2013/02/28

D.Brutti plays Koechlin

イタリアのサクソフォン奏者、David Brutti氏がケックランの「エチュード」を演奏した動画を見つけた。Brutti氏はBrilliant Classicsにケックランのサクソフォン作品の全集を吹き込んでいるが、その録音との関係性がありそうだ。第1曲~第3曲は、先日の田村哲のリサイタルでも聴いたが、「エチュード」という名を持ちながらひとつのコンサート・ピースとして成立しておりと感じる。少しずつこの曲をリサイタルで取り上げる奏者が増えてくれれば良いなと思っている。

第1曲


第2曲


第3曲

岩永知佳 - America「都市の肖像」

今度フェスティバルで大阪芸術大学が演奏する岩永知佳氏の作品について調べていたところ、試聴ページを発見した。演奏者が妙に豪華で、松原孝政、林田祐和(ソプラノ)、波多江史郎、作田清美(アルト)、松田宏幸、田中麻樹子(テナー)、東涼太、福井健太(バリトン)という布陣。作品もなかなか面白く、特に第1楽章のまさに"都市"を想起させるモダニズムなどは耳にとても残った。

http://www.ontomovillage.jp/ontomo/hole/band/3174/0

フェスティバルで大阪芸術大学がどのようにこの曲を料理してくるのか!?今から楽しみだ。

2013/02/27

ご案内:ダグラス・オコナー氏マスタークラス&コンサート

速報。サクソフォーンフェスティバルに合わせて来日するアメリカの若き名手、ダグラス・オコナー氏が、アクタスにてフル・リサイタルを開くそうだ。プログラムを参照するに、なんとも強烈なことこの上なく、充実したリサイタルとなりそうだ。私も仕事次第ではあるが、なんとか伺いたいところ。

「シャコンヌやるんだΣ(゜□゜)!?えっ、オルブライトも!?ワークソングはもちろんとして、ええっグラディエントってあの超かっこいい曲じゃん!!」というノリ。というわけで、強烈におすすめする次第。

【ダグラス・オコナー コンサート】
出演:ダグラス・オコナー(sax)、黒岩コウキ(pf)
日時:2013年3月5日(月曜)18:30開場19:00開演
会場:アクタス渋谷6Fアンナホール
料金:一般2500円、学生2000円(当日各500円増)
プログラム:
R.ムチンスキー - ソナタ
J.S.バッハ - バイオリンパルティータ2番よりシャコンヌ
W.オルブライト - ソナタ
C.ロバ - ワークソング
C.カスター - くらげ
S.ラフマニノフ - チェロソナタよりアンダンテ
B.セコーン - グラディエント
チケット:
yo_14th@yahoo.co.jp(松下)

同時にマスタークラスも予定されているとのこと。受講希望の方は、同じく松下さん(yo_14th@yahoo.co.jp)まで連絡を。

オコナー氏の経歴を載せておく:
アメリカ・メリーランド州出身。イーストマン音楽学校を卒業後、メリーランド大学にてサクソフォンクラスの修士・博士号を取得。オークレアのウィスコンシン大学にてサクソフォンのアシスタント・ディレクターを務めたのち、海軍バンドに入隊。これまでにサクソフォンをデール・アンダーウッド、ティモシー・ロバーツ、チェン・クワン・リン、レイモン・リッカーに師事した。2008年第2回ジャン=マリー・ロンデックス国際サクソフォンコンクールにて第2位受賞。第15回世界サクソフォンコングレス(タイ・バンコク)にて、クリスチャン・ロバの15番目のエチュード「Worksong」を初演した。また、タイ・フィルハーモニー管弦楽団とともにBaljinder Sekhonのサクソフォーン協奏曲の世界初演を行った。これまでにソリストとして、ナショナル管弦楽団、シンフォニー・イン・C、ムジカ·ノヴァ、イーストマンジャズアンサンブル、等と共演。Red Line Saxophone Quartetのソプラノサクソフォン奏者。

私にとってオコナー氏といえば、何よりもまず「ワークソング」の強烈な映像が印象的である。一時期は、JML2nd本選のライヴ映像も話題になった(前半・後半)。

アリオンSQ x Quatuor Bジョイントコンサート

とても楽しみにしていた、ArionSQとQuatuorBの演奏会!次から次へと素敵な演奏を聴くことができて、とても嬉しかった。

【Arion Saxophone Quartet x Quatuor B Joint Concert】
出演:Arion Saxophone Quartet、Quatuor B
日時:2013年2月26日 19:00開演
会場:台東区ミレニアムホール
プログラム:
W.A.モーツァルト「"フィガロの結婚"序曲」(ASQ&QB)
G.ピエルネ「守護天使の歌」(QB)
高橋宏樹「アルルのサックス展覧会」(QB)
八木澤教司「アリオンの竪琴」(ASQ)
F.ティケリ「アウト・オブ・ザ・ブルー」(ASQ)
M.ラヴェル「ボレロ」(ASQ&QB)
江原大介「インフィニティ」(ASQ&QB)
長生淳「八重奏曲」(ASQ&QB)
F.ロウ「踊り明かそう」(ASQ&QB、アンコール)

上野駅で降りて向かったものの、徒歩15分以上かかるかなりの距離。鶯谷からのほうがまだ近かったかな…。そういえば昔、BCSEの演奏会のために伺ったことを思い出した。内装が木でできた、よく響くホール。

「"フィガロの結婚"序曲」から、とても快活な音楽。美しい音色、そして技術的にも素晴らしく、オープニングに相応しく、続く演奏に期待が高まる。それぞれがお得意のレパートリーを披露する第一部は、まずQuatuor Bがピエルネの小品と、高橋宏樹氏の「アルルのサックス展覧会」を。実は東京で聴くのは初めてだった?かもしれないが最近ますます高まるアンサンブル力に感銘を受ける。「アルルのサックス展覧会」は、実演で聴くとよりそのパロディっぷりが前面に押し出されており、とても楽しむことができた。アリオンSQの演奏は、代名詞ともいえる「アリオンの竪琴」でYouTubeでも聴いたすばらしい演奏を堪能し、続いてティケリ。至難かつクールなこの作品を、まさか実演で聴くことができるとは思っていなかった!

純度の高いよく揃った音色を武器とするQuatuor B、4者がそれぞれに特徴的な音を持つアリオンSQと、2つのカルテットを聴き分けるのはとても面白い。それぞれがそれぞれの良いところをプレゼンテーションする競演会でもあり、そうかと思えば8重奏では意外なほどに息があった演奏も聴くことができる。意外とこういう形態での演奏会って少ないな。レパートリーも充実してきているし、とても面白いと思うのだが。

後半は、有村氏の編曲という「ボレロ」から。照明まで交えた演出と、まさかという驚きにも満ち溢れた、しかし決してハメは外さないアレンジは、才気を感じさせる。江原大介氏の新作は、3楽章構成の急緩急という構成の佳曲。最初こそシリアスな響きでこれ、楽譜が出版されさえすれば、かなり流行るのではないかな(急速楽章は5分くらいだったので、例えばアンサンブルコンテストの新たなレパートリーとして…)。日本国内に留めておくのがもったいない、という気もした。2015年のコングレスで…どうでしょう。タイトルの「インフィニティ」は、名手たちの演奏に感じる"無限"の可能性を…ということで付けた、とは作曲家の江原氏のコメントだが、個人的には八重奏の"8"を90度傾けて∞としたところから着想したのかなあ、とも思った。

そして、2団体の聴き分けの面白さは、やはり最後の長生淳「八重奏曲」でのバトルでこそ本領発揮されていたと思う。TsukubaSQとサクゴレンでも昨年9月にやったばかりで、なんだか懐かしく聴いたのだった。それぞれの奏者が魅力的で、それぞれのカルテットが魅力的で、そして一体となって突き進む8本のサクソフォンアンサンブルが魅力的で…と、実に豪華な15分間を過ごした。

アンコールに「踊り明かそう」。終演後はロビーが大混雑。実はアリオンSQの皆様とは初めましてだったのだが、ご挨拶できて良かった。打ち上げにも伺い、とても楽しかった!…見事に終電を逃してしまったのだが(^^;

2013/02/25

YAMAHAの歴代サクソフォン

銀座のヤマハで一ヶ月弱にわたり開かれていた「ヤマハ創業125周年記念「ともに」展~楽器と写真でたどるヤマハヒストリー~(リンクはこちら)」が本日最終日を迎えたとのこと。残念ながら伺うことはできなかったのだが、その展示に関連し、サクソフォンに特化して面白い写真を数枚ご紹介したい。

昨年12月に開かれたユージン・ルソー氏のトーク&ミニコンサートの際、ロビーにヤマハの歴代アルト・サクソフォンのトップモデル(8xx系列&6x系列)が展示されていた。「ミシェル・ヌオーからアドバイスを受けた」という初代YAS-61に始まり、最新のYAS-875EXまで、実機・ケース・簡単な説明がひとつずつ展示されていたのだ。それでは、新しいモデルから一枚ずつ。特に説明等は書かないが、クリックして拡大できるのでじっくり眺めていただければと思う。

YAS-875EX 2002/10~現在



YAS-875(第2世代)2012/10~現在



YAS-875(初代)1988/10~2002/9



YAS-855 1988/10~2002/9



YAS-62(第3世代)2002/9~現在



YAS-62II(第2世代)1994/9~2002/4



YAS-62(初代)1978/5~1994/8



YAS-61 1966/12~1978/4
最初期モデルの61には、お付きの人がいらっしゃいました(笑)

2013/02/24

サクソフォンとオーボエのコンサート(菊地麻利絵、水村一陽、大嶋千暁)

【Saxophone and Oboe~菊地麻利絵 水村一陽 1st Concert】
出演:菊地麻利絵(sax)、水村一陽(ob)、大嶋千暁(pf)
日時:2013年2月23日(土曜)19:00
会場:海老名市文化会館・小ホール
プログラム:
A.ピアソラ - リベルタンゴ、オブリヴィオン、エスクヮロ[ob, tsax, pf]
G.プッチーニ - 歌劇「トゥーランドット」より"お聞きください王子様"、"誰も寝てはならぬ"[ob, pf]
J.W.カリヴォダ - サロン小品[ob, pf]
吉松隆 - ファジイバード・ソナタ[asax, pf]
J.B.サンジュレ - デュオ・コンチェルタント[ob, asax, pf]
J.フランセ - オーボエ、ファゴット、ピアノのためのトリオ[ob, tsax, pf]

事情により寝不足な土曜日午後は、海老名市のこの演奏会へと伺った。初めて行く場所だったのだが、思いの外遠く(自宅から1時間以上)またあまり経路を考えず出発してしまったため、乗り換えも多くて大変だった。

サクソフォン+オーボエだという編成だと知った時に、その響き方が頭にぱっと思い浮かばなかった。例えば音量の点をどのようにクリアするのかとか、何の曲やるのかとか。最初のピアソラはその答えだったのかな。ちょっとびっくりするくらいの大きい音量・美しい音のオーボエの水村氏、また、菊地さんはここではテナーサックスを繰っていた(豊かな美しい音)。音域を分離させてそれぞれが独立した役回りを演じることで、違和感なく面白いアンサンブルになっていた。

カリヴォダのオーボエのための作品は、ロマン派の時代に書かれた堂々たるヴィルトゥオーゾ・スタイルの佳曲。しっとりと始まるが、最後は超絶技巧も交えながら盛り上げて一気に幕となる。大喝采。こういう曲って、サックスにないよなあ。「ファジイバード・ソナタ」は、奇しくも?菊地さんのソロを聴く初めての機会となったのだったが、びっくりするくらい楽器を鳴らすそのスタイルにまず驚いてしまった。改めて、大嶋千暁さんとの相性の良さを感じた。細かい部分では事故もあったようだが、かなり積極的な表現も各所に聴かれ、特に第2楽章~第3楽章は聴き応えがあった。アドリブも、そう来るか!という感じで面白い。各種の積極的な部分はそのままに、さらに洗練された演奏をまた聴いてみたいな。

そういえば、ピアノ大嶋千暁さんは先週日曜日(蓼沼さんと野口さんのコンサート)、先週水曜日(日下部さん試演会)に引き続き1週間にサックス関連だけでフル・リサイタル級のプログラムを3度こなしているわけだが、いったいどのようにして、あの高いクオリティを保ち続けていられるのだろうか…?驚異的。

休憩を挟んだ後半は、サンジュレ。サンジュレ作品が、サクソフォンを意識して書かれたものではなく、いかに楽器非依存で書かれたかということを再認識する思いだった。ソプラノサクソフォンをオーボエに置き換えることで、サロン的な可愛らしさが、より強調されていた。最後のフランセは、3者が一体となって繰り広げる濃密なアンサンブルが魅力的。アイロニーたっぷりのフランセが、編成を変えたとはいえ高い技術とアンサンブル力で聴けたのは、つても嬉しかった。

アンコールに、C.ドビュッシー「小さな黒人」と、M.D.プホール「Candombe de los buenos tiempo(古き良き時代のカンドンベ)」。プホール、初めて知ったがいい曲だなあ。そういえば、全体を通してMCが入れられていて、MCはだいぶ上滑り系?だったのだが、フリとか構成とかセリフとか、もうちょっと聴き手のことが考えられていると良かったかな(と、自らに対する戒めも込めつつ書いてみた)。コンサート中のMCって難しいですよね。。。

終演後は、打ち上げに参加させてもらった。ほとんどはサックス吹き&出演者で占められていたが何人か他の楽器の方も参加されていた(他の楽器の人と話すのはちょっと面白い)。ごく自然な成り行きで終電を逃し、そのまま10人弱で朝の5時まで宴会が続いた。最後には頭も回転しなくなってしまい…。始発で帰宅。ということで、2日連続で寝不足状態となり、日曜日午前の練習は体力的にキツイ状態で臨まざるをえなかったのだった…いや、練習は良いのだけれど、何度電車を寝過ごしそうになったことか(苦笑)。

2013/02/23

横井彬士サクソフォンリサイタル

横井さんのリサイタルだった。仕事が終わった後に会場へ向かい、演奏を聴いて、打ち上げに参加して、ウチで部屋飲みして、そのまま雑魚寝して、起きて…と、なんだかずいぶんと長い半日だった。

【横井彬士サクソフォンリサイタル】
出演:横井彬士(Saxophone)、松浦真沙(Pf)
日時:2013年2月22日(金) 18:30開場19:00開演
会場:大田区民ホール・アプリコ(小ホール)
プログラム:
A.シモネッティ - マドリガル
R.ムツィンスキー - ソナタ
松浦真沙 - 海の石
F.デクリュック - ソナタ嬰ハ調
D.ベダール - ファンタジー
C.フランク - ヴァイオリン・ソナタ
J.M.ダマーズ - ヴァカンス(アンコール)

いち演奏者として強い意志に沿ったプログラミングをすること、20分~30分に及ぶ大曲を終始一貫して「正しく」作り上げてくるその努力やセンス、さりげない弱音での(特にヴィブラートに頼らない部分での)歌い方など、様々な部分に感銘を受けた演奏会だった。確かに横井さんはアマチュアではあるのだが、こういう演奏会を聴いたあとではプロフェッショナルとかアマチュアという言葉は無意味になってしまうかもしれない、とも思うのだった。

前半では、特にピアノの松浦さんの自作による「海の石」の演奏が印象深い。ピアノの幾重にも重なった和音の中で、繊細な響きでもって優雅に歌うサクソフォンが美しかった。もちろん、そのほかの曲も!シモネッティは横井さんの美的センスが顕著にあらわれた演奏であったし、ムツィンスキーやデクリュックでは、あの高難易度のパートを高い技術で吹きこなしていた。

後半の、ソプラノサクソフォンによる「ファンタジー」は、とても良いアクセントで、軽やかな音色やテクニックも相まってとても楽しく聴くことができた。最後のフランクは、思い入れの強さが良く表れた演奏で、サクソフォンを始めてからこれまでの演奏活動を全て回顧するような、そんな聴きながら昨日の横井さんのブログ記事の内容を思い出して、なんだかあまり冷静には聴けなかったのだった。最後に置かれたダマーズの「ヴァカンス」が、今でもぐるぐると頭の中を回っている。

いやはや、素晴らしかった。演奏を終えてロビーに出てきたときの横井さんの充実した顔。アマチュアからこういう人が出てくるのを、同じくアマチュアの末席で活動している私としては、とても誇りに思う(上で"プロフェッショナルとかアマチュアとか云々…"と書いておきながらのこのコメントではあるが)。私も頑張らないとなあ。Tsukuba Saxophone Quartetの活動はもちろんさらに充実させていきたいが、個人的な何かも5カ年計画くらいで考えてみよう。

打ち上げは20人以上が参加して大盛り上がり。最後に残った横井さん、小倉君、吉田君と私は、"しんか"でラーメンを食べた後タクシーに4人乗り合わせて私が住んでいるアパートまで。夜中の2時半くらいまでサックスのCDやらなんやらを聴きまくりながら飲み直し、そのまま狭い1K 6畳の部屋で雑魚寝して朝となった。まだちょっと眠い(^^;