2011/03/31

須々木由子さんのデニゾフ作品演奏

須々木由子さんより、洗足学園音楽大学大学院卒業で演奏したデニゾフ作品の録音を送っていただいた。卒業試験での優秀者には追加での演奏機会として「グランプリ演奏会」が与えられるそうなのだが、須々木さんは見事その機会を獲得したのだそうだ。以前このブログ上で論文を紹介したとおり、テーマはデニゾフ。サクソフォン界では最も有名であろう「アルトサクソフォンのためのソナタ」と、ドゥラングル教授のために書かれ、CDレコーディングも存在する「アルトサクソフォンとチェロのためのソナタ」が演奏されている。

「アルトサクソフォンとチェロのためのソナタ」は、ドゥラングル教授のBIS盤を聴いたことがあって、その自らをも手綱で抑えているかのような演奏からすると、あまりこの曲に興味をそそられなかったのだが、須々木さんの演奏を聴くと全然別の曲に聴こえてしまった。そうか、こういう曲だったのか、と。チェロと一触即発のセッション、という趣であり、勢いがあって、ダイナミックで、非常に感銘を受けた。しかも、ほぼノーミス。録音自体は客席から録ったような、音場の遠いものであるが、実際に会場で聴いたらもっと凄かったかもしれない。

「アルトサクソフォン・ソナタ」のほうは、第1楽章が時間の関係でカットされているのが残念…やはりこの曲は第1楽章から演奏されてこそだと思っている。というのも、第2楽章と第3楽章の演奏がこれまた素晴らしくて、数ある名演にも劣らないくらいなのだ。第1楽章の素晴らしさが想像できそう。

特にデニゾフの「アルトサクソフォン・ソナタ」について言える事だが、すでに作曲から40年(!)が経過し、すでに10年前には特殊奏法やフィンガリングの問題は完全に解決されたと言って良いだろう。「アルトサクソフォン・ソナタ」本作品の演奏は、次のステージに入ったのだ。すなわち、アカデミックで古典的な作品と同じように、完璧な技術を背景として、奏者がそれぞれの個性を出して、時代に残る名演を創りだしていく必要がある…と。須々木さんの演奏を聴いて、なぜかそんなことを再認識した。

2011/03/30

ご案内:第2回サクソフォン交流会

昨年に引き続き、第2回サクソフォン交流会を開催する。昨年は大成功のうちに終えることができたサクソフォン交流会だが、一年の間を空けて再び開催できることを嬉しく思う。今回もまた、西尾先生に、講評やラージアンサンブルの指導でご協力いただく。

アンサンブルは、昨年に引き続いて個性豊かな各団体の演奏が披露される。企画ステージは、「ラージアンサンブルレクチャーステージ」と題して、参加者全体を2グループにわけ、ゆっくりな曲/速い曲を、それぞれ30分ちょっとかけて、初合わせの状態からそれなりに演奏できる状態まで、西尾先生のレクチャーのもと進めていく、というもの。曲目も両極端で、どんなことになるのか想像もつかないが、楽しみだ。

地震の影響により、参加予定だったダッパーサクセーバーズさんとアレーズサクソフォンアンサンブルさんが不参加となってしまったのは残念だが、次回以降またご一緒できるのを楽しみにしていたい。

【第2回サクソフォン交流会】
日時:2011年4月30日(土曜) 12:00開場 12:30開演
会場:小松川さくらホール・多目的ホール(都営新宿線「東大島駅」徒歩10分)
料金:入場無料
プログラム:
各参加団体によるアンサンブルステージ
ラージアンサンブルレクチャーステージ
 →W.A.モーツァルト - "フィガロの結婚"序曲
 →O.レスピーギ - "リュートのための古風な舞曲とアリア"より
全体合奏
 →J.ヴァン=デル=ロースト/柏原卓之 - カンタベリー・コラール
参加団体(50音順):
Unknown Saxophone Quartet(東京)
カキツバタサクソフォンアンサンブル(愛知)
Saxofono Rosso(東京)
サクソフォンアンサンブル・なめら~か(神奈川)
THAT'S SAXOPHONE PHILHARMONY(東京)
しらこばと音楽団(埼玉)
Tsukuba Saxophone Quartet(茨城)
Duo Green Green(千葉)
Lion Saxophone Quartet(東京)
ラファンドゥモンド(東京)

チラシ画像:

2011/03/29

Christian Lauba's "Masai" on YouTube

クリスチャン・ロバの「Masai」という作品の演奏動画をYouTube上で発見した。アルトサクソフォンとバスクラリネットのためのデュエットで、知らない作品だった。それもそのはず、ロンデックスの2003年版目録を探したところ、リストされていなかった…つまり、比較的新しい作品だということだ。ロンデックスの目録にも数多くのロバの作品が紹介されているが、その後も順調にサクソフォンのための作品はその数を増やしていることが伺える。

クリスチャン・ロバの作品は、どれもが傑作である。われわれ、サクソフォンに取り組む向きとしては、良いレパートリーが増えることは大いに歓迎すべきであろう。

「Masai」の冒頭は、不意をつかれて日本的な響きから始まる。なんのことはない、ペンタトニックのを利用した"ごくごくありがちな"音世界であり、清水靖晃の「ペンタトニカ」でも聴いているような気分になるが、曲が進むにつれて短い即興的な走句や重音が出てくるのは、これこそロバ節!といったところだろう。また、曲全体が思わず踊りだしてしまいそうな愉悦感に溢れている。…ところで、中間部の不思議な動きは何なのだろうか(そういう楽譜の追い方をするように指定されているのかな?)。

演奏者は、タイのWisuwat Pruksavanich氏。以前、ドリーム・シアターの「Instrumedley」をサクソフォンで演奏した、という動画を紹介した。Pruksavanich氏は、特に現代作品への積極的な取り組みを行っているようだ。バスクラリネットは、Christhatai Paksama氏、とのこと。

2011/03/28

TsukubaSQの練習など

昨日は赤羽でTsukubaSQの練習。いつもは乗り換えのために通過する程度の駅だが、降りてみるとびっくり。池袋並…とまではいかないが、ずいぶんと賑やかな街でびっくりした。昨今の節電事情によりどうしても練習場所を見つけることができず、やむなくカラオケでの練習(いつ以来だろう?)。ちなみに今回ソプラノは不在。

サクソフォン交流会の曲(=ELPの「タルカス」)を中心に、あと5/22の演奏会の曲を少し。協会のコンクールがなくなったのは練習の進捗的にかなり痛くて、まだ「シャコンヌ」を通しで完成させられていないのだ。5/22の演奏会まで残り二ヶ月を切っている。ややペースが落ち気味だが、再度立て直して練習を加速しなければならない。懸案事項は練習に留まらず、なんとまだ「N.R.の肖像」が第1楽章しか来ていないのだ…。こちらも果たしてどうなることやら。

サクソフォン交流会のマネジメント、サクソフォニーの運営サイド活動、サクソフォーン協会誌関連の執筆等、さばかなければいけない案件も多く、これからの時期のフリータイムはサクソフォン関連に掛かり切りになりそうだ。ただ、こんな中でもブログは何にも増して優先度が高いため、更新が滞ることはあまりないと思う。

第3回JML国際コンクール参加者発表

本年、タイのマヒドン大学で開催予定である、第3回ジャン=マリー・ロンデックス国際サクソフォンコンクールの参加者が発表された。

http://www.adolphesax.com/index.php?option=com_content&view=category&id=99&Itemid=787&lang=es

アドルフ・サックス国際コンクールと違って、参加者の国籍が平坦化されているのが良いですね。またじっくりと見てみる予定だが、日本からの参加者が17人。参加者の名前を見てみると…わ!なんだか名前を知っている方ばかりだ。海外勢に関しては、新しく見る名前も多いが、この中からまた新たなスターが誕生すると思うと、ワクワクする。

課題曲含め、面白い経過を辿るであろう本コンクール。またまとめサイトなど作りながら、追っていきたい。

2011/03/26

Pluck Blow

発売からずいぶんと経ってしまったが、ジェラルド・マクリスタル Gerard McChrystal氏のサクソフォン×ギターのアルバム「Pluck Blow(Meridian Records CDE84546)」を入手した。以前mckenさんがご自身のブログ1000記事目で絶賛していたこともあり(3、4年前)ずっと欲しいと思っていたのだが、入手していなかった。最近、マクリスタル氏の参加CDをブログ上で紹介したことをきっかけに興味が再燃したのだ。金曜日の帰省直前にアパートに届き、速攻で携帯音楽プレーヤーに転送し、帰りの高速バスの中で聴いてきた。

「Pluck Blow」
Gerard McChrystal, saxophone
Craig Ogden, guitar
C.Farrell - The Shannon Suite
S.Greenbaum - Cloud Eight
A.Scott - Nemesis
G.Caffrey - Skipping
T.Davis - Incantation
B.Cowie - Romances
G.Caffrey - Pluck Blow
I.Wilson - Tern
I.Wilson - Icarus
U.Schultheiss - No Rest

サクソフォンとギターの組み合わせは、実に面白い。ギターの繊細な音色と、サクソフォンの自在な表現力の間に生まれる響きは、新鮮。そういえば、井上麻子さんと松尾俊介さんのライヴを聴いたこともあったが、そのときも充実した響きに感銘を受けたものだった。レパートリーは少なく、音量バランス的にも難しい部分が時々あると思ってしまうものだが、想像とはまったく違う響きが生まれる。

「Pluck Blow」では、演奏されている曲の面白さも手伝って、完成度の高いアルバムに仕上がっている。一曲目に置かれたファレルの「Shannon Suite」から、マクリスタル氏の美しい音色、そしてオグデン氏のテクニックに驚く。バランスは最適な状態で記録されており、サクソフォンとギターがせめぎ合う様子をリアルに感じ取ることができた。アンディ・スコット(ApolloSQのメンバーとしても有名)が作曲した「ネメシス」は、ロブ・バックランド「Towards the Light」ではピアノ、ビブラフォンとともに演奏されていた。少しミニマル風の、かっこいい作品であるが、これもギターでの演奏を聴くのは新鮮だった。

アルバムタイトルとなっている「Pluck Blow」や、最後に置かれた「No Rest」も、面白い。あまり知られていない曲の面白さを文章で伝えるのは限界があるので、マクリスタル氏のページのCD紹介ページへのリンクを張っておく。「No Rest」は試聴できるので、ぜひ聴いてみていただきたい。クレジットカードを使って購入も可能だ。

2011/03/25

実家へ

この週末は、所々の事情により実家へ戻って来ている。日曜日の昼間には東京へ戻る予定だ。戻ったあとは間髪入れずTSQ練習があるため、楽器と一緒に帰省中。