黛敏郎が26歳の時に書いた傑作「トーンプレロマス55」の演奏動画がYouTubeにアップロードされていた。岩城宏之指揮東京交響楽団、1998年7月2日のサントリーホールにおける演奏とのこと。
実質"吹奏楽"編成の、サクソフォン5本を含む管楽アンサンブルのために1955年に書かれた作品だ。この作品を聴くと、黛敏郎という作曲家…いや、この人は昭和を代表する文化人の一人と言えるだろうが…が、いかに先見性を持っていたかがよく解る。こんなにモダンな響きを、1955年という時代にオーケストラという媒体を使って提示してみせた黛氏の、計り知れない天才性!
表題となるトーンプレロマスのプレローム=pleromeとは、「荘厳さと力に溢れた状態をいう」とのこと。サクソフォン5本によってバリバリ演奏されるマンボのパートを含むこの作品は、まさに名は体を表すという趣。
サクソフォンは、栃尾克樹氏、岩本伸一氏、新井靖志氏、福本信太郎氏、滝上典彦氏の5人(Thunderさん、情報ありがとうございました)。
そういえば、1957年にNHK交響楽団でウィルヘルム・ロイブナー指揮のもと演奏された録音が現存するが、この時の5人のサクソフォンはいったい誰が吹いていたのだろうか。N響の事務局に問い合わせればわかるのかもしれないが。
0 件のコメント:
コメントを投稿