2005/07/01

セクエンツァ雑感

雲井雅人サックス四重奏団のCD「チェンバー・シンフォニー」の発売が9月まで延期されてしまった…ショック!早く聴きたい。

「チェンバー・シンフォニー」の発売と同時に、廃盤扱いだった雲井雅人氏のソロCD「ドリーム・ネット」が再販されるようだ。ジョセフ・カントルーブ「オーヴェルニュの歌第一週」へサクソフォーン+ピアノ+弦楽四重奏という編成でトライしたライヴの録音が収録されているが、編曲の巧みさとサクソフォンの美しさが相乗効果をあげ興味深い演奏となっている(編曲は伊藤康英先生!)。原曲のソプラノ独唱+管弦楽という編成に負けない色彩感豊かな演奏。康英先生自身が演奏しているピアノがまたいい音色を出しているのです。その他、ミュールも録音したバッハ「ブランデンブルグ協奏曲第二番」やグラズノフ「協奏曲」も収録された、話題に事欠かぬCD。

某S氏のブログでセクエンツァ集の紹介がされているのをみて驚いてしまった。「セクエンツァ集(Deutsche Grammophon)」は巨匠ブーレーズ率いるアンサンブル・アンテルコンタンポランのメンバによって、ベリオ作曲による同名の無伴奏作品が演奏された録音(3枚組)。たしか高校のときものすごく欲しくなって、結局高くて買えないでいたところを友人に貸してもらったんだっけ。自分が生まれて初めて聴いた現代音楽が「セクエンツァ」だったもので、この曲に関してはちょっと思うところが多すぎる。

オススメはI,III,V,VIIa,VIIb,X,XI。面白い仕掛けがしてある曲もあり、タネ明かしをしてしまえば…

・トロンボーンのためのVは演奏しながら「Why?」と叫びつづける。
・オーボエのためのVIIaは演奏者の隣でチェロがppppで持続音を鳴らしつづける。
・トランペットと「静かな」ピアノのためのXはペダルを踏んだままのピアノにトランペットの音を共鳴させる。
等々。

サクソフォーンのためにも二曲書かれており、アルトサクソフォーンのIXbとソプラノサクソフォーンのVIIbがある(自分の携帯電話のアドレスに"ixb"が含まれているが、実はアルトサクソフォーンのIXbを小文字に直したものなのだ)。この曲の録音はパリ国立高等音楽院教授のクロード・ドゥラングル演奏によるアルバム「Solitary Saxophone(BIS CD-640)」(絶品!)が手に入れやすい。

高校三年の春、「セクエンツァ」から自身の現代音楽大好きキャリアが始まったのだったなあ…そういえば。この後ベリオの「シンフォニア」にはまり、さらにクセナキス、グバイドゥリナ、デニゾフ、ケージ、シュトックハウゼンに走って、ミニマルのグラス、ライヒ、ナイマンと来て今に至る。

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