これから連続記事の形で、ハバネラ・サクソフォン四重奏団について特集を組む。団体や録音、そして今回の来日における講習会やコンサートについて、何度かにわけてご紹介していく。
1991年に、パリ国立高等音楽院のドゥラングル・クラスの奏者たちによって結成されたフランスの団体。名実ともに現代最高のカルテットの一つと言えるだろう。J.M.ロンデックス国際コンクール第1位、大阪室内楽コンクール第1位他、数々の国際コンクールで入賞しまくっている。日本にも何度か来日し、多くの聴衆を魅了し続けている。あのThunderさんをして、「ハバネラの来日は、というか存在自体が、ひとつの「事件」だ。(2002年来日時のコンサート評より)」と言わしめるほどのものだ。
ハバネラ・カルテットの凄さは、なんといっても全てにおいて「次元がひとつ違う」音世界を構築したことだと思う。これまで「サクソフォン四重奏というのはこのくらいの響き」とされていたものを、ハバネラ・カルテットは一気に拡張してしまった。それは、楽器のダイナミクスのコントロールであり、フレージングの美しさであり、アンサンブルの精度であり…。ハバネラ・カルテットの来日以降、日本のサクソフォン・カルテットが目指すひとつの方向性が築かれたと考えている。それは、まるで1961年のギャルド・レピュブリケーヌ吹奏楽団のようなものである。
実際、それは確かに近年の日本のサクソフォン・カルテットのサウンドとして現れつつあると思う。超個人的な印象では、クローバーSQや、The Rev SQなどが、ハバネラ・カルテットの影響を少なからず受けていると考えているのだが…実際のところはわからないが。おそらくハバネラ・カルテットの影響がなければ、少なからず違うサウンドになっていたのではないだろうか。
2002年、2006年の後、ピタッと来日の機会が無くなってしまっていたのだが、満を持しての3度目(コンクールを入れると5度目か?)の来日。2006年の演奏は聴きに行けた。その時のレビュー、今読み返すと変なフレーズばかりが並んでいるのだが、よほど興奮していたのだろうなあ、と。あれから9年が経ち、さすがに私自身も耳が少しずつ肥えてきているが、きっとまた大きな衝撃を受けるのだろう。今回の来日で再び聴けるのが楽しみだ。
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カルテット講習会詳細(10/23-25):
http://www.blueaurora.org/blueaurora/habanera.html
カルテットコンサート詳細、ブルーオーロラSQとのジョイント演奏会も!(10/23-24):
https://spike.cc/shop/masanoriois
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