BISレーベルにおいて、クロード・ドゥラングル氏を独奏に迎え録音されているエディソン・デニゾフ「アルトサクソフォン協奏曲」。元は「ヴィオラ協奏曲」として1986年に発表されたものが、ドゥラングル氏の委嘱によって1992年に改作されたものである。
第4楽章(シューベルトの「即興曲イ長調作品142」の変奏)に耳が引き寄せられがちになるが、とにかく全体を通して独奏パートが美しい。緩徐部は、まるで誰かの独白を聴いているかのような、声楽で歌詞がついていてもおかしくないような音運びだ。時折迎える小規模な爆発は、がなり立てることなく、まるで星の煌きのよう。
その元となった「ヴィオラ協奏曲」の初演の録音が、YouTubeにアップロードされている。私自身は、原曲は初めて聴いた。そもそも商用録音としてのリリースすらもされていなかったはず。
以下、初演のデータを掲載する。独奏がユーリ・バシュメットに、指揮がシャルル・デュトワという超豪華布陣。青少年オーケストラ、ということで若干怪しい音も聴こえるが、しかし貴重な録音である。サクソフォン版とぜひ聴き比べてみていただきたい。
Concerto for Viola and Orchestra (1986)Commissioned by Berliner Festwochen
Dedicated to Yuri Bashmet
1. Lento · Più mosso · Agitato · Più tranquillo · Meno mosso · Agitato
2. Tranquillo
3. Inquieto · Meno mosso
4. Variations on a theme by Schubert Moderato · Poco più animato · Tempo I
Duration: 38’
First performance: 2 September 1986, Berlin
Yuri Bashmet (viola) – Junge Deutsche Philharmonie – Charles Dutoit (conductor)
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