サクソフォン奏者・作曲家として有名なジャン=ドニ・ミシャ氏(リヨン音楽院教授)。おそらく、クラシック音楽の正統的な語法を身に付けたサクソフォン奏者として、世界でもトップクラスの演奏をする演奏家だと思っている。ミシャ氏が吹き込んだバッハの「無伴奏フルートパルティータ」やシューベルトの「アルペジョーネ・ソナタ」が収録されたアルバムをご存知だろうか。入手困難にも関らず、クラシック奏者としては必ず所持しておくべきアルバムとして名高いのである。
そのミシャ氏、オーケストラとの共演も多いようだが、氏がモーツァルトの「オーボエ協奏曲」を演奏している動画を見つけた。しかも全曲!Maxim Valkov指揮St-Petersburg Capella Chamber Orchestraとの共演である。ホールの響きがお風呂みたいでやや聴きづらいが、それでもミシャ氏の尋常ならざるプレイは良く伝わってくる。第3楽章の粒立ちのはっきりした音など、見事なことこの上ない。カデンツァはミシャ氏のオリジナルだろう。
本職のオーボエの人は、この演奏を聴いて何を思うのだろうか。気になるなあ。
----------
実家の庭で芝桜の素敵な写真が撮れたので、載せておく(クリックすると拡大)。NEX-5N&SEL50F18で、ISO100&F4.0&1/500。単焦点レンズは楽しい。
2012/04/30
デュポン楽長&ギャルドの時代
本日午後から実家に帰省中。東京の暑さには驚いたが、さすがにこちらは涼しい。
----------
帰省時のお供は、ピエール・デュポン楽長時代のギャルド・レピュブリケーヌ吹奏楽団の演奏を納めたアルバムだ。木下直人さんが所有するSP盤を、ご自身が持つ世界最高クラスの技術・機材で復刻した盤で、発売当初大きな話題となった。グリーンドア音楽出版ということで、この手の復刻盤によくある「気がついたら廃盤」ということもなく、Amazon等でも気軽に手に入れられるのがうれしいところだ。
ピエール・デュポン氏は、1927年から1944年までギャルドの楽長を務め、同楽団の黄金期を築き上げた。ギャルドの音楽が完成期を迎えるのは後任のブラン楽長とリシャール副楽長の時代だが、その完成期への道筋を作り上げたデュポン楽長のことも忘れてはならない。編曲家としても活躍し、行進曲のみならずオーケストラの名曲を数々アレンジした。SP時代でありながらレコーディングにも積極的で、後世に見事な演奏を伝えるきっかけを作ったことについても、評価が高い。
デュポン楽長の芸術感をまとまって聴くことのできる媒体は、思い当たるところでは10年ほど前にEMIから出版されたギャルドにまつわる20枚の復刻盤くらいだろう。この時も木下直人さんは復刻に協力したが、その出来には不満があったそうだ。この新復刻盤は、それ以来木下さんが培ってきた技術を惜しみなく投入したものである。SPやモノーラルLPの盤からの復刻に関して、当時の空気感を再現できる研究家は、木下さん以外にはいないことだろう。しかもなんと2枚組!
復刻された盤を聴いてみると、いかに当時の聴衆がこのデュポン楽長指揮のギャルドに興奮したかが、伝わってくるというものだ。もちろん、解像感という点で言えば現代の最新の録音と比べるまでもないが、そのテクニック、音色、音楽性などは、ある意味現代の録音よりもリアルに捉えられている。なかなか聴き通すにも集中力を要するが、これを聴かずして吹奏楽を語ることなどできないかもしれない。20世紀前半に到達した最高レベルの演奏が、記録されている。敢えてどのトラックがおすすめ…とも書かないので、ぜひ聴いてお気に入りを探し出していただきたい。
サクソフォン的興味からしても、マルセル・ミュールの演奏が聴けることがうれしい。ギャルドの音の洪水の中でひときわ存在感を放つサクソフォンの甘美な音色・ヴィブラートは、感動的だ。
Amazonでの購入リンクは、こちら
。以前入手した時に書いたレビューは下記リンクから。
・ディスク1
・ディスク2
----------
帰省時のお供は、ピエール・デュポン楽長時代のギャルド・レピュブリケーヌ吹奏楽団の演奏を納めたアルバムだ。木下直人さんが所有するSP盤を、ご自身が持つ世界最高クラスの技術・機材で復刻した盤で、発売当初大きな話題となった。グリーンドア音楽出版ということで、この手の復刻盤によくある「気がついたら廃盤」ということもなく、Amazon等でも気軽に手に入れられるのがうれしいところだ。
ピエール・デュポン氏は、1927年から1944年までギャルドの楽長を務め、同楽団の黄金期を築き上げた。ギャルドの音楽が完成期を迎えるのは後任のブラン楽長とリシャール副楽長の時代だが、その完成期への道筋を作り上げたデュポン楽長のことも忘れてはならない。編曲家としても活躍し、行進曲のみならずオーケストラの名曲を数々アレンジした。SP時代でありながらレコーディングにも積極的で、後世に見事な演奏を伝えるきっかけを作ったことについても、評価が高い。
デュポン楽長の芸術感をまとまって聴くことのできる媒体は、思い当たるところでは10年ほど前にEMIから出版されたギャルドにまつわる20枚の復刻盤くらいだろう。この時も木下直人さんは復刻に協力したが、その出来には不満があったそうだ。この新復刻盤は、それ以来木下さんが培ってきた技術を惜しみなく投入したものである。SPやモノーラルLPの盤からの復刻に関して、当時の空気感を再現できる研究家は、木下さん以外にはいないことだろう。しかもなんと2枚組!
復刻された盤を聴いてみると、いかに当時の聴衆がこのデュポン楽長指揮のギャルドに興奮したかが、伝わってくるというものだ。もちろん、解像感という点で言えば現代の最新の録音と比べるまでもないが、そのテクニック、音色、音楽性などは、ある意味現代の録音よりもリアルに捉えられている。なかなか聴き通すにも集中力を要するが、これを聴かずして吹奏楽を語ることなどできないかもしれない。20世紀前半に到達した最高レベルの演奏が、記録されている。敢えてどのトラックがおすすめ…とも書かないので、ぜひ聴いてお気に入りを探し出していただきたい。
サクソフォン的興味からしても、マルセル・ミュールの演奏が聴けることがうれしい。ギャルドの音の洪水の中でひときわ存在感を放つサクソフォンの甘美な音色・ヴィブラートは、感動的だ。
Amazonでの購入リンクは、こちら
・ディスク1
・ディスク2
ラベル:
CD
2012/04/29
「宝島」「オーメンズ・オブ・ラブ」練習
大学の吹奏楽団同期(女性)で昨年末に入籍されたMさんが、5月に披露宴を開くとのこと。その2次会で参加者による「宝島」「オーメンズ・オブ・ラブ」のほぼ全員合奏を行うのだが、昨日そのための練習があった。「宝島」「オーメンズ・オブ・ラブ」といえば、言わずと知れたT-SQUAREの名曲であり、吹奏楽のためになされているアレンジもおなじみだ。これまで何度吹いたかわからないくらいで、なんとなく暗譜でも吹けてしまうくらい。こうやって改めて練習するのは逆に新鮮だ。
松戸の、森のホール21という会場のリハーサル室。広いスペースに20人以上が集まっての合奏。本番はなんと70人規模になるらしい(笑)吹奏楽の合奏というのも久々で、そんな感覚を楽しんだ。リハーサルの後は八柱駅前のまいちゃ亭にて、Mさんご夫妻を交えて飲み!とても美味しい料理にたくさんの種類の焼酎、3時間飲み放題で3800円とは、なんと素晴らしいことか。いろいろとおしゃべりでき、楽しかったなあ。そして、久々に変な飲み方をしてしまった…。電車に乗ったところまでは良かったが、気がつけば逆走していたというオチまでつけて、なんとか帰宅。
NEX-5Nのスウィング・パノラマ機能で撮影した森のホール21の写真。
松戸の、森のホール21という会場のリハーサル室。広いスペースに20人以上が集まっての合奏。本番はなんと70人規模になるらしい(笑)吹奏楽の合奏というのも久々で、そんな感覚を楽しんだ。リハーサルの後は八柱駅前のまいちゃ亭にて、Mさんご夫妻を交えて飲み!とても美味しい料理にたくさんの種類の焼酎、3時間飲み放題で3800円とは、なんと素晴らしいことか。いろいろとおしゃべりでき、楽しかったなあ。そして、久々に変な飲み方をしてしまった…。電車に乗ったところまでは良かったが、気がつけば逆走していたというオチまでつけて、なんとか帰宅。
NEX-5Nのスウィング・パノラマ機能で撮影した森のホール21の写真。
ラベル:
演奏
在ベルギー日本国大使館でのTsukubaSQ演奏予定
2012年7月9日、ベルギー・ブリュッセル市の在ベルギー日本大使館において、Tsukuba Saxophone Quartetでの演奏が決定した。7/10-7/15にイギリスのスコットランド・セント・アンドリューズで行われる世界サクソフォーン・コングレスの会期に合わせ、ベルギーでのもう一つの演奏機会を探していたのだが、なんと大使館との共催事業として演奏会を開く運びとなった。
演奏予定については、下記ページから。
http://www.be.emb-japan.go.jp/japanese/culture_j/event.html
我々にとってもうひとつ嬉しいのは、ベルギー在住のピアニスト、大宅裕さんと共演できることである。大変な名手であり、これまで何度か演奏を聴く機会があったのだが、お願いしたところご快諾いただいた。ありがたいことである。
まだ曲目等詳細については掲載されていないが、いろいろと決まり次第、追って情報を出していく予定。
演奏予定については、下記ページから。
http://www.be.emb-japan.go.jp/japanese/culture_j/event.html
我々にとってもうひとつ嬉しいのは、ベルギー在住のピアニスト、大宅裕さんと共演できることである。大変な名手であり、これまで何度か演奏を聴く機会があったのだが、お願いしたところご快諾いただいた。ありがたいことである。
まだ曲目等詳細については掲載されていないが、いろいろと決まり次第、追って情報を出していく予定。
ラベル:
情報
2012/04/27
Claude Delangle - Musique francaise pour Saxophones
クロード・ドゥラングル Claude Delangle教授のアルバムといえば、BISから出版されている一連のアルバムが有名だが、Vandorenから2枚出版され、しかもその両方とも素晴らしいことをご存知だろうか。特にオススメなのが、「Musique francaise pour Saxophones(Vandoren V 001)」である。もともとは、Chant du MondeからLDC 278 878という型番で出版されていたアルバムであり、再発モノなのだが、奇跡的な完成度を誇る盤として、多くの人に聴かれるべきだ。
Darius Milhaud - Scaramouche
André Jolivet - Fantaisie-impromptu
Florent Schmitt - Légende, op.66
Charles Koechlin - Etudes 1,2,3,8,10,13
Charles Koechlin - Epitaphe de Jean Harlow
Gabriel Pierne - Introduction et Variations sur une ronde populaire
Florent Schmitt - Quatuor, op.102
ピアノは奥様のオディール・ドゥラングル Odile Delangle女史、2曲だけ収録されている四重奏曲は、ドゥラングル教授がかつて結成していたカルテット、Quatuor Adolphe Sax(Claude Delangle, Jean Paul Fouchecourt, Bruno Totaro, Jacques Baguet)の演奏である。あの著名なオペラ歌手、フーシェクールがサクソフォンを吹いたアルバムとして、オペラファンかつ好事家も、手に入れておいて損はないことだろう。
一言で表すならば「耳を洗い直される」アルバムである。冒頭のダリウス・ミヨー「スカラムーシュ」を聴いてみよう。我々、いちクラシック・サクソフォン・ファンが「スカラムーシュ」と聴いた時に無意識に持つ「このくらいの速度、このくらいのテンション、このくらいの音色、このくらいの…」という一連の想定を、全て外してくる演奏なのである。そして、その外れた先が何物でもない、これこそが本当のスタンダードなのかもしれないと思わせてしまうのだから、すごい。パリ国立高等音楽院の教授に就任する2年前、1986年の録音である。21世紀に入ってからの録音と言われても、納得してしまうかもしれない。
すべての演奏曲目で、このクオリティを維持する。ケックランの「エチュード」など、間違いなく世界最高の演奏である。これ以上の演奏を、CDなり実演なりで聴いたことがない。ピアノパートも含めて、この解像感の高さは驚異的である。続いて演奏される「ジーン・ハーロウの墓碑銘」の甘いフルートの音色は、妙に甘ったるく、CDのなかではちょうど良い休憩ポイントとなる。
ピエルネとシュミット、サクソフォン四重奏の傑作2作品の演奏も、面白い。隅々までリハーサルを重ねた燻銀的な演奏。ヴィブラートのひとつひとつまでコントロールされている。まさかデファイエ四重奏団が現役の時代に、このような録音が世に出ていたとは…。ハバネラ四重奏団への直接的なリンクを感じる。
おそらく当時は異質だったと思われるこのスタイルの演奏だが、現代にあってはトレンドとなっている。世界中の多くの奏者が、ドゥラングル教授が創り上げ醸成したこの演奏スタイルに倣って、日々演奏しているのだ。そう考えると、何かとてつもないスケール感の大きさを感じないだろうか。この一枚のCDが、世界を(10年後に)席巻した原点となっているのだ。ドゥラングル教授は、もしかしたらそこまでも見据えて録音を作ったのかもしれない。原盤のレーベル名"Chant du Monde"というのもすごい名前だ(笑)。
国内での入手は難しいが、フランスのVandorenから安価に購入可能。
Darius Milhaud - Scaramouche
André Jolivet - Fantaisie-impromptu
Florent Schmitt - Légende, op.66
Charles Koechlin - Etudes 1,2,3,8,10,13
Charles Koechlin - Epitaphe de Jean Harlow
Gabriel Pierne - Introduction et Variations sur une ronde populaire
Florent Schmitt - Quatuor, op.102
ピアノは奥様のオディール・ドゥラングル Odile Delangle女史、2曲だけ収録されている四重奏曲は、ドゥラングル教授がかつて結成していたカルテット、Quatuor Adolphe Sax(Claude Delangle, Jean Paul Fouchecourt, Bruno Totaro, Jacques Baguet)の演奏である。あの著名なオペラ歌手、フーシェクールがサクソフォンを吹いたアルバムとして、オペラファンかつ好事家も、手に入れておいて損はないことだろう。
一言で表すならば「耳を洗い直される」アルバムである。冒頭のダリウス・ミヨー「スカラムーシュ」を聴いてみよう。我々、いちクラシック・サクソフォン・ファンが「スカラムーシュ」と聴いた時に無意識に持つ「このくらいの速度、このくらいのテンション、このくらいの音色、このくらいの…」という一連の想定を、全て外してくる演奏なのである。そして、その外れた先が何物でもない、これこそが本当のスタンダードなのかもしれないと思わせてしまうのだから、すごい。パリ国立高等音楽院の教授に就任する2年前、1986年の録音である。21世紀に入ってからの録音と言われても、納得してしまうかもしれない。
すべての演奏曲目で、このクオリティを維持する。ケックランの「エチュード」など、間違いなく世界最高の演奏である。これ以上の演奏を、CDなり実演なりで聴いたことがない。ピアノパートも含めて、この解像感の高さは驚異的である。続いて演奏される「ジーン・ハーロウの墓碑銘」の甘いフルートの音色は、妙に甘ったるく、CDのなかではちょうど良い休憩ポイントとなる。
ピエルネとシュミット、サクソフォン四重奏の傑作2作品の演奏も、面白い。隅々までリハーサルを重ねた燻銀的な演奏。ヴィブラートのひとつひとつまでコントロールされている。まさかデファイエ四重奏団が現役の時代に、このような録音が世に出ていたとは…。ハバネラ四重奏団への直接的なリンクを感じる。
おそらく当時は異質だったと思われるこのスタイルの演奏だが、現代にあってはトレンドとなっている。世界中の多くの奏者が、ドゥラングル教授が創り上げ醸成したこの演奏スタイルに倣って、日々演奏しているのだ。そう考えると、何かとてつもないスケール感の大きさを感じないだろうか。この一枚のCDが、世界を(10年後に)席巻した原点となっているのだ。ドゥラングル教授は、もしかしたらそこまでも見据えて録音を作ったのかもしれない。原盤のレーベル名"Chant du Monde"というのもすごい名前だ(笑)。
国内での入手は難しいが、フランスのVandorenから安価に購入可能。
ラベル:
CD
2012/04/25
Franco Donatoni - HOT
サクソフォンと室内オーケストラのための傑作というと、大抵の人はイベール「コンチェルティーノ・ダ・カメラ」を挙げることだろう。私もその意見には大いに賛成するところで、さて、それに次ぐ傑作は?というと、アンドレ・カプレの「伝説」や、ダリウス・ミヨーの怪作「世界の創造」といったところは当然として、その先はなかなか声があがらないのではないだろうか。
私が考えるサクソフォンと室内オーケストラのために書かれた優れた作品の一つとして、イタリアの作曲家、フランコ・ドナトーニ(1927 - 2000)の「Hot」を挙げたい。テナーサクソフォン&ソプラニーノサクソフォン持ち替え。バックの室内オーケストラは、クラリネット、トランペット、トロンボーン、ピアノ、パーカッション、ダブルベースという編成で、この並びだけ見れば、まるでジャズのコンボバンドのような印象を受けることだろう。…そして、楽想もまさにその通り、なのである。
数年前のサクソフォーン・フェスティバルで、板倉康明指揮東京シンフォニエッタがこの作品を日本初演したが(独奏は林田祐和)、その初演後に指揮の板倉氏が、「管理された即興」という言葉を使ってこの作品の有り様を表現している。すべての音は完全に楽譜上に書き付けられながら、まるで各奏者が即興演奏を披露しているかのような、音運びである。指揮者の存在が求められ、ライヴで演奏に接した際は、さらに強く「管理された」という印象を受けることだろう。終始一貫して固定されたパルスの上で、各楽器の旋律はシンコペーションや連符を多用して構築されており、その擦れが面白くもある。
フランスのサクソフォン奏者、ダニエル・ケンジー Daniel Kientzyが、Ensemble 2e2mとともに非常に優れた録音を残している。指揮はなんと、ポール・メファノ Paul Mefanoである。驚き。「管理された即興」というキーワードのうち、"管理"の要素を強く出すか"即興"の要素を強く出すかは、指揮者の手に委ねられていると思う。この録音は、私が今まで聴いた録音のなかで"即興"の要素が最も強いと感じる一枚だ。おそらく、ライヴ盤であること、が大きく関係していると思うのだが。楽曲の詳細な構造なんてなんのその、音楽全体の構造をざっくり捉えた後は、瞬間瞬間のスナップショット的興奮(まるでクリュイタンス指揮のラヴェル作品を聴いているみたいだ)と、テンションでもって、15分に及ぶ楽曲を一気に駆け抜ける。お見事。
最近Stradivariusレーベルが最近発売したドナトーニ作品集に、この「Hot」が収録されている。独奏はなんとマリオ・マルツィ!さっそく注文し、届くのが楽しみなのである。
私が考えるサクソフォンと室内オーケストラのために書かれた優れた作品の一つとして、イタリアの作曲家、フランコ・ドナトーニ(1927 - 2000)の「Hot」を挙げたい。テナーサクソフォン&ソプラニーノサクソフォン持ち替え。バックの室内オーケストラは、クラリネット、トランペット、トロンボーン、ピアノ、パーカッション、ダブルベースという編成で、この並びだけ見れば、まるでジャズのコンボバンドのような印象を受けることだろう。…そして、楽想もまさにその通り、なのである。
数年前のサクソフォーン・フェスティバルで、板倉康明指揮東京シンフォニエッタがこの作品を日本初演したが(独奏は林田祐和)、その初演後に指揮の板倉氏が、「管理された即興」という言葉を使ってこの作品の有り様を表現している。すべての音は完全に楽譜上に書き付けられながら、まるで各奏者が即興演奏を披露しているかのような、音運びである。指揮者の存在が求められ、ライヴで演奏に接した際は、さらに強く「管理された」という印象を受けることだろう。終始一貫して固定されたパルスの上で、各楽器の旋律はシンコペーションや連符を多用して構築されており、その擦れが面白くもある。
フランスのサクソフォン奏者、ダニエル・ケンジー Daniel Kientzyが、Ensemble 2e2mとともに非常に優れた録音を残している。指揮はなんと、ポール・メファノ Paul Mefanoである。驚き。「管理された即興」というキーワードのうち、"管理"の要素を強く出すか"即興"の要素を強く出すかは、指揮者の手に委ねられていると思う。この録音は、私が今まで聴いた録音のなかで"即興"の要素が最も強いと感じる一枚だ。おそらく、ライヴ盤であること、が大きく関係していると思うのだが。楽曲の詳細な構造なんてなんのその、音楽全体の構造をざっくり捉えた後は、瞬間瞬間のスナップショット的興奮(まるでクリュイタンス指揮のラヴェル作品を聴いているみたいだ)と、テンションでもって、15分に及ぶ楽曲を一気に駆け抜ける。お見事。
最近Stradivariusレーベルが最近発売したドナトーニ作品集に、この「Hot」が収録されている。独奏はなんとマリオ・マルツィ!さっそく注文し、届くのが楽しみなのである。
ラベル:
作品
2012/04/24
サキソフォックスの楽譜半額セール
Facebookのアルバムに、E 50mm/F1.8の練習用アルバムを作った。換算50mmをすっ飛ばして75mmとは冒険も甚だしいが、ハマった時の美しい画といったら!じっくり勉強していきたい。
----------
すっかり忘れてた…あと一時間しかないが、サキソフォックスを始めとする「音楽の絵本」の楽譜が、本日限定で半額セール中である。CDと楽譜の合わせ技、しかもこれだけ質の高いアレンジで、ここまでまとまったサクソフォンのためのポップス曲集は他に存在しないだろう。私自身(というか、Tsukuba Saxophone Quartet)も、どれだけこの楽譜に助けられていることか。
http://www.ongakunoehon.jp/
----------
すっかり忘れてた…あと一時間しかないが、サキソフォックスを始めとする「音楽の絵本」の楽譜が、本日限定で半額セール中である。CDと楽譜の合わせ技、しかもこれだけ質の高いアレンジで、ここまでまとまったサクソフォンのためのポップス曲集は他に存在しないだろう。私自身(というか、Tsukuba Saxophone Quartet)も、どれだけこの楽譜に助けられていることか。
http://www.ongakunoehon.jp/
ラベル:
楽譜
登録:
投稿 (Atom)

