サクソフォンとテープのためのイギリス作品の一つに、ウィル・グレゴリー「干渉(interference)」という曲がある。サクソフォーンとテープ(=サクソフォーンとコンピュータ)の作品は様々にあるが、どの作品もとにかく変な響きが面白くてCDも数枚所有している次第。意外と?両者の組み合わせは型にはまることが多く、実に魅力的なサウンドを放つ作品を時々見つけることがある。そんなジャンルの中で、この「干渉」は特に聴きやすく、一番好きな曲だ。
AMラジオを使用したノイズとエフェクトをかけたサックスの混合音に、息の長いソプラノサクソフォーンのソロが乗る前半部。どこかしら透明感を湛えたメロディが印象的だが、対照的に後半部では9/8のエフェクト伴奏に乗ってソプラノサクソフォンが縦横無尽に駆け回る。奏者の裁量に任されたアドリブ風の箇所もありけっこう聴き応えあり。
著名なイギリスのサクソフォン奏者を中心に頻繁に演奏されているようだが、CDではサイモン・ハラーム「on fire(blackbox BBM1001)」とスティーヴン・コットレル「the electric saxophone(Clarinet Classics CC0033)」に収録。どちらもきっちり吹いているが、特にハラームの冷徹な演奏が、よりこの曲の真価を伝えているのではと思う。
しかし、とにかく楽譜が見つからないんだよなあ…。ウィル・グレゴリーの連絡先もウェブ上には見つからないし…はて。
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