2013/06/08

クリスチャン・ロバ「スタン」アナリーゼ論文

12th International Conference on Music Perception and Cognitionのサイトに、クリスチャン・ロバの9番目のエチュード「STAN」のアナリーゼ論文が掲載されている。ロバ作品に関する論文というと、大石将紀さんの研究論文しか知らなかった(あれは「バラフォン」に焦点を当てていたはず)のだが世界を探せばいろいろと出てきそうだ。

左のメニューのProceedingsをクリックしたあとに「Timbral & Textural Evolution as Determinant Factors of Auditory Streaming Segregation in Christian Lauba's "Stan"」のテキストを検索すると、論文へのリンクを見つけることができる。「スタン」を取り組む向きにはぜひご覧頂きたいが、それ以外にも、例えばロバの経歴が簡素にまとまっている、という点など、情報として面白い。この論文からcitationとなっているKu, P. Y.の「Four Recitals and an Essay: Christian Lauba and his Saxophone Etudes: From an Historical Perspective」が面白そうだな。University of Alberta所蔵とのこと(インターネット上からは参照できなかった)。

その他「Measuring tongue and finger coordination in saxophone performance」という論文?は、サクソフォン演奏時の舌と指の関連性について興味深い計測を行なっており、またそれほど内容も難しくなく、おすすめ。

ご案内:塙美里ミュージックサロン パリの屋根裏部屋

塙美里さんからこんな演奏会の案内をいただいた。

「塙美里ミュージックサロン:パリの屋根裏部屋」というタイトル、そして会場がノナカ・アンナホール。そうか、アンナホールはパリの屋根裏部屋だったのか、などと妙に納得してしまった。こじんまりしたスペース、天井が低く不思議な響き、(客が入ることのできる)最上階…確かに、ちょっと日本ぽくない雰囲気があるような。

パリのアパルトマンの屋根裏部屋に集まった音楽家たちが、仲間内で珠玉のメロディを持つ作品の演奏を楽しんでいる、という光景(妄想?)が浮かぶ。演奏会だけでなく、紅茶・フランス菓子がついてくる、とのこと。その雰囲気にマッチした(あまりサクソフォンの演奏らしくない)プログラム。私が気になったのは、塙さんの師匠であるジュリアン・プティ氏が得意とするクレツマー・ミュージック。どんな演奏になるのだろうか…。

今は関西にお住まいのため、塙さんの関東での演奏機会はレア。残念ながら私はこの週末7/6,7は予定が入っており伺えないのだが、ご盛会を祈念する次第。

【塙美里ミュージックサロン:パリの屋根裏部屋~フランス音楽を中心に~】
出演:塙美里(sax)、中村ゆか里(vn)、木米真理恵(pf)
日時:2013年7月6日(土曜)14:00開演
会場:アクタス ノナカ・アンナホール
料金:一般3000円 学生2000円
プログラム:
クレズマー音楽
F.プーランク - 3つのノヴェレッテより
F.プーランク - エディット・ピアフ賛
D.ミヨー - 組曲より
M.ボニス - ピアノ三重奏曲より「夜」
D.ショスタコーヴィチ - 5つの小品
他
問い合わせ:
http://www.nonaka.com/actus/selmer(アクタス セルマー・ジャパン)
03-5458-1521(アクタス セルマー・ジャパン)

塙さんご自身による演奏会の紹介は、こちらのページから。いろいろと書いてあって面白い。

2013/06/06

Giacinto Scelsi "Rucke di Guck"

ジャチント・シェルシ作品の響きが好きで、時々聴きたくなる。サクソフォンのためにも、「3つの小品」に始まり「キャ」「ヤマオン」といった密度の高い作品を書いている。「3つの小品」以外の作品の演奏の機会は少なく、しかし「ヤマオン」など実演で接したらかなり面白そうなのだが…。

オリジナルはピッコロとオーボエのために書かれた「Rucke di Guck」の演奏動画をYouTubeで見つけた。サクソフォンはJames Fusik(キュルテンのシュトックハウゼン講習会への参加経験があるとのこと)。ピッコロはシバタトシユキ氏。キレがある、素晴らしい演奏だと思う。

2013/06/05

ヤマハ目黒吹奏楽団のリハーサル、そしてプスタのこと

日曜日午後に、今週末演奏会を控えているヤマハ目黒吹奏楽団のリハーサルに伺った。2年前の演奏会からステマネとしてお呼び頂いており、そのお仕事の打ち合わせ兼通し練確認である。

演奏会の詳細は下記リンクから。
http://www.yamame-winds.net/

一概にステマネといっても様々なスタイルがあるが、ヤマハ目黒吹奏楽団のステマネは(セッティングについてはほとんどやることがないのだが)照明進行の指示が非常に大変。楽譜を見ながら照明室に向かってスポットとステ電割合とミラーボールの指示を出すというもので、毎回気が抜けず大変。そんなわけでリハーサル段階から参加し、照明進行表のレビューならびにタイミングの把握を行う必要があるのだ。

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今回、第一部は照明進行も単純であるためぼんやりとリハーサルを見学していたのだが、演奏曲目の中にJ.ヴァン=デル=ロースト「プスタ」が含まれていた。…なつかしい!中学の吹奏楽部に所属していた時、最後に吹いたのがこの曲だった。おそらく大抵の学校がそうであるように、中学3年生は夏のコンクールを終えて学園祭で演奏した後は、引退を迎える。その学園祭の最後に演奏したのが、「プスタ」の第3、4楽章だったのだった。

中学の吹奏楽部は弱小で、いや、少ないということではなかったけれどコンクールは大抵地区落ちするようなバンド。緑青にまみれたバリトンサックスを、なんだか良くわからない奏法で吹いていた。引っ込みがちな暗い時代。練習は多かったけれど楽譜の音数は少なく、ひたすらマーチの刻みや低音の伸ばしばかりを(何の疑問も持たずに)吹いていた。3年生の時にコンクールの自由曲として取り組んだのが「プスタ」の第3、4楽章。ひたすら練習して地区大会銀賞、そしてコンクールを終え、気が抜けつつも学園祭に向けて準備を行う中、再び練習を再開した。最後にこの曲を吹いた時の体育館(そう、ホールではなくて体育館だった)の光景と、目の前にあった楽譜のイメージは未だに脳裏に焼き付いている。

リハーサルで「プスタ」を聴いていたら、甘酸っぱいんだかセピア色なんだか青春の1ページなんだか良くわからない、なんとも言えない不思議な感覚が襲ってきて、気がついたら涙が流れていたのだった。

2013/06/04

The 9th Saxcherzet Concert

帰り際に携帯をチェックすると、友人夫妻から赤ちゃんが生まれたとのメール!残業続きでしんどい中、なんだか心が暖かくなったのだった。おめでとうございます!

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先週金曜日に伺った演奏会の感想を。

【The 9th Saxcherzet Concert】
出演:冨岡和男、服部吉之、池上政人、岩本伸一、大和田雅洋、宗貞啓ニ、平野公崇、大城正司、成田徹、二宮和弘、大貫比佐志、原博巳、大石将紀、有村純親、松井宏幸、江川良子、國末貞二、貝沼拓実、林田祐和、田村真寛、田中拓也(以上sax)、山田武彦(pf)
日時:2013年5月31日 18:30開演
会場:洗足学園音楽大学前田ホール
プログラム:
W.A.モーツァルト/金井宏光編 - 歌劇"フィガロの結婚"より序曲
林田祐和 - サクソフォン四重奏の為のPassion
啼鵬 - ラプソディ
F.メンデルスゾーン/伊藤康英編 - プレリュードとフーガ 作品35-5
平野公崇・山田武彦 - 即興演奏
G.ガーシュウィン/金井宏光編 - パリのアメリカ人(指揮:池上政人)
G.プッチーニ - トゥーランドットより(アンコール)
N.リムスキー=コルサコフ - 熊蜂の飛行(アンコール)

どうも仕事が忙しく、開演の18:30にはまだ仕事をしていた。楽しみにしていたメンデルスゾーンは聴くことができなかったのだが、なんとか後半から聴けた。さすがに満席とはいかないが、客入りは上々。周りを見渡せば、見知った方々ばかりだった。

平野公崇氏と山田武彦氏の即興演奏は緩急緩急緩急という構成で進んだ。もちろん特殊奏法もふんだんに交えながら、集中旅行の高い音楽がみるみるうちに構築されてゆく。信じられないような瞬間が幾度も聴かれ、とても興奮した。ちょっとくらいは何か打ち合わせて方向性決めているんだろうなあと思っていたのだが、あとからステマネの小川氏に聞いたところによると「本当になにも決めていなかった」とのこと。おっそろしい…。

「パリのアメリカ人」は、独奏でリサイタルを開けるような演奏家が21人集まっただけあって、どの瞬間のフレーズを切り取っても(それがたとえオブリガードであっても、伴奏であっても)素晴らしい音ばかりで、興奮しっぱなしだった。平坦化されてしまうような一般のラージアンサンブルとは一線を画する演奏だ。こういう演奏を聴くと「理想的なラージアンサンブル」という言葉には、多くの可能性があるのではないかと思えてしまう。

アンコールは、冨岡先生、松井氏、山田氏のトリオ。ああ、やっとライヴで聴くことができた!幸福な時間を過ごした。最後はあっさりと「熊蜂の飛行」。

小川氏&旭井氏と打ち合わせ

いろいろとネタが溜まっているのだが…本業が忙しい上に帰ってきたらいろいろとやる事があり、書く時間がない。

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ちょっとネタとしては前後するが、6/1土曜日の夕方にサクソフォンの小川卓朗氏と、作曲の旭井翔一氏とともに、溝の口の長江飯店で、2015年の某プロジェクトに向けた打ち合わせ。なかなか面白いことを皆様にお見せできそうだ。超楽しみ!もちろん、そのプロジェクトの事以外にも音楽の様々なことに話が及び、とても楽しかった。途中からシバケン氏も合流し、何だかんだで4時間ぐらいいろいろと喋っていたなあ。

長江飯店は初めて伺ったが、なかなか美味しかった…中には妙に辛い料理もあったが。洗足学園音楽大学生御用達店なのだそうだ。2015年は、もちろんTSQでも進めていることもあり(まだ構想段階)、佐藤淳一さんと進めているプロジェクトもあり(これも進めていかないと)…ということで一つ大きな区切りの年となりそうだ。

2013/06/02

"HTC J One HTL22"へ機種変更

携帯を持ち始めた頃からauユーザーで、SANYO→SANYO→Sony Ericsson(re)→SHARP(IS05)と乗り換えてきたのだが、昨日2年3ヶ月連れ添ったIS05に別れを告げて、HTC J One HTL22へと機種変更した。IS05について、購入した当初は非常にお気に入りだったが、常用する各種アプリ側が機能追加に伴って動作が重くなる一方で、さすがに最近は動作にストレスを感じていたのだった。いちユーザーごときが、ハードウェア性能向上・ソフトウェア機能追加というスパイラルに逆らうことができるはずもなく、あえなく機種変更を決意した。

まず、iPhoneは対象外。auの2013年の夏モデルとしてAndroidの5インチ級のスマートフォンが4種類発表されたことは知っていたのだが、あまり考えずに"HTC J One HTL22"に決定。ヤマダ電機の説明時に料金プランが変更になっていることに衝撃を受けたり、だいぶ溜まっていたヤマダ電機のポイント有効期限が切れていたことに衝撃を受けたりと、波乱の中の機種変手続きだったが、とりあえず無事完了。帰宅後、画面にフィルムを貼って(上手く貼れたのでテンションが上がった)、アドレス帳を移行して、これまで使っていたアプリを入れて、2時間ほど触ってみた。

CPUがAPQ8064T:Qualcomm Snapdragon 600…いわゆるKraitコアが4つ載っているチップ、メインメモリが2Gbytes、内部ストレージが32Gbytes、カメラが400万画素、ディスプレイが4.7インチ1920x1080、サイズ69x138x10.5mm、重量157g、OSがAndroid 4.1。スペック競争の只中にあるような端末だ。基本の動作は非常に軽快で、指に吸い付くようなレスポンスが楽しい。各種アプリケーションの動作についても、Facebookを始めストレスは皆無だった。

アルミを全面的に採用した外観が非常に美しい。インターネットを調べてみたところ「樹脂製の部分が安っぽい」という評価が若干見受けられるが、個人的にまったく気にならない。以前所持していたIS05を購入した頃、デザインなどという基準では端末を選べないほど、選択肢の幅が狭かった事を思い出した。

4.7インチにフルHDのピクセルを詰め込んだ画面の美しさは驚異的だ。ただし、正直必要かどうか疑問を覚える、というのも事実…。少なくとも私はここまでは必要ない。とても面白かったのが、スピーカー。大音量、かつステレオで、そこら辺のスマートフォンに搭載されているスピーカーを鼻の先で吹き飛ばすレベルだ。こちらのほうが個人的には使い所がある。

賛否両論の400万画素のカメラは、少なくとも低感度での撮影がいまいちと感じた。ダイナミックレンジも狭く、スマートフォンのカメラを進んで使うことはほとんどないので(スナップであれ写真を撮るときは大抵NEX-5Nを使うので)あまり問題がない。どこのイメージャを使っているのだろう?バッテリー持ちは、感触としては普通だろうか…使っていく中で見極めたい。充電はIS05と比較すればかなり時間がかかるようだ。

最近のトレンドとはいえ、さすがに端末サイズは大きすぎると感じる。片手操作では、左上のアイコンに指が届かない。これに関しては、住めば都を期待するしかないだろう。「4~4.5インチが至高」というような流れになってくれればありがたいのだが…これは今後に期待。

ということで、ファーストインプレッションは上々。上手く使いこなしていきたい。使用中の機種が丸2年を迎えている方は、この機会にいかがだろうか(いったい何のブログだ)。