でOut of the Standard with Strings

出演者の啼鵬さんに誘われて伺った。啼鵬さんと会うのは、ミュンヘン・フィルハーモックの木管アンサンブルとの窓口を担当した時以来。会場の新鎌ヶ谷は自宅からのアクセスが良く、意外にもすんなり到着。とても新しい建物、綺麗な会場。

【Out of the Standard with Strings】
出演:Out of the standard:大和田雅洋(sax)、牛渡克之(euph)、啼鵬(pf, bandoneon)、弦楽合奏弓組
日時:2015年10月3日(土曜)14:00開演
会場:MT Milly's(新鎌ヶ谷)
プログラム:
?「エル・チョクロ」
A.ピアソラ編「エル・ジョロン」
A.ピアソラ「(曲名失念)」
C.ガルデル「首の差で」
C.ガルデル「想いの届く日」
H.パスコアル「ショリーニョ・プラ・エル」
D.ミヨー「スカラムーシュよりブラジレイラ」
啼鵬「Along with You...」
A.K.グラズノフ「サクソフォン協奏曲」
A.ピアソラ「オブリビオン」
啼鵬「ユーフォニアム協奏曲」

サクソフォン、ユーフォニアム、バンドネオンという、クラシック音楽の世界では使われることが珍しい楽器によるトリオ…ということで結成され、すでに活動を継続して16年(だったかな?)になるそうだ。前半は南米の作品群をトリオで、後半は弦楽合奏とともに協奏曲を演奏する、という構成だった。

前半は、これはぜひもっと南米の作品を勉強してから再び聴いてみたいものだが、もちろんピアソラの名前は知っているし、ガルデルの「想いの届く日」は聴いたこともある。最後のほうでは(フランスの作品だが)南米繋がりでミヨーが取り上げられたり、また前半最後には東日本大震災に際して作曲された「Along with You...」も演奏されるなど、バラエティ豊かなものだ。演奏者の技術は3人が3人とも非常に高く、発音機構の違う3種類の楽器ながらアンサンブルとしてキマっていたのは、さすがだ。サクソフォン的興味から言うと、もしかしたら大和田氏の演奏をソロで聴いたのは初めてか…?アルディSQのCDで聴いた時は、ちょっとクセのある発音や音色が先に耳に入ってきてしまい、「?」という感じではあったのだが、こうしてライヴで聴くとまた違った点…ブレない演奏スタイル等…が聴こえてきて、もしCDだけ聴いて敬遠しちゃっている方がいるとすれば、もったいないなと思ったのだった。テンポやフレージングの感覚が、ちょっと日本的でないのが面白い。

後半も楽しかった。グラズノフの緩徐楽章ではさすがに弦楽合奏パートが苦労している様子が伺えたが(中音域の伴奏を吹いたことがあるが、和声と音運びがウルトラ難しいのだ!)、後半に向けて盛り上がっていく様が窺えた。また、ピアソラの「オブリビオン」での啼鵬氏のソロは凄かったなあ。最初の1フレーズで鳥肌が立ってしまった。啼鵬氏のユーフォニアム協奏曲も非常に楽しく、特にシャコンヌ、オスティナートと名付けられた第2楽章と第3楽章が素晴らしかった。いずれ、ピアノ版での演奏も予定されているそうな。

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