服部吉之先生にお願いして、F.フェラン「PARSAX」のレッスンを受けてきた。服部先生は、ファブリス・モレティ氏、服部真理子さんとともに、かつてこの作品を国内初演されたのだ。
昨年、サミュエル・バーバー「思い出」のレッスンのために鎌倉のご自宅に伺って以来、かなりご無沙汰だったなあ。曲自体も短いし、それほど長い時間をみていただいたわけではなかったのだが、相変わらずの充実したレッスンだった。楽しかったー。以下、メモメモ。
・第1楽章:音の密度、最初8小節のパワー(生き生きと)、アクセンティッシモの扱い、スラーの終わりの八分音符は短く、恐れずに勇気を持って吹く、60からはドライに
・第2楽章:テンポ設定→盛り上がる部分、静かな部分とリンク、最後の部分
・第3楽章:メロディで引っ掛ける部分
・その他:立奏がかっこいい、服部先生1st&モレティ氏2nd→ジャンケンで決めたらしい、最初の音の発音を変える
----------
「今年もまたなんか書かない?」と言われたので、サクソフォーン協会報用に、まとまった記事を一つ作るかもしれません。既に考えているネタはいくつかあるのだが、何にしようかなー。締め切りは5月末か、よし。
2009/02/28
2009/02/27
リエゾンSE第1回定期演奏会
【リエゾン・サクソフォン・アンサンブル第1回定期演奏会】
出演:家田厚志(cond.)、野原みどり(pf.)、野原武伸(sn.sax.)、成田徹、持田崇(以上s.sax.)、貝沼拓実、佐藤梓、江原あずさ、伊藤あさぎ(a.sax.)、大栗司麻、島田和音、鈴木崇弘(以上t.sax.)、小山弦太郎、鈴木啓人、原博巳(以上b.sax.)、藤木貴行(bs.sax.)
日時:2009年2月27日(金曜)19:00開演
会場:浜離宮朝日ホール
プログラム:
W.A.モーツァルト - アイネ・クライネ・ナハトムジーク
E.グリーグ - ピアノ協奏曲(独奏:野原みどり)
M.ラヴェル - マ・メール・ロワ
E.グリーグ - 組曲"ホルベアの時代より"
~アンコール~
P.I.チャイコフスキー - "くるみ割り人形"よりトレパック
開演20分前にホールに入ったときは、なんだか「サックスの客」って感じではなくて、ちょっとご年配の音楽ファンというような趣の方が多く目についた。開演が近づくにつれ、ああ、いつもの方々だ~みたいな感じになっていったのだが。客席では、MJさんと並んで聴いた。
リエゾンSE。四重奏 or サックスオーケストラという編成に落ち着いてしまうサックス界にあって、珍しい編成のアンサンブルである。主宰は野原武伸氏で、総出演で指揮者つきのSnSSAAAATTTBBBBsという編成。チラシを見る限りは10重奏くらいだったと思ったのだが、どうやら14重奏くらいまでを想定しているということなのだろうか。チラシではテナーだった貝沼氏がアルト(!)のトップに移っていたり、なぜか伊藤あさぎさん(!)が乗っていたりと、想像していたのと少し違った。mckenさんが日記に書いていて思い出したのだが、そういえばリヨン音楽院のサクソフォンアンサンブルも似たような編成(指揮者つきの13重奏)だったはずだ。
演奏なのだが、このプログラム…「アイネ・クライネ」「グリーグのピアノ協奏曲」「マ・メール」「ホルベア」を並んで聴いてみると、もう野原みどりさんの圧勝って感じだ。スケール、オーラ、音色、フレージング、テクニックの全てにおいて、格が違う、どころか世界が、そして次元が違う、というほどのものでした。野原みどりさんが独奏を務めたグリーグの「ピアノ協奏曲」の曲中には、サクソフォンとピアノが絡む部分が何箇所かあるのだが、サックスだけ取り出してみると上手いのに、比べてみるとその差は歴然…。もの凄いピアニストであることは、良く分かっていたはずなのだが、こうして改めて聴く独奏は、想像をはるかに超えたものだった。サクソフォンを基準に考えてしまう自分の想像が、いかに貧弱であるか、ということを思い知らされた。
近年、野原みどりさんが共演するサクソフォンの演奏家といえば、たとえばドゥラングル教授とか原博巳さんといったところになるが、そういった世界トップレベルの人でなければ、このピアニストとはアンサンブルで等価な位置に立てないのではないかとも思った。あー…、サックスってやはりクラシック音楽の大海の中では、ごくごくマイナーな分野なのだなあ、と再認識。
まあ、そんなわけで、今も耳に残るのは野原みどりさんのピアノなのだが、さすがにそれだけではあんまりなので、いくつか感想を。指揮者を立ててのアンサンブルは、これはどうなるかと期待していたのだが、アンサンブルとしての方向性はやはり良い傾向が見られる。緩徐楽章でのフレーズの持続など、指揮者なしのアンサンブルでは絶対に達成できない演奏だ。また、弦楽器のような音の扱い方の、ベクトル一致は、これもオーケストラ指揮者ならではのものではないだろうか。そういえば、指揮者用譜面台のスコアはオーケストラのものを使用していたようだ(ホルベアでは、なんとミニアチュアスコアで振っていて、とても可笑しかった)。
サクソフォン陣営では、アルトのトップであった貝沼氏による、全体のアンサンブルの引き締めが印象深い。バスサクソフォンを演奏していた藤木氏も、理想的な発音と音色で個人的に好印象。さらに、「マ・メール・ロワ」で出現する大栗司麻さんや伊藤あさぎさんの独奏と、「ホルベア」での原さんの独奏がアンサンブルに華を添えていた。2ndや3rdでも、やはり聴こえる部分が印象的に聴こえてくるのは、さすがというべきか。「ピアノ協奏曲」以外では、最後に演奏された「ホルベア」が良かった。というか、最もコンパクトな響きで、やはりこの曲は管楽器と相性が良いことを再確認した次第。
なんか、個人的にいろいろとショックを受けたりと、考えることの多い演奏会ではあったが、リエゾンSEは、これまでになかった方向性の団体として、大変注目すべきものだと思う。今後どのような方向に進んでいくのか、楽しみにしたい。
出演:家田厚志(cond.)、野原みどり(pf.)、野原武伸(sn.sax.)、成田徹、持田崇(以上s.sax.)、貝沼拓実、佐藤梓、江原あずさ、伊藤あさぎ(a.sax.)、大栗司麻、島田和音、鈴木崇弘(以上t.sax.)、小山弦太郎、鈴木啓人、原博巳(以上b.sax.)、藤木貴行(bs.sax.)
日時:2009年2月27日(金曜)19:00開演
会場:浜離宮朝日ホール
プログラム:
W.A.モーツァルト - アイネ・クライネ・ナハトムジーク
E.グリーグ - ピアノ協奏曲(独奏:野原みどり)
M.ラヴェル - マ・メール・ロワ
E.グリーグ - 組曲"ホルベアの時代より"
~アンコール~
P.I.チャイコフスキー - "くるみ割り人形"よりトレパック
開演20分前にホールに入ったときは、なんだか「サックスの客」って感じではなくて、ちょっとご年配の音楽ファンというような趣の方が多く目についた。開演が近づくにつれ、ああ、いつもの方々だ~みたいな感じになっていったのだが。客席では、MJさんと並んで聴いた。
リエゾンSE。四重奏 or サックスオーケストラという編成に落ち着いてしまうサックス界にあって、珍しい編成のアンサンブルである。主宰は野原武伸氏で、総出演で指揮者つきのSnSSAAAATTTBBBBsという編成。チラシを見る限りは10重奏くらいだったと思ったのだが、どうやら14重奏くらいまでを想定しているということなのだろうか。チラシではテナーだった貝沼氏がアルト(!)のトップに移っていたり、なぜか伊藤あさぎさん(!)が乗っていたりと、想像していたのと少し違った。mckenさんが日記に書いていて思い出したのだが、そういえばリヨン音楽院のサクソフォンアンサンブルも似たような編成(指揮者つきの13重奏)だったはずだ。
演奏なのだが、このプログラム…「アイネ・クライネ」「グリーグのピアノ協奏曲」「マ・メール」「ホルベア」を並んで聴いてみると、もう野原みどりさんの圧勝って感じだ。スケール、オーラ、音色、フレージング、テクニックの全てにおいて、格が違う、どころか世界が、そして次元が違う、というほどのものでした。野原みどりさんが独奏を務めたグリーグの「ピアノ協奏曲」の曲中には、サクソフォンとピアノが絡む部分が何箇所かあるのだが、サックスだけ取り出してみると上手いのに、比べてみるとその差は歴然…。もの凄いピアニストであることは、良く分かっていたはずなのだが、こうして改めて聴く独奏は、想像をはるかに超えたものだった。サクソフォンを基準に考えてしまう自分の想像が、いかに貧弱であるか、ということを思い知らされた。
近年、野原みどりさんが共演するサクソフォンの演奏家といえば、たとえばドゥラングル教授とか原博巳さんといったところになるが、そういった世界トップレベルの人でなければ、このピアニストとはアンサンブルで等価な位置に立てないのではないかとも思った。あー…、サックスってやはりクラシック音楽の大海の中では、ごくごくマイナーな分野なのだなあ、と再認識。
まあ、そんなわけで、今も耳に残るのは野原みどりさんのピアノなのだが、さすがにそれだけではあんまりなので、いくつか感想を。指揮者を立ててのアンサンブルは、これはどうなるかと期待していたのだが、アンサンブルとしての方向性はやはり良い傾向が見られる。緩徐楽章でのフレーズの持続など、指揮者なしのアンサンブルでは絶対に達成できない演奏だ。また、弦楽器のような音の扱い方の、ベクトル一致は、これもオーケストラ指揮者ならではのものではないだろうか。そういえば、指揮者用譜面台のスコアはオーケストラのものを使用していたようだ(ホルベアでは、なんとミニアチュアスコアで振っていて、とても可笑しかった)。
サクソフォン陣営では、アルトのトップであった貝沼氏による、全体のアンサンブルの引き締めが印象深い。バスサクソフォンを演奏していた藤木氏も、理想的な発音と音色で個人的に好印象。さらに、「マ・メール・ロワ」で出現する大栗司麻さんや伊藤あさぎさんの独奏と、「ホルベア」での原さんの独奏がアンサンブルに華を添えていた。2ndや3rdでも、やはり聴こえる部分が印象的に聴こえてくるのは、さすがというべきか。「ピアノ協奏曲」以外では、最後に演奏された「ホルベア」が良かった。というか、最もコンパクトな響きで、やはりこの曲は管楽器と相性が良いことを再確認した次第。
なんか、個人的にいろいろとショックを受けたりと、考えることの多い演奏会ではあったが、リエゾンSEは、これまでになかった方向性の団体として、大変注目すべきものだと思う。今後どのような方向に進んでいくのか、楽しみにしたい。
2009/02/26
ご紹介:ボクノオンガク
このブログdiary.kuri_saxoでは、いわゆる「クラシックの名曲」についてはあまり扱っていない。自分自身がCDを持っておらず、あまり聴かないということもあるし、何よりクラシックの名曲について語るには、語彙が貧弱すぎるからだ。すでに語りつくされたものを再度紹介しなおすことは、なかなか困難が伴う。
で、今回ご紹介するブログは、大学の吹奏楽団の後輩のブログなのであるが、そのクラシックの名曲を一記事に一つずつ紹介しているというもの。
ボクノオンガク
すでに40ほどの記事がアップされているが、一つ一つのエントリーが秀逸で、どの記事を読んでも、「この曲聴きたい!」とか、「もう一回聴いてみよう!」と思うこと幾度。しっかり聴いたことのない曲の記事も良いけど、個人的には知っている曲の記事が好きですね。そんな聴き方があったんだ!みたいな。ある曲の魅力を独自の観点から引き出し、文章として上手く表現していく様は、見事と言うほかない。
そんな私は、「ラ・ヴァルス」の記事を読みながらクリュイタンス×ソシエテのラヴェル管弦楽曲全集を聴いているところ。目覚めにラヴェル、なんとも贅沢…。
で、今回ご紹介するブログは、大学の吹奏楽団の後輩のブログなのであるが、そのクラシックの名曲を一記事に一つずつ紹介しているというもの。
ボクノオンガク
すでに40ほどの記事がアップされているが、一つ一つのエントリーが秀逸で、どの記事を読んでも、「この曲聴きたい!」とか、「もう一回聴いてみよう!」と思うこと幾度。しっかり聴いたことのない曲の記事も良いけど、個人的には知っている曲の記事が好きですね。そんな聴き方があったんだ!みたいな。ある曲の魅力を独自の観点から引き出し、文章として上手く表現していく様は、見事と言うほかない。
そんな私は、「ラ・ヴァルス」の記事を読みながらクリュイタンス×ソシエテのラヴェル管弦楽曲全集を聴いているところ。目覚めにラヴェル、なんとも贅沢…。
ラベル:
メディア
2009/02/24
Leduc Price List
これは、イィンドジフ・フェルド「サクソフォン四重奏曲」の楽譜のトビラ。この表紙は、サクソフォンをやっている方にはおなじみの、Alphonese Leduc社刊のものである。この、右下に記載されている「Réf: CD」の刻印が、楽譜の値段の指標になっている…という話は、以前書いた。Aから始まり、A→B→C→…→AA→AB→AC→…という風に、どんどんと値段が上がっていく。明確に「~ユーロ」「~ドル」と書いてしまうと、価値の変動に対応しきれない部分があるということなのだろう。そんなわけで、アルファベットに応じて値段が決まっているのだが、対応表の一例を入手した。2009年1月のやつだそうです。たぶんこれは、アメリカの卸売業者であるRobert King, Inc.が輸入して、アメリカ国内で売るときの値段だと思う。これを見るとわかるとおり、単純にアルファベットが大きければ大きいほど値段が高いというわけではなく、何度か折り返しがあるようだ。面白いですね。
御用とお急ぎでない方は、ぜひお手元のAlphonse Leduc社刊の楽譜と、この対応表を見比べてみてください。
ラベル:
楽譜
2009/02/23
Vent de Sax
Alphonse Leduc、というかRobert King, Inc.からダイレクトメールが届いて、何だろうなと思っていたら、新しい楽譜シリーズ発売のお知らせだった。「Vent de Sax」という、フランスの作曲家の新作を中心に取り上げたコレクション。ちょっと解説を読んでみよう。
これは、すべてのレベルのサクソフォン奏者のためにリリースされた、楽譜コレクションです。「Vent de Sax」では様々な作曲家の多様な作品を取り上げましたが、それらに一貫して言えるのは、今日サックス界で注目の的となっているタイプの音楽だ、ということです。/本コレクションは、まさにフランス音楽界のポートレイトだと言って良いでしょう。コンサート、フェスティバル、テレビなどで聴かれ、内容もセリーから、ジャズ、スペクトラル、ミュージック・コンクレートまで様々です。もちろん、即興を含むものもあります。/表紙の色が、楽譜のレベルを表しています(易しい←黄、青、赤、黒→難しい)。
ナンシー地方音楽院教授 Claude Georgel
ということで、新作の楽譜集なのだが、内容がかなり面白そうだ。フラグシップとなる編成は、「Saxophone et dispositif électroacoustique (avec CD)」ということで、つまりサクソフォンとテープまたはエレクトロニクスのための作品なのだ!以下、初期リリースのリストである。
Claude Barthélémy
- Le Dos des caïmans
- Gazebo
- Okawati's
- Ubud
Tomás Gubitsch
- ...And yet
- Des bords déments
- Clair-obscur
- Pour mémoire...
Jean Claude Risset
- Diptère
- Distyle
- Reprises
- Rumeur
- Saxatile
- Saxtractor
François Rossé
- Kanente
- Prélude à Kanente
ここまでが、すべてサクソフォンとエレクトロニクスのための作品。トーマス・ギュビッチという作曲家の名前は聴いたことがないが、プログレも演奏してしまうギタリストしての顔も持っているそうで、公式ページからたどれる作品は、なかなか面白い。これは、期待できそうだ。他の編成の作品は、次の通り。
François Rossé
- Jonction (Saxophone and Piano)
Claude Georgel
- Aiguille rouge (Saxophone Solo)
- Rivage pâle (Saxophone Solo)
Betsy Jolas
- Allô (Saxophone Duo)
- Oh là (Saxophone Duo)
- Scat (Saxophone Duo)
- Walking ground (Saxophone Duo)
Georges Aperghis
- Jeu à quatre (Saxophone Quartet)
Jean Louis Chautemps
- Carré de quatuors (Saxophone Quartet)
四重奏としてリリースされた作品の作曲者は、二人とも名前を知らない…。ベッツィー・ヨラスは無伴奏テナーのための「エピソード第4番」等で有名ですね。フランソワ・ロセは言わずもがな。
さて、この「Vent de Sax」だが、標準編成の作品群ももちろんだが、サクソフォンとエレクトロニクスという編成になるCD付きの楽譜が、とにかく面白そうだ。今まで、こういったサクソフォンとエレクトロニクスの作品を演奏しようとするときは、楽譜は大手出版社から出ているケースが多いものの、演奏に必要な肝心のエレクトロニクスパートの入手に関しては、直接作曲家にコンタクトしなければならない場合がほとんどだった。この状況は、サクソフォンとエレクトロニクスの作品の演奏の敷居を高め、ちょっと興味のある奏者がエレクトロニクス作品に取り組む際のハードルを上げていた。
だが今回リリースされたコレクションは、そういった状況を打破する可能性がある。なんせ、最大手と言っても過言ではないAlphonse Leduc社からの出版であり、しかも楽譜にエレクトロニクスパートが添付されているのだ!なんと、すでにアクタス等でも取り扱いを開始しているようである。買って、練習して、とりあえずラジカセでエレクトロニクスパートをかければ演奏できてしまう、というお手軽さが良い。もしかしたら、作品の中にはマイクやコンピュータが必要なのもあるかもしれないが…。
あとはあれだな、実際に作品が「面白い」かどうかということ、そして、できればこのコレクションを収めたCDをリリースしてほしい、というところが課題ではないだろうか。これらのリストの作品としての面白さは、このシリーズに作品が増えるかどうかに関わってくると思うし、CDは興味を持つきっかけとしての意味が大きくなるのだろう。
これは、すべてのレベルのサクソフォン奏者のためにリリースされた、楽譜コレクションです。「Vent de Sax」では様々な作曲家の多様な作品を取り上げましたが、それらに一貫して言えるのは、今日サックス界で注目の的となっているタイプの音楽だ、ということです。/本コレクションは、まさにフランス音楽界のポートレイトだと言って良いでしょう。コンサート、フェスティバル、テレビなどで聴かれ、内容もセリーから、ジャズ、スペクトラル、ミュージック・コンクレートまで様々です。もちろん、即興を含むものもあります。/表紙の色が、楽譜のレベルを表しています(易しい←黄、青、赤、黒→難しい)。
ナンシー地方音楽院教授 Claude Georgel
ということで、新作の楽譜集なのだが、内容がかなり面白そうだ。フラグシップとなる編成は、「Saxophone et dispositif électroacoustique (avec CD)」ということで、つまりサクソフォンとテープまたはエレクトロニクスのための作品なのだ!以下、初期リリースのリストである。
Claude Barthélémy
- Le Dos des caïmans
- Gazebo
- Okawati's
- Ubud
Tomás Gubitsch
- ...And yet
- Des bords déments
- Clair-obscur
- Pour mémoire...
Jean Claude Risset
- Diptère
- Distyle
- Reprises
- Rumeur
- Saxatile
- Saxtractor
François Rossé
- Kanente
- Prélude à Kanente
ここまでが、すべてサクソフォンとエレクトロニクスのための作品。トーマス・ギュビッチという作曲家の名前は聴いたことがないが、プログレも演奏してしまうギタリストしての顔も持っているそうで、公式ページからたどれる作品は、なかなか面白い。これは、期待できそうだ。他の編成の作品は、次の通り。
François Rossé
- Jonction (Saxophone and Piano)
Claude Georgel
- Aiguille rouge (Saxophone Solo)
- Rivage pâle (Saxophone Solo)
Betsy Jolas
- Allô (Saxophone Duo)
- Oh là (Saxophone Duo)
- Scat (Saxophone Duo)
- Walking ground (Saxophone Duo)
Georges Aperghis
- Jeu à quatre (Saxophone Quartet)
Jean Louis Chautemps
- Carré de quatuors (Saxophone Quartet)
四重奏としてリリースされた作品の作曲者は、二人とも名前を知らない…。ベッツィー・ヨラスは無伴奏テナーのための「エピソード第4番」等で有名ですね。フランソワ・ロセは言わずもがな。
さて、この「Vent de Sax」だが、標準編成の作品群ももちろんだが、サクソフォンとエレクトロニクスという編成になるCD付きの楽譜が、とにかく面白そうだ。今まで、こういったサクソフォンとエレクトロニクスの作品を演奏しようとするときは、楽譜は大手出版社から出ているケースが多いものの、演奏に必要な肝心のエレクトロニクスパートの入手に関しては、直接作曲家にコンタクトしなければならない場合がほとんどだった。この状況は、サクソフォンとエレクトロニクスの作品の演奏の敷居を高め、ちょっと興味のある奏者がエレクトロニクス作品に取り組む際のハードルを上げていた。
だが今回リリースされたコレクションは、そういった状況を打破する可能性がある。なんせ、最大手と言っても過言ではないAlphonse Leduc社からの出版であり、しかも楽譜にエレクトロニクスパートが添付されているのだ!なんと、すでにアクタス等でも取り扱いを開始しているようである。買って、練習して、とりあえずラジカセでエレクトロニクスパートをかければ演奏できてしまう、というお手軽さが良い。もしかしたら、作品の中にはマイクやコンピュータが必要なのもあるかもしれないが…。
あとはあれだな、実際に作品が「面白い」かどうかということ、そして、できればこのコレクションを収めたCDをリリースしてほしい、というところが課題ではないだろうか。これらのリストの作品としての面白さは、このシリーズに作品が増えるかどうかに関わってくると思うし、CDは興味を持つきっかけとしての意味が大きくなるのだろう。
ラベル:
楽譜
2009/02/22
【ご案内】Tsukuba Saxophone Quartet - SAXOPHONE CONCERT Vol.3
ぼちぼち近づいてきたので、告知しておきます。おそらく、つくばでは最後の演奏会となります。今回は、マスランカの傑作「レシテーション・ブック」をメインに据えています。また、フルート奏者の渡瀬英彦先生をお迎えし、マルチェロの協奏曲を演奏いたします。
…なんか3/14て、各地でいろいろと演奏会が重なっているようですが、ぜひお越しください!下に掲載したチラシは、クリックして拡大できます。
【Tsukuba Saxophone Quartet - SAXOPHONE CONCERT Vol.3】
日時:2009年3月14日(土)
会場:つくば市アルスホール
開場19:15 開演19:30
入場無料
客演:渡瀬英彦(フルート奏者)
G.ロッシーニ - チェロとコントラバスのための二重奏曲
M.ブンス - ウォーターウィングス(日本初演)
A.マルチェロ/波多江史朗 - 協奏曲(独奏:渡瀬英彦)
D.マスランカ - レシテーション・ブック 他
問い合わせ:
http://tsukubasaxophone.blog51.fc2.com/
kuri_saxo@yahoo.co.jp
…なんか3/14て、各地でいろいろと演奏会が重なっているようですが、ぜひお越しください!下に掲載したチラシは、クリックして拡大できます。
【Tsukuba Saxophone Quartet - SAXOPHONE CONCERT Vol.3】
日時:2009年3月14日(土)
会場:つくば市アルスホール
開場19:15 開演19:30
入場無料
客演:渡瀬英彦(フルート奏者)
G.ロッシーニ - チェロとコントラバスのための二重奏曲
M.ブンス - ウォーターウィングス(日本初演)
A.マルチェロ/波多江史朗 - 協奏曲(独奏:渡瀬英彦)
D.マスランカ - レシテーション・ブック 他
問い合わせ:
http://tsukubasaxophone.blog51.fc2.com/
kuri_saxo@yahoo.co.jp
ラベル:
情報
2009/02/21
第16回東京藝術大学サクソフォーン専攻生による演奏会
去年に引き続き、伺ったのは2度目。当日券もほとんど出ないほどの満員で、客席は中高生、音大生、プロ奏者、といったところが大半を占める。私の個人的なお知り合いの方も、何人もいらしていた。
【第16回東京藝術大学サクソフォーン専攻生による演奏会】
出演:東京藝大サクソフォーン専攻生
日時:2008年2月20日(金)18:30開演
場所:川口総合文化センターリリア音楽ホール
プログラム:
F.プーランク - トリオ(sax:佐藤琴美、須永和宏、pf:吉武優)
C.パスカル - 四重奏曲(sax:塩入幸恵、横山美優、三浦夢子、本堂誠)
松岡大[示右] - トゥリアエズ(sax:石橋梓、鈴木崇弘、高橋陽香、田中拓也、福田享、丸場慶人)
H.トマジ/柏原卓之 - バラード(sax solo:角口圭都、cond:池上政人、sax orch:高橋陽香、石橋梓、寺田麗美、細川紘希、福田享、横山美優、鈴木崇弘、須永和宏、三浦夢子、丸場慶人、田中拓也、本堂誠、harp:逸見美帆子)
~休憩~
K.シュトックハウゼン - 少年のデュエット(sax:佐藤淳一、田村哲)
N.ブルグミュラー - 二重奏曲(sax:依藤大樹、pf:城綾乃)
G.リゲティ - 6つのバガテル(sax:伊藤あさぎ、細川紘希、寺田麗美、大石俊太郎)
M.ラヴェル/ミ・ベモルSE - クープランの墓(cond:池上政人、sax:総出演)
~アンコール~
J.マティシア - 悪魔のラグ Devil's Rag
理由はよくわからないのだが、去年よりも印象深かったなー。客席の沸き方も明らかに違うし、一つ一つのグループが上手いだけではなくそれぞれ個性的で、それぞれの演奏者の吹き方や衣装や表情を、一日経った今でもはっきりと思い出すことができるほどだ。気取らない、着飾らない演奏で、奏者の「地」がより強く出たのかな?聴いていた位置のせいもあるかも知れない(今回は前方中央ブロックの最後列、前回はけっこう後ろのほう)。
プーランク、ソプラノの音色もテナーの音色もホレボレしてしまうほどだし、2本の楽器がユニゾンで奏でる部分の、幸福感に満ち溢れた感じとか、いいなあ。あ、佐藤琴美さんの衣装が非常にかわいらしかったです(笑)。女性陣は、衣装や髪型に気合が入っていらっしゃって、どなたも素敵でした。パスカル、比較的若いメンバーで固められた四重奏で、ああ、まだ入学して1年なんだなあ、というちょっと垢抜けない感じのサウンド。それでも、テクニカルな面は余裕でクリアしており、さすがだ。ところどころ出現する和声とか、ビート感を上手くコントロールしていく様が見事だった。第1楽章が印象に残っている。
松岡大[示右(←しめすへんに、みぎ)]氏の作曲による「トゥリアエズ」。ソプラノとバリトンがそれぞれ2本ずつ、アルトとテナーがそれぞれ1本という編成の、3つの楽章から成る作品。実に面白い作品だった!特殊奏法を随所に使用しながら、極端にユーモラスな音世界を表現しており、これは普通のサクソフォンのアンサンブルとして聴いてみたい/演奏してみたいと思える。演奏も、なんだか楽譜そのまんまのユーモアに溢れた、完全に乗り切ったプレイで、奏者の作品に対する共感度が高いのだろうなと思った。委嘱が上手くいった好例だったと思う。
トマジ。真っ赤なドレスで現れた角口圭都さん、柏原卓之氏の編曲と池上政人氏のタクト、そしてSn.からBs.までの学部生によるサックスオケ(ハープ入り)という、最強のバックアップを得て、ある時は一音一音を慈しむように吹き、またある時はのびやかにフレーズを歌ってゆく姿が、とても印象的だった。角口さんの、演奏できる幸せをかみしめているような音には、なんというか、理屈抜きの感動を味わいました。一緒に連れ立って行った後輩たちも、とても驚いていたようだ。それにしても、こうして聴いてみると「バラード」って、実にロマンティックな曲だ。
休憩をはさんで、シュトックハウゼン。川口リリアの音楽ホールは、ステージ上方にパイプオルガン奏者のための高台があるのだが、なんとその場所を使用して演奏された!真っ白な衣装で登場した2人に、スミレ色のライトが当たった状態で演奏される「少年のデュエット」。ちょっとトリップしそうになりました。それにしても、あんな離れた位置から、どうやって合わせているんだろうか。意外とアンサンブルしやすいのかな?曲が終わった後の、客席のざわつきが面白かった。
ブルグミュラーは、ピアノの教則本でも有名なヨハン・ブルグミュラーの弟、ノルベルト・ブルグミュラーの手によるクラリネットとピアノのための作品。ロマン派音楽の典型な、甘いメロディに満ち溢れた作品で…いやあ、こんな作品があるんだなあ。ピアノとサクソフォンの、アンサンブルの妙を楽しむことができた。
「6つのバガテル」…出版されているのか!という驚き。ハバネラSQバージョンではなく、Schott社から出版されているのだと。へえ~。第1楽章こそ「?」という感じだったのだが、楽章が進むにつれてぐっと惹き込まれてきて、第4~5楽章あたりから最後にかけてはまさに圧巻だった。そもそも、響きのコントロールの仕方が根本的に違うのだろうか。場面々々によって、会場に響く音がまったく違って聴こえてくるのだ。面白いな。
で、最後は「クープランの墓」ですよ。自分たちでもやったことがあって、この曲のこの編曲の難しさは重々承知しているため、よけいに驚いた。こりゃすごいや。「プレリュード」とか、なんであんな風に軽々と吹けるのだろうか(苦笑)。いやはや~。アンコールは、マティシアの、原曲はピアノとサックスのための作品を、そのままオーケストラの編成で演奏して終演(最後に盛大なオチがついていた笑)。いやー、面白かった。終演後は後輩たちと東京に出て、ラーメンをおごらされ(?)、そのまま帰途についた。
【第16回東京藝術大学サクソフォーン専攻生による演奏会】
出演:東京藝大サクソフォーン専攻生
日時:2008年2月20日(金)18:30開演
場所:川口総合文化センターリリア音楽ホール
プログラム:
F.プーランク - トリオ(sax:佐藤琴美、須永和宏、pf:吉武優)
C.パスカル - 四重奏曲(sax:塩入幸恵、横山美優、三浦夢子、本堂誠)
松岡大[示右] - トゥリアエズ(sax:石橋梓、鈴木崇弘、高橋陽香、田中拓也、福田享、丸場慶人)
H.トマジ/柏原卓之 - バラード(sax solo:角口圭都、cond:池上政人、sax orch:高橋陽香、石橋梓、寺田麗美、細川紘希、福田享、横山美優、鈴木崇弘、須永和宏、三浦夢子、丸場慶人、田中拓也、本堂誠、harp:逸見美帆子)
~休憩~
K.シュトックハウゼン - 少年のデュエット(sax:佐藤淳一、田村哲)
N.ブルグミュラー - 二重奏曲(sax:依藤大樹、pf:城綾乃)
G.リゲティ - 6つのバガテル(sax:伊藤あさぎ、細川紘希、寺田麗美、大石俊太郎)
M.ラヴェル/ミ・ベモルSE - クープランの墓(cond:池上政人、sax:総出演)
~アンコール~
J.マティシア - 悪魔のラグ Devil's Rag
理由はよくわからないのだが、去年よりも印象深かったなー。客席の沸き方も明らかに違うし、一つ一つのグループが上手いだけではなくそれぞれ個性的で、それぞれの演奏者の吹き方や衣装や表情を、一日経った今でもはっきりと思い出すことができるほどだ。気取らない、着飾らない演奏で、奏者の「地」がより強く出たのかな?聴いていた位置のせいもあるかも知れない(今回は前方中央ブロックの最後列、前回はけっこう後ろのほう)。
プーランク、ソプラノの音色もテナーの音色もホレボレしてしまうほどだし、2本の楽器がユニゾンで奏でる部分の、幸福感に満ち溢れた感じとか、いいなあ。あ、佐藤琴美さんの衣装が非常にかわいらしかったです(笑)。女性陣は、衣装や髪型に気合が入っていらっしゃって、どなたも素敵でした。パスカル、比較的若いメンバーで固められた四重奏で、ああ、まだ入学して1年なんだなあ、というちょっと垢抜けない感じのサウンド。それでも、テクニカルな面は余裕でクリアしており、さすがだ。ところどころ出現する和声とか、ビート感を上手くコントロールしていく様が見事だった。第1楽章が印象に残っている。
松岡大[示右(←しめすへんに、みぎ)]氏の作曲による「トゥリアエズ」。ソプラノとバリトンがそれぞれ2本ずつ、アルトとテナーがそれぞれ1本という編成の、3つの楽章から成る作品。実に面白い作品だった!特殊奏法を随所に使用しながら、極端にユーモラスな音世界を表現しており、これは普通のサクソフォンのアンサンブルとして聴いてみたい/演奏してみたいと思える。演奏も、なんだか楽譜そのまんまのユーモアに溢れた、完全に乗り切ったプレイで、奏者の作品に対する共感度が高いのだろうなと思った。委嘱が上手くいった好例だったと思う。
トマジ。真っ赤なドレスで現れた角口圭都さん、柏原卓之氏の編曲と池上政人氏のタクト、そしてSn.からBs.までの学部生によるサックスオケ(ハープ入り)という、最強のバックアップを得て、ある時は一音一音を慈しむように吹き、またある時はのびやかにフレーズを歌ってゆく姿が、とても印象的だった。角口さんの、演奏できる幸せをかみしめているような音には、なんというか、理屈抜きの感動を味わいました。一緒に連れ立って行った後輩たちも、とても驚いていたようだ。それにしても、こうして聴いてみると「バラード」って、実にロマンティックな曲だ。
休憩をはさんで、シュトックハウゼン。川口リリアの音楽ホールは、ステージ上方にパイプオルガン奏者のための高台があるのだが、なんとその場所を使用して演奏された!真っ白な衣装で登場した2人に、スミレ色のライトが当たった状態で演奏される「少年のデュエット」。ちょっとトリップしそうになりました。それにしても、あんな離れた位置から、どうやって合わせているんだろうか。意外とアンサンブルしやすいのかな?曲が終わった後の、客席のざわつきが面白かった。
ブルグミュラーは、ピアノの教則本でも有名なヨハン・ブルグミュラーの弟、ノルベルト・ブルグミュラーの手によるクラリネットとピアノのための作品。ロマン派音楽の典型な、甘いメロディに満ち溢れた作品で…いやあ、こんな作品があるんだなあ。ピアノとサクソフォンの、アンサンブルの妙を楽しむことができた。
「6つのバガテル」…出版されているのか!という驚き。ハバネラSQバージョンではなく、Schott社から出版されているのだと。へえ~。第1楽章こそ「?」という感じだったのだが、楽章が進むにつれてぐっと惹き込まれてきて、第4~5楽章あたりから最後にかけてはまさに圧巻だった。そもそも、響きのコントロールの仕方が根本的に違うのだろうか。場面々々によって、会場に響く音がまったく違って聴こえてくるのだ。面白いな。
で、最後は「クープランの墓」ですよ。自分たちでもやったことがあって、この曲のこの編曲の難しさは重々承知しているため、よけいに驚いた。こりゃすごいや。「プレリュード」とか、なんであんな風に軽々と吹けるのだろうか(苦笑)。いやはや~。アンコールは、マティシアの、原曲はピアノとサックスのための作品を、そのままオーケストラの編成で演奏して終演(最後に盛大なオチがついていた笑)。いやー、面白かった。終演後は後輩たちと東京に出て、ラーメンをおごらされ(?)、そのまま帰途についた。
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