11月末に購入し、初期不良(片側のマイクに異物混入して、本体を動かすとノイズが乗る)のため返品・交換依頼をしていたHDR-MV1が、3週間かかってようやく手元に戻ってきた。ずいぶんと時間がかかったが、どうやら生産が追いついていなかったようだ。結果的にクリスマスシーズンに間に合わせて…というのは良くある話だなあ。
以前にも書いたが、自分たちの演奏を映像として残すことには興味があって、Tsukuba Saxophone QuartetのYouTubeアカウントにはいくつも演奏をアップしてある。音質の面で満足いくものはあまり無く、小さい音は大きく、大きい音は小さく録れてしまい…なぜかというと、多くの場合音声部分にコンプレッサーが挟んであるからなのだが…特に音圧という点で自然な動画を得ることができなかった。これまでZOOMやOlympusが、リニアPCMレコーダーとムービーカメラを組み合わせた製品をいくつか出しており、購入を検討したことも合ったが、映像側があまりに適当すぎる印象があり、購入とまではいかなかった。SONYがこの機種を発表した時、ようやく動くべきところが動いた、という印象を受け、検討を開始した。
事前情報調査やYouTube上に上がっている購入者のレビュー動画等を経て、購入を決定。実売で26800円というのも魅力的だった(ちなみに、カメラ関係はぜんぶ500円貯金からまかなっており、今回もそこから捻出)。初期不良はさすがに想定外で、利用を考えていたFour Seasons Trioの本番では使うことができなかったが、返品直前に練習で試用することができた。
なかなか所有欲をくすぐるデザインだ。縦長でちょっと不安定にも思えるが、スタイリッシュ。プラスチック筐体だが、Made in Chinaとはいえさすが日本発の製品、曲面を多用しながらもしっかりした作りで好感が持てる。小型軽量という点も良い。
録音されている音声は、さすがである。非常に良く撮れており、その辺りのリニアPCMレコーダーと遜色ない。平常時のノイズも乗らず、全周波数帯域…といっても、管楽器相手だとたかが知れているが…にわたって、そこにある音のまま記録されるのが良い。この当たり前のことができるビデオカメラがほとんど存在しないのだ。映像なしで、リニアPCMレコーダーとして利用するモードもあるのだが、今後レコーダーをわざわざ持っていく必要はないと思ってしまったくらいだ。ステレオ感もかなりある。外部からのLINE INがあるのもポイント高し。超気合の入った録音のときには、すでに所持しているRode NT5ペアマイクとZOOM H4nを使って、さらに音声部分を強化することができる。
画質も良い。さすがにNEXムービーと比べると解像感や高感度耐性など雲泥の差だが、おおむね良好な画質である。そして、なによりその画角である。120°という広角っぷりは、練習場所などやや狭い場所で扱うには最適で、ここまで広く写るか、と驚くこと請け合いである。画角はX-Y方式のマイクと合わせてあるとのことで、それはつまり画像に収まっている範囲をしっかりと捉えられるとうことで、そんなところもコダワリを感じる。逆に、例えばコンサートホールのような場所では、かなり近づけなければ対象物があまりに小さく写ってしまうだろうとも感じた。これは、今後何かの機会で実際に使用して試してみたい。逆光時の補正などもきちんと効いており、極端に明るい部分と暗い部分が混在していても、暗い部分がつぶれず、全体として自然な風合いになるのにはびっくりした。解像度については、Full-HDでの撮影もできるが、私のユースケースでは、HDでも十分かと感じた。
スマートフォンと接続してWifi経由で遠隔地から録画・停止できる機能は、そこそこ使える。接続が不安定だというレビューをときどき見かけるが、私の場合は4回試したうちの1回、途中で接続が切断されてしまっていた。ただ、操作できるのは録画のスタート/ストップと、映像記録/音声記録の切り替え程度。音声レベルの調整や、プレビューがスマートフォンから行えたら、もっと良かった。さすがにプレビューするには帯域が足りないのだろうか?
F値が暗くなっても良いから4倍程度のズーム機能があったらな、とか、Ustreamへのダイレクトストリーミング機能があったらな、とか、ないものねだりしはじめたらキリがないが、それでもひとつ完成されたガジェットだなと感じた。特に練習では活躍しそう。SONY ミュージックビデオレコーダー MV1 HDR-MV1
最近、ZOOMがQ4という類似製品をリリースしたが、そちらはどうなのだろうか。まあ、私はもうこちらを買ってしまったので、使い倒すのみなのだが…。
初期不良返品前に撮影した、Four Seasons Trioの練習風景(練習なので、演奏自体のクオリティはごかんべんを)。公開許可は得ている。フルートの音が小さめに収録されているのは、マイクからの距離が遠いせい。
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