2013/10/31

Eva Barthasが演奏するトマジ「バラード」

パリ国立高等音楽院の第二課程修了試験の映像だそうだ。サクソフォンは、Eva Barthas氏による。

サクソフォンの自在なコントロールによる圧倒的な上手さ…というところにとどまらない。なんだか不思議な衣装での演奏だなあと思っていたら、途中から素敵な演出が入る。おそらく、楽譜に添えられたスザンヌ・マラールの詩を意識したものなのだろう。音楽科のみならず、舞踏科をも擁するパリ国立高等音楽院の強みだろうか。こういう発想、そして完成度の高いプレゼンテーションが凄いなと思う。

(だいぶ意訳な上にあまり韻を踏んでいないが…やっつけ仕事すみません)
夜も更けた頃、イギリスのメロディに乗せて道化師が語る
煙草をくゆらせ、口をついて出るその波瀾万丈のストーリー
客を笑わせるための、ダブダブの衣装と滑稽な化粧
サクソフォンはただ、愉しみと苦しみの間を行ったり来たり
いつの間にか道化の絶望は流れ去る
彼は再び観客を笑わせるのみ

2013/10/30

埼玉県立近代美術館ミュージアム・コンサートのハイライト動画

これまでも時々このブログで紹介していた、埼玉県立近代美術館ミュージアム・コンサーのハイライト動画がYouTubeにアップされていた。いつか聴きに行きたいなあと思いつつ、なかなか都合が合わずなのだが、こんな素敵なスペースでの演奏なんだなあ。

クローバーSQ:http://kurisaxo.blogspot.jp/2010/12/blog-post.html
江川良子氏ほか:http://kurisaxo.blogspot.jp/2011/08/museum-concert.html
田村真寛氏ほか:http://kurisaxo.blogspot.jp/2012/10/blog-post_20.html
田中拓也氏ほか:http://kurisaxo.blogspot.jp/2012/11/blog-post_10.html
上野耕平氏:http://kurisaxo.blogspot.jp/2013/04/blog-post_28.html

これまでご紹介した演奏会のうち、田村氏、田中氏、上野氏のステージを抜粋で鑑賞することができる。なんか上野氏と共演しているピアニストが妙にすごいなあと思ったら、CNSDMP准教授の上田晴子氏ではないですかあ!とか。いろいろと聴きどころは多い。

カントルーブ/伊藤康英「オーヴェルニュの歌」楽譜、発売!

嬉しいニュース。ジョセフ・カントルーブ「オーヴェルニュの歌第一集」を、伊藤康英先生がサクソフォンとピアノのために編曲した楽譜が明日11/1より発売されるとのこと!これは嬉しいニュースだ。これまでもIto Musicから楽譜の入手は可能だったが、浄書譜と手書きと別の調の楽譜の混在で、お世辞にも取り扱いやすいとは言えない代物だった(失礼)。私も、某Tさんがリサイタルで取り上げるときに、第3楽章「3つのブーレ」の移調作業を手伝った覚えがある。

1994年の初出以来、満を持しての出版だ。大学生だった頃になるが、Deccaから出版されていたキリ・テ・カナワの歌、そして、雲井雅人氏「ドリーム・ネット」でほぼ同時にこの作品を知り、以来お気に入り。アレンジが本当に良いのですよ。歌唱部分と管楽器のカデンツァ部分を実に上手く組み合わせ、さらに伊藤康英先生ならではの解釈を随所に盛り込んでいる。

すでにブレーンで取り扱いを開始している。
http://www.brain-shop.net/shop/g/gNAE-EA406/

先日の海老原恭平さんのリサイタル動画で、全編を鑑賞することができる。編曲が凄いことが実感できるだろう(こと、ピアノパートはオーケストラの如き多彩な音色が求められ、重要性が高い)。お2人による演奏も素晴らしい。


ケネス・チェ氏によるレコーディング「In Memory」や、雲井雅人氏によるレコーディング「ドリーム・ネット」(こちらはサクソフォン+ピアノ+弦楽四重奏版)も、いずれも一聴の価値あり。もっとリサイタル等で取り上げられても良いだろうなと思っている。

2013/10/29

サイバーバード、初演の頃

吉松隆「サイバーバード協奏曲」は、1994年3月21日に須川展也氏と円光寺雅彦指揮読売日本交響楽団によって初演されている。その後、立て続けに新日フィル、日フィル、新星日響…によって演奏されたというが、おそらく2回目の機会と思われる演奏会のチラシを、(だいぶ前だが)Fさんより送っていただいた。

"須川展也・オンステージ"といった感じのプログラミング。ドビュッシー、モーリス、イベール、ディーリアス(これはサクソフォンは入っていない)、吉松隆。チラシには、まだ「サクソフォーン協奏曲」としか書いていないのだが、最終的にディーリアスと"鳥"つながりになるのが面白いなと思った。どんな演奏だったのだろう。今となっては知る由もないが…録音などは残っていないのかな。

一緒に、同演奏会のプログラム冊子も送っていただいたのだが、最後の2ページにわたって書かれている吉松氏と須川氏の対談が面白い(先の協会誌に掲載された対談は、この内容の多くを包含していそうだ)

New Sax Quartet & Amstel Quartet on Vimeo

ザグレブ大学における、オランダのアムステル・カルテットと、クロアチア?のNew Sax Quartetによるジョイントリサイタルの演奏動画。

http://vimeo.com/43890988

New Sax Quartetのステージ
Mirela Ivičević - Red, White, End
Matthias Kranebitter - Tezcatlipocas
Tena Ivana Borić - Piece for Amy
Dubravko Detoni - 44 per 4 in 4
Mirela Ivičević - Goldspell

Amstel Quartetのステージ
Fant de Kanter - FEINT part II
Albert van Veenendaal - Minor Incidents 2,3
Jorrit Dijkstra - Shruut

ジョイントステージ
Gordan Tudor - BUPROPION AVENUE

知らない曲ばっかりだ…(^^;内容もかなりシリアス。

2013/10/27

長野県・諏訪の四賀公民館で演奏

"ちさカル"という名前の団体で、長野県・諏訪の四賀公民館で演奏してきた。臨時編成の団体で、TSQのN、BCSEのS藤さん、以前サクソフォニーで一緒だったあやねえさん、というメンバー。

朝の5時に、車で自宅付近で拾ってもらい、中央道を西へ西へ。心配していた渋滞にも巻き込まれず、余裕を持って会場に到着することができた(行き帰りで車出しをしてくださったS藤さん、あやねえさんご家族には長距離を運転いただいて感謝!)短いリハーサルの後、10:00から演奏開始。60人以上の方に聴いていただけたようだ。たくさん座席が埋まって嬉しかった。セットリストは以下の通り。

大友良英「あまちゃん・オープニングテーマ」
「ビリーブ」(ソプラノx2)
「涙そうそう」(アルトx2)
アメリカ民謡「茶色の小瓶」(テナー&バリトン)
プッチーニ「誰も寝てはならぬ」(バリトンx2)
伊藤康英「カルメン・ファンタジー」
モリコーネ「ニュー・シネマ・パラダイス」
「タイム・トゥ・セイ・グッバイ」
ジャンジャン「サクソフォン四重奏曲より第1楽章」
「坂本九メドレー」
伊藤康英「木星のファンタジー」
葉加瀬太郎「情熱大陸」
「四季の童謡メドレー」
「ふるさと(アンコール)」

楽器・メンバー・曲目紹介のMCも挟みながら、二部構成の、なんと1時間40分に及ぶコンサート。練習がたったの2回と、初めてのメンバー組合せであることと、曲数が多いことに対してかなりシビアな状況ではあったが、なんとか最後まで演奏できた…。お客様の反応もよく、楽しく演奏することができてとても嬉しかった。

帰り際に十間堂茶屋という素敵なお茶屋さんで(12月にサクソフォン2本とフルートのトリオで演奏の予定がある)で美味しい昼食を頂き、諏訪大社下社に寄ってから東京へ。帰りは渋滞に巻き込まれて大変だったが、5時間以上かけてなんとか21:30に練馬に到着、そこから電車で家まで戻った。いやー、長い一日だった。今日はぐっすりと寝られそうだ(笑)

演奏会場の四賀公民館外観。

2013/10/26

Philippe Geiss@シルバーマウンテン

たまたまチケットの都合がつき(Keiさんありがとう)、予定も上手く合ったので聴きに伺うことができた。いやー、楽しかった。聴けて良かったなあ。

Philippe Geiss - Improvisation
Christian Lauba/P.Geiss - Steady Study
Philippe Geiss - Sax Hero
Philippe Geiss - Birds Conversation
Gerald Preinfalk - Tri Oto Logie
Hector Villa Lobos/P.Geiss - Bachianas No.5
Jerry Bergonzi/P.Geiss - New in the Neighborhood
Philippe Geiss - Kawala
Philippe Geiss - Branora
Philippe Geiss - Klezmer Salsa
Philippe Geiss - Sir Patrick

最近、妙に日本&世界のサクソフォン界を騒がせているフランス・ストラスブール音楽院フィリップ・ガイス Philippe Geiss教授、堂々のシルバーマウンテン登場である。ガイス氏は洗足学園音楽大学の客員教授を務めており、その縁あってのことなのだろう。シルバーマウンテンのオープニングコンサートシリーズは、洗足学園音楽大学の総力を結集したという趣だが、まさか客員教授のガイス氏までも来るとは…驚き。

プログラムが、やはりガイス氏ならではというもので面白い。自作だったり、即興だったり、他人のものであってもガイス氏流のスペシャルアレンジが施されていたり…である。無伴奏で演奏された最初の三曲は、まさにそれぞれがガイス氏のプログラミングの特徴をよく表しているものだった。無伴奏の即興では、サクソフォンと戯れるかのように流麗かつクールに決めてみせ(演奏スタイルは現代フランスのもの、という印象が強い)、かと思えばクリスチャン・ロバの「Steady Study on the Boogie」の一部を抜粋、さらにガイス氏ならではのユーモアをプラスし(最後の最低音!)、「Sax Hero」はファンキーな自作を見事に演奏していた。

さらにパワーアップしてのエレクトロニクス、というかサウンドトラックとの共演では、独特の音世界が眼前に広がった。今でこそ珍しくなくなったエレクトロニクス作品だが、ガイス氏のプログラミングや演奏に接すると、このジャンルにはまだまだ魅力的な作品があふれているのだなという思いを強くするのだった。Gerarld Preinfalkの「Tri Oto logie」は名曲!各楽章の独立した印象が鮮烈である。なんと一部最後には「New in the Neighborhood」にてオルジーのコントラバスサクソフォンを使うというサプライズが。まったく、楽曲も演奏もジャンルも"ボーダレス"な懐の深さを感じる。

後半は、洗足学園音楽大学のサクソフォン専攻の学生と共演。声とサックスのドローンの上に即興を重ねる「Kawala」、スラップにより形作られるリズムとファンキーなソロが印象的な「Branora」、楽しさに溢れる「Klezmer Salsa」と「Sir Patrick」…。充実したサウンドを楽しんだ。ガイス氏はもちろんだが、今の若い方達って上手いですよね。リズム感とか理想とする音色感とか、おそらく私の世代とは10年ほど違うはずだが、ある種の断絶のようなものすら感じるほどだ。

帰り際にtfm氏とKeiさんと長江飯店に寄っておしゃべりし、帰宅。さあ、明日は朝が早いからそろそろ休まないと。