2016/10/30

第64回全日本吹奏楽コンクール 職場・一般前半の部/後半の部

【第64回全日本吹奏楽コンクール 職場・一般前半の部/後半の部】
日時:2016/10/30(日曜) 9:30開演
会場:金沢歌劇座

朝イチから会場入りして、1団体を除き全て聴いてきた。こんな機会(家族が乗る)でもないと、わざわざ赴いてまで聴くことはないだろう。貴重な時間だった。

吹奏楽コンクールの全国大会を聴くのは初めて。熱演の数々…という事前のは伊達ではない。半年~一年に渡って、数十人の大人がたった12分のためにひたすら準備を行うのだ。全国だからといって、手抜きは一切なし。鮮烈な大音量サウンドと、それのみならず指揮者・奏者がこのハレの場にかける気迫を、丸一日にわたって浴び続けた。こちらも負けじと集中して聴き、そしてその思いを受け止めるのだから、クタクタである(笑)。

演奏者の表情は三者三様である。とにかく楽しそうな団体、気合いの入れようが凄い団体、場に飲まれているかのような団体、王者の風格を持つ団体…等、それぞれがそれぞれの思いを胸に抱いて臨んでいるのだなと、部外者ながら感じ入ったのだった。

昔から吹奏楽コンクールについていろいろと思うところはあり、言い出したキリがないのだが、コンクールという場にしか無いもの、この場を目指すからこそ手に入れられるものは、確かにあるのだなと思ったのだった。

結果は以下の通り。各団体ごとの感想をプログラム冊子に少しメモったので、後日まとめようかなと思っている。妻が参加していたデアクライス・ブラスオルケスターは、銀賞。お世話になった関係者の皆様、応援してくださった皆様、ありがとうございました。

前半:
ソノーレ 銀
光ウィンド 銀
名取交響 金
倉敷市吹 銅
浜松交響 金
春日市吹 銀
秋田吹 銅
創価学会関西 金
ブリヂストン久留米 金
上磯吹 銅
藤原大征 銅
東京隆生 銀
伊奈学園OB 金

後半:
Pastorale 銀
J.S.B.吹 銅
大津 金
リベルテ 金
鏡野吹 銅
横浜ブラス 銀
百萬石 銅
ドゥ・ノール
大曲吹 銀
NTT西日本 銀
ヤマハ 金
宝塚市吹 銀
デアクライス 銀

2016/10/29

第8回サクソフォン交流会 in 長野についてご案内

ちょっと気が早いのだが、来年の「第8回サクソフォン交流会 in 長野」についてご紹介。なんだか、交流会という行事が少しずつ定着してきている実感があり、嬉しい限り。

【第8回サクソフォン交流会 in 長野】
日時:2017年5月20日(土)
会場:長野市芸術館・リサイタルホール(→長野市芸術館サイト 長野県長野市長野駅付近)
アドバイザー・指揮:原博巳

第3回以降、関東圏、関東圏以外で交互に開催しているのだが、次回は長野での開催となる。現地協力団体として、長野で活動されているMiST saxophone ensembleさんにご協力いただき、すでに事務作業が進行中。私は、今回も事務局の一員として活動していく(アンサンブル団体としても出演予定)。アンサンブル団体の募集開始は、2016/12/11(日曜)22:00。みなさま、ぜひご参加下さい。

金沢へ

この週末は金沢へ。

明日、金沢歌劇座で開かれる、全日本吹奏楽コンクール一般・職場の部を観に行く。妻がデアクライス・ブラスオルケスターのメンバーとして参加している。

2016/10/23

アレクサンドル・スーヤ&安井寛絵コンサート

フランスでご活躍の、アレクサンドル(アレックス)・スーヤ氏、そして安井・スーヤ・寛絵さんによる演奏会。前半がアレックス氏によるソロ、後半がアレックス氏と寛絵さんの二重奏、という仕立ての演奏会だった。

【アレクサンドル・スーヤ&安井寛絵コンサート】
出演:アレクサンドル・スーヤ、安井寛絵(以上sax)、渡辺麻里(pf)
日時:2016年10月23日(日曜)15:00開演
会場:アクタス ノナカ・アンナホール
プログラム:
B.バルトーク - ルーマニア民俗舞曲
G.エネスコ - カンタービレとプレスト
E.シュルホフ - ホット・ソナタ
P.モーリス - プロヴァンスの風景
J.B.サンジュレ - 協奏的二重奏曲
N.ロータ - 三重奏曲~フルート、ヴァイオリン、ピアノのための~
G.コヌッソン - テクノ・パラード(アンコール)
武満徹 - 小さな空(アンコール)

いつだったかブログにも書いたが、安井寛絵さんは、だいぶ昔(留学開始直後くらい)から注目していた奏者である。…といっても、演奏を聴いたとかではなく、当時ブログを頻繁に更新されていた、ということと、長野出身である、ということが、その理由。気がつけば、様々な経験を積み、コンクールで入賞を重ね、クラシックも現代作品もなんでもござれの、超強力な演奏家となってしまった。アレックス氏と結婚されて、すでにお子さんもおられる忙しい中、変わらず様々な方面で活躍されていることは驚嘆させられる。

アレックス氏も、実に素晴らしい経歴を持つ奏者だが、そういえばしっかりと演奏を聴くのは初めてかも。チャンスはあったはずだが…。CDやYouTubeなどで聴く限り、演奏技術や音楽性にとどまらない部分(プログラミングとか、コンセプトとか)についても相当なこだわりを持っていることが窺え、本日聴くのを楽しみにしていた。

スーヤ氏の独奏ステージは、比較的耳に馴染みやすい作品を取り上げていた。しかし、どの作品の演奏でも、作品のコンセプトを色濃く表現していたのが面白い。例えばバルトークでは曲ごとの極端な音色変化を、シュルホフではポルタメント的な表現を前面に押し出し、モーリスでは民謡的なエッセンスを強調し…といった具合。こうやって文章にしてしまうと何気ないのだが…実際演奏を聴いてみると、クラシック・サクソフォンの表現域を拡大しようと試みるような、そんな心意気を感じたのだった。シュルホフは耳を洗い直されたなあ…すごかった。エネスコは、フラジオ音域を見事にコントロールしながらの演奏、原曲(フルート)の軽やかさ、機動性を失わないどころか、ダイナミックレンジなどにも色を添えた、鮮烈な演奏だった。

後半は、サンジュレから。デュオのレパートリーとしては、演奏されすぎているほど演奏されており、食傷気味ではあるのだが、今日の演奏は凄かった!このような演奏が聴けるのであればもっと聴きたいなと思わせるような…ご夫婦だから息がピッタリ、というそんな次元を超えた、音と音の超高速の会話。丁々発止、という表現がピッタリで、フランス人同士の早口の会話を見ているかのようだった。いやはや、すごかった。ニーノ・ロータの三重奏曲は、Trio Saxianaがたまに取り上げているクラリネット、チェロ、ピアノ…ではなく、フルート、ヴァイオリン、ピアノのための作品(初めて聴いた)。かなり緊張感を要する作品で、ソプラノ2本のハモリによる倍音が凄く、響きが会場に収まりきらないほど。大喝采。

アンコールはコヌッソンの「テクノ・パラード」と、武満徹の「小さな空」。武満徹のほうは、寛絵さんからあるお二方に捧げられた演奏だった。ちょっと言葉にできないような、心へと深い響きが浸透していくような、そんな演奏だった。

打ち上げ等も出たかったのだが、別件もあったため早々に退散。

2016/10/19

ロシア最新のサクソフォン事情はこちらから

ここ10年ほど、世界のクラシカル・サクソフォン界を騒がせているロシアのサクソフォン界。ニキータ・ジミン Nikita Zimin氏やセルゲイ・コレゾフ Sergey Kolesov氏など、優秀な奏者が多いのだが、数年前まで最新のロシアのサクソフォン事情を知ることが難しく、やきもきすることが多かった。

そんなロシアのサクソフォン事情を、ひとまとめに知ることのできる場所があるのでご紹介。ロシアでFacebookよりも人気を得ているVK(ヴェーカー)というSNSがあるのだが、そのSNSの中、"САКС-АКАДЕМИЯ"というグループページがそれ。英語で書くと、Sax-Academy、という感じだろう。グループページの主宰は、ロシア・サクソフォン界の発展を支えるグネーシン音楽アカデミーの教授、マルガリータ・シャポシュニコワ Margarita Shaposhnikova氏(というか、このページの存在自体、シャポシュニコワ氏に教えてもらったのだ)。VKへの登録が必要、クローズド・グループであるため承認されないと情報にアクセスできない、など、いくつか障壁はあるのだが、掲示板や音楽のメニューが充実しており、様々な情報を得ることができる。

https://vk.com/saxacademy

掲示板にはロシア国内のイベント情報やサクソフォン動画がアップされ、音楽ページにはロシア奏者の演奏が多数(特に、シャポシュニコワ氏自身の録音が面白い…クレストンの「ソナタ」とか、デニゾフの「ソナタ」とか、湯山昭の「ディヴェルティメント」とか…)。ロシアの最新のサクソフォン事情を得るにはもってこいの場所なのだ。

2016/10/18

Tokyo Rock'n Sax 5th Live ~Boys, Be Alive~

【Tokyo Rock'n Sax 5th Live ~Boys, Be Alive~】
出演:松下洋(satc)、山下友教(sa)、東秀樹(at)、加藤里志(t)、丸場慶人(t)、塩塚純(b)、川地立真(b)、田中拓也(bs)、山本真央樹(drs)
日時:2016年10月17日(月曜)20:00開演
会場:カラオケラウンジKahoo
プログラム:
King Crimson - Red
Deep Purple - Fireball
Led Zeppelin - Black Dog
Led Zeppelin - Heartbreaker
Yardbirds - Stroll On
Rush - YYZ
Queen - Bohemian Rhapsody
Yes - Roundabout
Led Zeppelin - Stairway to Heaven
Deep Purple - Burn
King Crimson - 21 Century Schizoid Man (Encore)

(山Pさん、セットリストありがとうございます!)

毎度楽しみに伺っているTokyo Rock'n Saxライヴ。前回の公式ライヴ(レコ発記念ライヴ)より暗譜となり、ステージングが派手になり、立体感が出て、それに伴ってサウンドが一気に充実してきた。3回目、4回目のライヴでは、予定調和な部分に納まりかける危うさを一瞬感じたこともあったのだが、レコ発ライヴで完全に殻を突き破った。今回のライヴは、その方向性をより極端にした、レコ発ライヴの延長に位置するライヴだったと思う。

各個人が持つ技術的なレベルには相変わらず圧倒される。特にサクソフォン奏者は全員クラシック畑の出身であるから当たり前なのだが、表面に浮き上がってくるサウンドだけではなく、中間層を支える複雑なオブリガードや、低音が担う絶妙なグルーヴ感など、常人が真似出来ない演奏を次々と繰り出していく。輪をかけて強烈なのがドラムス山本氏。技術が高い云々で片付けられない、本場仕込み(保育園の頃からキング・クリムゾンを聴いているというから驚きだ)の見事なプレイで、変人(褒め言葉です)揃いのサクソフォンパートをリードしていく。

また、今日は会場の雰囲気もとても良かった。奏者が楽しい、聴き手も楽しい、奏者が盛り上がって、聴き手も盛り上がって、という、良い循環があったなあ。

ところで…驚いたことに、バスサクソフォンの田中氏が、今回限りでTokyo Rock'n Saxを引退してしまうとのこと。ここ数回のライヴを観ていて、メンバー交代など有り得ない、と感じていただけに、個人的にも残念極まりないと感じた。今後、バスサクソフォンのポジションはどうするのだろう。そんな発表があった後に続けて演奏されたレッド・ツェッペリン「天国への階段」は、特別な感情を持って迫ってきた。ラッシュ「YYZ」の演奏(突然ソプラノでソロを取る田中氏)とともに印象深く、何だか涙ぐんでしまったのだった。

2016/10/15

四賀公民館文化祭での演奏

毎年、この時期恒例となっている、長野県諏訪市の四賀公民館文化祭演奏。いつも暖かく迎えてくださって、本当に有り難いことだ。

【四賀公民館文化祭サクソフォンアンサンブルコンサート】
日時:2016年10月15日(土)13:00開演
会場:四賀公民館
プログラム:
ロバート・シャーマン - スーパーカリフラジリスティックエクスピアリドーシャス
オムニバス - グレン・ミラー・メドレー
久石譲 - ジブリ・メドレー
織田英子 - 東回りの風
葉加瀬太郎 - 情熱大陸
菅野よう子 - 花は咲く(アンコール)
岡野貞一 - ふるさと(アンコール)

今年も気がつけばなんだかんだ重めのプログラム、練習期間も限られているのだが、練習・本番とも集中型でなんとか乗り切った。直前で少々ドタバタしたのだが、2週間前のゼルビア演奏とプログラムがいくつか重複していたところに助けられた。「東回りの風」は、久々にライブラリから引っ張り出してきたのだが、クラシックという観点からも実に良い作品だ。もっと皆演奏すれば良いのになあ(浜離宮朝日ホールでの雲井雅人サックス四重奏団の演奏が、未だに印象に残っている)。

爽やかな秋晴れの下、新宿駅から車で中央道を移動(車出しのSさんに感謝)。現地は予想に反して暖かく、長大な曲を演奏していると汗をかくほど。お客様にも恵まれ、和やかな雰囲気の中、楽器紹介も含めておよそ50分間の演奏を楽しんだ。演奏後は、茅野の駅前の蕎麦屋さんで打ち上げ。適当に入ったのだが、アタリの飲み屋で、ゆっくりと楽しい時間を過ごすことができたのだった。新そばの季節ということで、蕎麦の美味しかったこと!

2016/10/14

ロシアの早熟サクソフォン少女

音楽でもスポーツでも、ロシアは昔から"天才少年・少女"が多いような気がする。国民性なのか、政治方針なのか。以下の動画でサクソフォンを吹くのは、Sofya Tyurinaさん(弱冠9歳)。

モンティ「チャルダーシュ」
オケをバックに堂々たるステージング。


リムスキー=コルサコフ「熊蜂の飛行」
循環呼吸を駆使した見事な演奏。


VK(ロシアで最も広く使われているSNS)のページもあるので、気になる方は追ってみては。
https://vk.com/id288856098

2016/10/13

プミポン国王逝去

タイのプミポン国王が逝去した。サクソフォン/クラリネットの演奏家であることはよく知られているだろう。

セルマーのFacebookページに、追悼記事が上がっていた。ベニー・グッドマンとのツーショットは有名だが、Kloseの教本を使って指導するプミポン国王の写真(指導を受けているのは皇太子?)は初めて見た。なかなか凄い画だ。
https://www.facebook.com/HenriSELMERsax/posts/1371272369569378

2016/10/10

JAZZ in fuchu同時開催コンサート@府中市生涯学習センター

府中にてカルテットの演奏。30分ほどのステージだったが、濃い内容、そして楽しい本番となった。

【JAZZ in fuchu同時開催コンサート】
日時:2016年10月9日 12:30~
出演:加藤里志、並木大亮、栗林肇、佐藤美紀
会場:府中市生涯学習センター・アトリウム
プログラム:
Omnibus「Glenn Miller Medley」
Phil Woods「Three Improvisations」より第1楽章
JacobTV「Grab It!」
Richard Ingham「Walking the Cowgate(日本初演)」
Richard Ingham「Mrs Malcolm, Her Reel」
菅野よう子「花は咲く」(アンコール)

"「JAZZ in fuchu」の同時開催コンサート"、ということを聞いたときに、どういうプログラムが良いかなあと思案したのだが、結局ジャズの様々な側面をカルテットで表現する、という内容になった。最初はチック・コリアやラッセル・ピーターソンの作品も入れていたのだが、練習期間が短かったり何だったりして断念。その他もいろいろとドタバタしたが、加藤さんのご協力もあって何とか本番にこぎつけた。

ハードなプログラムの割にお客様の反応も良く、最初から最後まで楽しく演奏できた。個人的には「Walking the Cowgate」を演奏できたのが嬉しかったなあ。また、とても響く場所、ということで、「花は咲く」が素敵な演奏になったと思う。

お客様、スタッフ、共演者の皆様、ありがとうございました。

2016/10/08

演奏会ご案内:明日は府中生涯学習センターで演奏

前日のご案内となってしまったが…明日、府中生涯学習センターにて、サクソフォン四重奏で演奏を行う。同センターが企画する「JAZZ in fuchu」同時開催コンサートの、30分ほどのステージで、府中生涯学習センターのアトリウム(ロビー)にて12:30から。

「JAZZ in fuchu」に引っ掛けて、ジャズの様々な様相をサクソフォン四重奏で表現する…という内容(なんだかこう書くと大層な感じだ笑)。日本初演あり、エレクトロニクスあり、スタンダードあり。加藤里志さんにも特段のご協力をいただき、なんとか本番にこぎつけることができた。短いながらもなかなかおもしろいと思うので、ぜひお越しくださいませ。

日時:2016年10月9日 12:30~
出演:加藤里志、並木大亮、栗林肇、佐藤美紀
会場:府中市生涯学習センター・アトリウム
プログラム:
オムニバス「グレン・ミラー・メドレー」
フィル・ウッズ「3つの即興曲」より第1楽章
ヤコブTV「Grab It!」
リチャード・インガム「Walking the Cowgate(日本初演)」
リチャード・インガム「Mrs Malcolm, Her Reel」

2016/10/01

伊藤康英「舞子スプリングマーチ」の録音

大学の現役/OB、合計およそ100名がつくば市のカピオに集結し伊藤康英先生が筑波大学吹奏楽団のために1998年に書いた作品、「舞子スプリングマーチ」の録音を行った。目的についてはこの場では割愛するが、上から下まで幅広い年齢が集まり、充実した合奏のあと(指揮は22期の細越さん)、最後に行った録音テイクは素晴らしい演奏になったと思う。本当の一発録りだったことから来る緊張感・集中力がそうさせていた部分もあったことだろう。

実は録音担当だったのだが綺麗に録れていて一安心。持ち込み機材を使って4chで録音し、ミキシング/マスタリングを経て数日のうちには納品できる状態へと調整を行っていく。