本日のサラヴァ東京は、仕事のため伺えず…(泣)。うーむ。
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昨年から何かと話題の"BASQ"ことブルーオーロラ・サクソフォン・カルテットのファーストアルバム、その名も「ファースト・ブルー」をレビュー。浜離宮朝日ホールで開かれたデビューリサイタルも聴きに行くことができ、またひとつ興味深いカルテットが出てきたなという印象を受けた。多彩なソロ活動を展開してきた平野氏を中心に、さらに実力伯仲の3人が加わったカルテット…面白くないはずがない。CDは、カルテットとの面白さをかなり忠実に記録しており、BASQの魅力の一端に触れることができると感じた。しかし、まさかオール・ロシアン・プログラムで攻めるとは…。
B.バルトーク - 6つのブルガリア・リズムのダンス
A.グラズノフ - 四重奏曲作品109
P.I.チャイコフスキー - 「四季」作品37より
A.ドヴォルザーク - ユーモレスク
N.リムスキー=コルサコフ - くまんばちの飛行
CDの冒頭から、BASQがサクソフォンが咆哮する。高速でうねる、強烈なグルーヴ感が耳を突く。平野氏の編曲によるバルトークは、最初曲名だけ聴いたときは「?」だったのだが、このアレンジ・この演奏で聴けば納得。原曲のピアノ版では絶対に聴けない、持続音を生かした演奏に感銘を受けた。グラズノフは、巷に名演奏が溢れるなかでさらにプラスを出すことは非常に難しいが、ずいぶんと魅力的な演奏を展開している。日本のサクソフォン四重奏っぽくないし、「ハバネラSQらしい」とも違うし、なかなか似た演奏を見つけられなかったあたり、やはりBASQがきちんと解釈して演奏をこなしているためなのだろう。
後半はクラシックの聴きやすい作品が並ぶ。それほど自己主張もせず、さりげなく演奏される「四季」の演奏(特に弱奏の楽章)が、実はCDのなかで最も好きな演奏かもしれない。アプローチによっては、激しい自己主張だけでも終わることのできるほどの実力を持つ団体だが、その中に置かれた「さりげなさ」こそに惹かれるのだ。ユーモレスクも同じ傾向かな。「くまんばちの飛行」は、まあご想像通りということで(笑)。Amazonでの購入リンクは、こちら(→BASQ「ファースト・ブルー」)
デビューリサイタル、そしてファーストアルバムは、このとおり素晴らしいものとなった。今後、BASQがどのような方向性に進んでいくか、とても興味深い。
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