突然カール・オルフ「カルミナ・ブラーナ」が聴きたくなったので、ヨッフム指揮ドイツ・オペラ座合唱団&管弦楽団の演奏(定番、というか最強盤でしょう)を引っ張り出してきた。一昨年の日立市民吹奏楽団による全曲演奏会を聴くまで、恥ずかしながら存在自体知らなかった曲だが、そこで触れた曲の持つパワー(演奏も相当な熱演だった)に圧倒され、以来事あるごとに愛聴している。
管弦楽+合唱といってもお堅い曲ではなく(世俗カンタータと言うのだろうか)、お酒を飲んだ酔っ払いの歌とか若者同士の恋の歌とかの人間のストレートな感情を歌い上げた生命感溢れる曲集である。高度な作曲技法が使われているわけでもなく、単純な構成と躍動感溢れるリズムが全編に渡って印象的な作品だ。主要部分を挟む形で存在する「おお、運命の女神(フォルトゥーナ)よ」はサウンドトラックとして使われる事も多いので耳にされたことがある方も多いのではないだろうか。
ヨッフム指揮のこの盤は、「カルミナ・ブラーナ」のスタンダードな演奏。目玉とも言える最強のソリスト陣(バリトンはフィッシャー・ディスカウ!)と、時として暴れすぎではないかと思わせるほどの強烈な合唱に支えられ、オーケストラも相当にドライヴした、曲の持つ血の流れというか、脈動、鼓動を感じられる素敵なCDである。
次の東京佼成ウィンドオーケストラの第88回定期演奏会、「合唱と吹奏楽の共演」ということでバッハ作品と伊藤康英「ぐるりよざ」に加え、メインプロとしてこの「カルミナ・ブラーナ」をやるそうだ。管楽器が活躍するこの曲としては、吹奏楽での演奏もまた面白いものになるだろう。聴きに行こうかな、どうしよう(と言っていると、たいてい行かない)。
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