2009/10/31

練習とか次のこととか

明日の本番のための練習と、次の計画に向けての種まき。

練習から帰宅後、久々にメールを書きまくっている。次のことを考えられるってのは、今回の演奏会については運営などに携わっておらず、余裕があるせいかなあ。

【演奏会情報】 Espoir Saxophone Orchestra

ぎりぎりの告知になってしまった…。小編成アンサンブルステージで、アラン・ベルノーの「四重奏曲」の第1, 4楽章を吹いているほか、さりげなく(?)大編成の曲にも参加しています。いまさらだけど、大編成のステージの編曲者の面々、すごいなあ。

【Espoir Saxophone Orchestra 8th Regular Concert】
出演:Espoir Saxophone Orchestra、福井健太(指揮)
日時:2009年11月1日(日)13:30開演
会場:府中グリーンプラザけやきホール(京王線府中駅下車徒歩1分)
料金:入場無料
プログラム:
J.シュトラウス/圓田勇一 - 喜歌劇「こうもり」序曲
P.デュカス/中尾敦 - 交響詩「魔法使いの弟子」
C.サン=サーンス/佐藤尚美 - 交響詩「死の舞踏」
G.ビゼー/ミ・ベモルSE - 「アルルの女」第二組曲
小編成アンサンブルステージ
問い合わせ:espoir.sax@gmail.com

2009/10/30

ロンデックスとブロディの二重奏曲集

VMware上でUbuntuの仮想マシンを動かして遊んでいたら、いつの間にか時間が経っていた。昔に比べると、仮想マシンも快適に使えるようになったなあ。

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そういえばこんなCDもあったなと思って引っ張り出してきた。以前もブログで紹介したが、改めて聴いてみた。ジャン=マリー・ロンデックス Jean Marie Londeix氏とポール・ブロディ Paul Brodie氏の二重奏曲集。ロンデックスの名前はともかくとして、ポール・ブロディ氏の名前はあまり知られていないかもしれないが、1934年生まれ、カナダの黎明期~中期を代表するサクソフォン奏者の一人で、これまでに2500回に及ぶコンサートに出演し、「サクソフォン大使」の異名をとる。

この私が持っているCDは、LPの盤起こしをしたCD-Rなのだが、原盤出版元はなんとGolden Crest(1975年録音)で、おなじみの独特の残響を伴った音楽を楽しむことができる。ちなみにこのCD-R、なんとブロディ氏自身が復刻作業を行ったもので、以前eBayに出品されていたものを買った。たしか12ドルくらいだったかな。今は取り扱っていないようだが。

収録されているのは、テレマンのカノン風ソナタから4曲と、ルクレールのソナタから3曲。いずれもロンデックスが編曲したもので、Leducより出版されている。

テレマンは、曲によってアルト+テナー、ソプラノ+テナー、ソプラノ+アルトなどと持ち替えられており、なかなか楽しい。音色や美妙なニュアンスのコントロール、そして何より発音の美しさは、さすがにロンデックスに軍配が上がるが、ブロディもなかなか健闘していると思う。あと個人的には、ルクレールの緩叙楽章のゆったりとした雰囲気が好きだ。寄せては返す波に揺られているような心地になる。

どちらがどっち、ということをあまりあまり感じさせない(感じるけど)アンサンブルの妙に、この録音の価値があると思う。仲良いんだろうなあ。そうでもしなければ、フランス人とカナダ人がアメリカで録音セッションするなんていうインターナショナルな企画、実現しないだろう。

2009/10/29

Abato plays Façade

これも、島根県のF様に送っていただいた。ウィリアム・ウォルトン William Waltonの「Façade」は、イギリスの女流詩人エディット・シットウェル Edith Sitwellの詩に、ウォルトンが音楽をつけた作品。私にとっては「Façade」というと、どうしてもあの驚異的なシカゴ・プロ・ムジカの演奏(DONAXさんによるレビューはこちら)を思い出してしまうのだが、ここで演奏されているのは歌い手にHermione GingoldとRussell Oberlinを迎え、もとの詩をつけたバージョンである。演奏メンバーは、以下。

Thomas Dunn, conducter
Hermione Gingold, voix
Russell Oberlin, voix
John Solum, fl
Theodore Weis, trp
Charles Russo, cl&bscl
Vincent Abato, sax
Charles McCracken, vc
Harold Farberman, perc

シカゴ・プロ・ムジカ盤の演奏に慣れていると、どうも他の演奏を聴けなくなってしまうのが苦しいところだが(あの演奏の前においてはやむを得ないか笑)、雰囲気という点ではいかにも"エンターテイメント!"という趣に仕上がっており、ひとつの完成されたアルバムとして大変価値あるものだと思う。

男声パートであるRussell Oberlinの「アメリカン・エンターテイメントの一番美味しいところを持ってきました!」的な語り口は、これはもうある意味音楽や娯楽の「公理」みたいなもので、そのことについて文章として起こすのが憚られるほどの普遍的な楽しさを持っている。アバトのサクソフォンが、また良い味を出しているのだ。語りの2人と、インタープレイ的にアンサンブルを繰り広げるTango-Pasodobleなど、じっくり聴いてみると、その豊かな音楽にぞくぞくする。

完璧さを追求したシカゴ・プロ・ムジカ盤、楽しさを追求した本盤、という住み分けで聴くと、それぞれの良さが際立ってくるかもしれない。どちらが良いかは、お好みで。

2009/10/28

Abato plays Ibert, Glazounov

ヴィンセント・アバトが、イベールとグラズノフを吹いたというLPをトランスファーしていただいたもの。島根県のF様に送っていただいた。Nonesuch Rocordsというところから出版されたものであり、この録音が素晴らしいという話はたくさん聞くけれど、サクソフォン界では最高の名曲と言われるイベールにグラズノフということで、ミュール、ヌオー、デファイエ、ドゥラングルらが吹きこんだ録音と比べた時に正直どこまでの演奏であるのか予想がつかず、期待半分・不安半分で聴き始めた。が、これが期待を裏切る(?)ほどの素晴らしさで、これは紹介せねばと思った次第。

イベールは、まずオーケストラが良い!オーケストラの名前が明記されていないということは、録音のための寄せ集めのオーケストラなのだろうか。それにしては非常に統制がとれてすっきりした演奏であり、加えて爽快なスピード感も併せ持っているという、イベールのオーケストラとしては理想的な形なのではないだろうかと思った。アバトのサクソフォンは、さすがに急速楽章の技術的な難所では、やや苦労している点が見受けられるものの、これまた不思議と魅力ある演奏だ。

グラズノフは、こちらはサクソフォンの独奏が素晴らしい。今まで聴いた中でも、最高レベルに位置するものだと感じた。センスの良いヴィブラート、息の長いフレーズなど、これはもうアバトが持つ音楽的センスが最大限に生かされた独奏だろう。オーケストラは、ちょっと音程高めで明るい音だが、ためてほしい部分をスラスラと進んでしまって、そういう意味ではロシア音楽の様式として、やや不足な点があるのかなあと思う。それでも、レベルの高い演奏であることに間違いはない。

ジャケットも縮小コピーしていただいたので、演奏情報が読めるのだが、イベールはSylvan Shulmanという指揮者が、グラズノフはNorman Pickeringという指揮者が振っているようだ。録音年がわからなかったのだが、これはいつごろの演奏なのだろうか(ちなみにステレオ)。ヴィラ=ロボスの「ショーロスの形式による五重奏曲」とフルートとファゴットのための「ブラジル風バッハ第6番」が併録されている。LPの最後に進むにつれて、どんどんと編成が小さくなっていくというのも、なかなか面白い配置だ。

2009/10/27

Hans Richter - Filmstudie

Hans Richterの「Filmstudie」という1926年に制作されたサイレント映画がある。のちに、ダリウス・ミヨー「世界の創造」の序曲が付けられたということで、それだけでもちょっと驚きなのだが、しかもその付帯音楽となった録音(1932年)でサクソフォンを吹いているのが、かのマルセル・ミュールなのではないかという話がある。

フィルムは、Ubuwebというサイトから参照できるほか、YouTubeにもアップロードされている。目玉がフワフワと浮いたりしてちょっと不気味な内容だが、実験的な内容でなかなか面白い。

2009/10/26

La Escapada

なぜか、Molenaar EditionのことをMoleneer Editionと覚えていた…どこで間違えたんだろう。それはさておき、ジュリアン・プティ氏のアルバム第4弾。この記事で最後となる。

「La Escapada(Lyrinx LYR230)」という、サクソフォンとピアノで演奏されたアルバム。収録曲は、ファリャとかアルベニスとか、実にまっとうなクラシック音楽の小品たち。なのに、ジュリアン・プティという音楽家のすごさを知るには、このCD一枚だけでもこと足りてしまう。正攻法でいて、しかしそのベクトルがはるか雲の上に突き抜けてしまった、素晴らしい一枚。

普遍的なこと、普通であることを突き詰めていくのって、とても難しいと思う。北極星に向かって大砲を撃つようなもので、初速が足りなかったり、ほんの少し発射角がぶれてしまえば、最終的な狙いは目的地から外れたところになってしまうのだ。さまざまな条件が完璧である場合にのみ到達し得る境地…。

M.de Falla - La Vida Breve
M.de Falla - Suite populaire espagnole
H.Villa Lobos - Fantasia
I.Albeniz - Suite espagnole
F.Millet - La escapada

基本的にソプラノサクソフォンで演奏される。一曲目から、ファリャの「はかなき人生」のメロディがゆたかな弧を描く。上質で、耳当たりの良い澄んだワインのような音色が心地よい。技術的な難所であってもすらすらと進み、音色・音程はまったく破たんしないのは、見事というほかない。

ヴィラ=ロボスの「ファンタジア」を聴いている。隅々にまで神経が張り巡らされて、一音一音を、ここまで生き生きと演奏することが可能なのか!という驚き。音符ひとつを取り出したとしても、なんだか勝手に動き出しそうだ。高い技術は、みずみずしい音楽ただそのためだけに使われている、理想の形。

あー、自分のボキャブラリーが貧困なのが悔やまれるが、これは聴いてみてくださいとしか言えないなあ。vandorenscoresなどで買えるはずなので、お持ちでない方はぜひ。