もうだいぶ前になるのだが(引越し前のドタバタと重なって紹介が遅れてしまった…)、島根県のF様より大変貴重な録音を頂戴した。
ジョルジュ・グールデ Georges Gourdet氏は、マルセル・ミュール四重奏団にも参加したサクソフォン奏者。ヨーロッパ各国、アフリカ、アジアで演奏会を開いた他、国立カーン地方音楽院にて後進の指導にあたった。多くの作品がグールデ氏のために作曲されており、例えばよく知られたとことで言えばベルノー「四重奏曲」、シャルパンティエ「ガバンボディ2」はグールデ氏に献呈されている。
この録音は、「THE FRENCH BROADCASTING SYSTEM Production Sheet MASTERWORKS FROM FRANCE」と名付けられたアメリカの発の放送用録音盤である(Program No.766 May 1966との記載もある)。この盤に、グールデ氏が演奏するロジェ・ブートリー「ディヴェルティメント」が収録されているのだ。オーケストラは、Roger Albin指揮ORTF Chamber Orchestra。こんな録音が残っているのか!と、唸ってしまった。
そもそも、様々なサクソフォンの録音があるなかで、放送用録音はかなりの数があるとも聞くが、なかなか発掘されず、探すのも難しいと聞く。本当に、口を開けて待っているしかないようなもので、貴重なものに出会えれば儲けもの、というほど良いものに出会う確率は低いが、こんな貴重な録音があるとは知らなかった。F様には改めて感謝申し上げたい。
演奏は、いかにもスタジオという雰囲気のデッドな録音に、往年のフランスならではの音色・ヴィブラートといった演奏。録音状態は非常に良い。さすがにデファイエ氏の演奏とは比べるべくもないが、これはこれでとても雰囲気があって良いなあ。こういった演奏が、ラジオから聴こえていた時代があったのだなあと、なんとなく50年前に思いを馳せるのであった。
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