2006/01/10

サクソフォーンフェスティバル2005 その3

サクソフォンフェスティバルの感想その3。管打コンクール入賞者によるコンサート。

第三位の国末貞仁氏は長尾淳「ラ・リュネ・アン・パラディ」を演奏。須川さんのために書かれた、様々なスタイルの音楽が融合した曲だが、国末氏は独特の美しいメロディラインをしっとりと聴かせる演奏。ピアノの方(名前忘れてしまった)の、二楽章におけるやや硬質な音色が不思議なドライヴ感を生み出し、最後はかなり熱い演奏だった。しかし音大生の方って上手いですね、テクニックはもちろんなんだけれど、何より音色が美しい。

貝沼拓実氏はデニゾフ「ソナタ」。「現代曲」だし、お客さんどんな反応になるかなーとリラックスして聴きはじめたのだが、貝沼氏の曲へのあまりの没入っぷりに一瞬にして引き込まれてしまった。コンピュータ音楽を意識し、点描的なフレーズが散りばめられた第一楽章だが、ここまで集中力の高い演奏はなかなか耳にできるものではない。第二楽章はちょっと中だるみ。続く第三楽章はジャズのノリ全開で、ピアノとのまさに「ぎりぎりのセッション」といった趣だ…終わった瞬間に大喝采。聴いているほうも汗かいてました。
いよいよ林田祐和氏によるラーション「協奏曲」。最初の吹き始めからとにかくフレージングが自然、そして音色も美しい。フラジオも、高音域であることを感じさせない音の伸び。「ふつうの曲」だけに、デニゾフに比べいまひとつアピールにかけた感じだったのはしょうがないのかも。

ほぼ同年代とは言ってもそこは音大生。アマチュアの演奏とはくらべものにならない、ものすごい音楽が紡ぎ出されるのを肌で感じ取った。少しでもこういう演奏に近づけたらなあと思いつつ、日々練習しているわけ。いや、しかしすごいなあ。…つづく。

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