ルーシー・ロベール Lucie Robert作曲の、サクソフォン四重奏とピアノのための「マゲイア Magheia」の初演時録音が、YouTubeにアップロードされている。アップロードしたのは、以前も紹介したAlain Bouhey氏のアカウントだ。作曲家・ピアニストのロベール氏についての経歴は、以前書いたロベール「カデンツァ」に関する記事に譲るとして、本作品について簡単に書いておく。
サクソフォン四重奏とピアノのための作品。第5回世界サクソフォンコングレス(開催地はロンドン)において初演された。初演時のメンバーは、ミシェル・ヌオー Michel Nouaux (sop.)、アンドレ・ブーン André Beun (alt.)、ベルナール・ボーフルトン Bernard Beaufreton (ten.)、モーリス・ドゥランブル Maurice Delabre (bar.)…すなわち、マルセル・ミュール氏が引退したあとのギャルド・レピュブリケーヌ・サクソフォン四重奏団のメンバーである…と、ピアノが作曲家自身。1976年7月30日に、ロンドンの王立音楽院コンサートホールにて初演とされている。楽曲は、以下の6つのセクションに分かれる。響きはやや現代的だ。しかし、各楽器のソロを散りばめ、幾つもの山谷を経ながら最終部に向けて突き進む様は大変感動的だ。
1) Introduction et cantilène
2) Ronde
3) Récit I
4) Misterioso e quasi una fantasia
5) Récit II
6) Danse
この、初演時の録音が残されているとは知らなかった。初演ということもあってか、激烈な集中力(ちょっと怖いくらい)、特に各楽器の無伴奏ソロや、最終部Danseにおける狂気じみた演奏は、個人的にはギャルド・レピュブリケーヌ四重奏団のベスト演奏…いや、ある意味では1970年代の四重奏録音のなかでも屈指のもの、と言ってしまいたいくらいの衝撃を受けるほどの内容であった。こんな名演奏、ライヴで聴いたら失神してしまいそうだ。録音状態もそれほど悪くなく、十分鑑賞できるレベル。少々長いが、ぜひご一聴のほど!
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