2012/10/08

Ensemble Contest Selection 2012

先日のコンサートでご協力いただいた中島諒くんから購入したCD「Ensemble Contest Selection 2012」。ウィンズスコアという吹奏楽譜・録音の出版社からリリースされたサクソフォンアンサンブルのCDに、中島くんが演奏者として参加しているのだ。このCDの存在はこれまで知らなかったのだが、どうやら吹奏楽連盟が主催するアンサンブルコンテストのレパートリー参考用として制作されたもものようだ。ブレーンがVive! Saxophone Quartetを使って似たようなコンセプトでCDを制作しているが、ウィンズスコアもそれに続いた、というイメージだろうか。

とりあえず、演奏者が面白い。東京藝術大学サクソフォン科の面々で、山崎優佳、中井伶、中島諒、竹内理恵、藤本唯(敬称略)。なんか、どこかで名前を聞いたことがあったりどこかで話したことがあるような方々ばかりだ(笑)。

M et F.ジャンジャン - サクソフォン4四重奏曲より[satb] 
J.B.サンジュレ - サクソフォーン四重奏曲より[satb]
鈴木歌穂 - 黎明の空へ[aatb]
P.ヒケティック - スリー・ラテン・ダンス[satb]
J.フランセ - サクソフォーン四重奏曲より[satb]
L.オストランスキー - 3つの小品[aat]
福田洋介 - 夕影のセレナーデ[atb]
渡部哲也 - カプリッチョ[atb]
内門卓也 - Interweave[saatb]
福田洋介 - ガラスの香り[saatb]
渡部哲也 - カプリッチョ[satb]

ジャンジャン、サンジュレ、フランセ等のフランス産スタンダード作品は、技術的なものに問題があるというわけではないのだが、とつぜんカットがあったりして(アンコンですからね…5分以内に収めないといけない)演奏を楽しむ、というレベルまで正直到達しないのが残念なところ。アンコン向きとはいえ、全曲版で収録、というわけにはいかなかったのだろうか。

やはりCDとして聴いて面白いのはオリジナル作品ではないだろうか。邦人作品は、ウィンズスコアが版権を持っている作品のようだが、その演奏から伝わってくる共感度合いが別格だと感じた。なかなかおもしろい三重奏曲、五重奏曲もいくつか収録されており、アンコンに取り組む向きには重宝されるのではないだろうか。

軽井沢へ

会社の同期と軽井沢へ一泊二日で遊びに行ってきた。同期のご実家が所有するログハウス風の別荘(!)を宿泊先とし、料理・飲み会・卓球・お喋り。山の中を散策し、白糸の滝を眺め、軽井沢銀座をフラフラし、帰ってきた。新幹線を使うと軽井沢から自宅最寄り駅までたったの2時間、というのもすごい。

楽器を持たずに遠出する、というのも久しぶりだったなあ(^^;面白かった。

ちょうど帰ろうとした時に、目の前わずか7メートルに現れた鹿。写真を何枚も撮ってしまった。

2012/10/07

Embraceable Youの在庫

10月、そろそろ秋めいてきた…と思えばまた残暑のような気候に逆戻り。今週は軽井沢、来週は静岡、再来週は愛知と、あちらこちらに行く予定がある(演奏じゃないよ)。

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服部吉之先生の「Embraceable You(Momonga Records MRCP-1004)」という素晴らしいCDがある。3年ほど前にレビューを書いたが、演奏・曲目・録音の三者が非常に高次元で融合した甲種オススメCDの一つである。特に、アルバムタイトルとなっている生野裕久「Variations sur le thème de "Embraceable You"」と、イィンドジフ・フェルド「Sonata」は驚異的な完成度を誇る録音で、今でも度々取り出しては聴く機会が多い。

このアルバムだが、素晴らしいCDにも関わらず版元で在庫切れ、残りは流通在庫のみとなっている。数年前まではCDショップでもちょくちょく見かけたが最近はあまり見なくなってきたような気がする(というか、CDショップ自体にもあまり行かなくなってきてしまったなあ)。

昨日、少し思い立ってネット上の流通在庫を調べたところ…おお、あるではないか。少なくともページ上の情報を信じる限り、vandorenscores.comでIn Stock=在庫有りとなっていた。このIn Stockというステータスも、それほど信用してはならないのだろうけれど、もし興味ある方は購入にトライする価値はあるのではないか。

http://www.partitionsvandoren.fr/product_info.php?cPath=9003_9005_5470&products_id=169745&osCsid=9c0657ada33dad89fb07844b1de76992

2012/10/06

やりたい曲…(2012/10/6アップデート)

2010年6月、そして2012年2月に書いたやりたい曲リストなんてものがあるのだが、順調に消化できているためアップデートをかけておく。やっぱり長生淳「八重奏曲」が演奏できたのは嬉しかったなあ。

ソロ:
JacobTV - Grab It!(再演)
Pierre Jodlowski - Mixtion
Jacques Becker - Western Ghats
Etienne Rolin - No Tenor Tech Out

四重奏:
Erkki Sven Tuur - Lamentatio
Louis Sclavis - Attente et Danse
Alexandros Makeas - Engrenage
JacobTV - Heartbreakers
Roland Becker - Le marchand de chaussures électriques
John Zornのアレンジ作品
Perry Goldstein - Blow!
伊藤康英 - 四重奏曲第二番
Juan Luis del Tilo - Tormenta Tango
Richard Ingham - Mrs Malcolm, Her Reel

(ちょっと追記)
やりたい曲を、常に何曲か頭に置いて持っておくことは、とても重要だと考えている。順に消化すると同時に、常に魅力的な作品を探し続け、常に10曲程度はキープしておくことが、モチベーションの維持につながるはずだ。

2012/10/04

サクゴレン&TsukubaSQ曲目解説

先日のサクゴレン&TsukubaSQのジョイントコンサートの、曲目解説を公開する。A4用紙1ページに、10ポイントの文字サイズで収まる程度…というと、このくらいの量である。

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ジャン=バプティスト・サンジュレ「四重奏曲第一番」
ベルギー生まれのヴァイオリニスト・作曲家であるサンジュレは、サクソフォンの発明者であるアドルフ・サックスと親交が深く、アドルフが就任した音楽院のサクソフォン科の試験にも課題曲を提供していました。「四重奏曲第一番」は、世界で最初期に書かれたサクソフォン四重奏曲と言われています。古典的な和声・リズムとサクソフォンの豊潤なサウンドが組み合わさった、心地よい響きをご堪能ください。

ペリー・ゴールドシュタイン「フォールト・ラインズ」
ブルースのコード進行にビバップのメロディを乗せたクールな作品です。もともとはサクソフォンとピアノのために書かれましたが、のちに作曲者自身の手により四重奏のために編曲されました。アメリカ生まれの作曲家、ゴールドシュタインは、特にジャズやロックの影響を受けた作品を得意としています。

ジェローム・ノレ「トカデ」
「フリッソン」「サックストーリー」といった、サクソフォン吹きには人気の作品を提供し続けているフランスの作曲家、ノレ。その正体は、世界最強の現代音楽演奏集団”アンサンブル・アンテルコンタンポラン”のトロンボーン奏者です。耳に馴染み深い作品を制作し続ける一方、シリアスで難解な作品の演奏もお手のもの、というギャップは実に面白いものです。決然とした印象を残すタンゴ風の第1楽章と、16分音符が連なる第4楽章を演奏いたします。

渡辺雅也「サクゴレンのテーマ~魔法仕掛けの壊れた時計~」
アンサンブルサクゴレンのオリジナル・テーマ曲。2012年6月、第3回サクソフォン交流会で初演されて以来、サクゴレンのテーマ曲としてすっかりおなじみとなりました。

クロード・ドビュッシー/中村均一「ベルガマスク組曲」より”プレリュード”
今年生誕150周年を迎えたドビュッシーが書いた、ピアノのための古典的な形式をとる組曲。その最初の楽章として配置された”プレリュード”では、美しい和声構造の上で流麗な旋律が奏でられます。中村均一が手がけたこのアレンジは、サクソフォンの特性を存分に活かしたもので、数あるサクソフォン四重奏のための編曲作品の中でも、最高傑作の一つであると躊躇なく断言してしまえるほどです。

ミシェル・ルグラン/大島忠則「キャラバンの到着」
映画「ロシュフォールの恋人たち」で、主人公の双子姉妹が住む海辺の街に、ショウの舞台装置・ダンサー・歌手の一行(キャラバン)が到着した際にBGMとして流れる音楽です。日本国内においては、三菱・ランサーのCMとして使われ、広く知られるようになりました。ジャズを模した軽快な作品です。

横内章次「バラード・フォー・トルヴェール」
横内章次は、ギタリストとして活躍する傍ら、作編曲家としてよく知られていますが、この作品が完成した数年後に惜しまれつつ鬼籍に入ったとのこと。「バラード・フォー・トルヴェール」は、日本を代表する四重奏団のひとつ、トルヴェール・クヮルテットの名を冠したコンサート・ピース。緩急緩の三部構成で、憂いに満ちたワルツに導かれる急速調の中間部は、アドリブ風のソロも交えるなど圧巻です。

長生淳「八重奏曲」
2000年12月に開かれた、日本のトルヴェール・クヮルテットとオランダのアウレリア四重奏団による日蘭国交400年記念ジョイントコンサート。いまでもサクソフォン界では伝説となっているコンサートですが、そのステージの最後に委嘱新作として初演されたのが、この長生淳「八重奏曲」です。疾走感のカタマリのような第1楽章と、シリアスさと祝祭的な雰囲気が共存する第2楽章の、2つの楽章から構成されます。

2012/10/03

1960年のギャルド写真(木下直人さんから)

木下直人さんから、とても貴重な写真のデータを頂戴した。1998年に木下直人さんが陸上自衛隊中央音楽隊初代楽長である故・須摩洋朔氏のもとを訪問した際に写真に収めた、須摩氏所蔵のアルバムの抜粋である。

1960年、須摩氏は第10代統合幕僚会議議長としても知られる栗栖弘臣氏(!)とともにローマオリンピックに派遣され、欧州の吹奏楽団を視察した。もちろん、当時黄金期を迎えていたギャルド・レピュブリケーヌ吹奏楽団も視察したとのことだが、そのギャルドの写真だそうだ。須摩氏はこの1年後、1961年のギャルド来日時に特別ゲストとしてムソルグスキー「禿山の一夜」と自作「行進曲"大空"」を指揮している。

全部で16枚送っていただいた。この写真の貴重さは、ちょっと言葉では言い表せないほどのものである。1961年のギャルド来日が日本の交響吹奏楽元年とするならば、さらにそれに先立つこと1年、ひとりの日本人が"ギャルド"に衝撃を受けた、その一瞬を刻銘に記録しているものである。写真を通して、カメラを持つ須摩氏の興奮が伝わってくるようだ。

とりあえず1枚の公開はOKということで木下直人さんにお許しいただいたので、以下にサクソフォンセクションの写真を公開する。Thunderさんのブログ記事より、初来日時(1961年)のメンバーリストを引用するが、おそらくほとんど変わってはいないはずだ。テナーにはジャック・テリー氏、バリトンにはアンリ=ルネ・ポラン氏が乗っている。

Altos:
Fernand LHOMME
Michel NOUAUX
André BEUN
Ténors:
Robert GATEAU
Jacques TERRY
Barytons:
Robert CEUGNART
Henri Rene POLLIN

※もし他の15枚の写真にご興味ある方は、木下直人さんに許可を取ってお送りしますので、連絡をください。須摩氏のプライヴェートなアルバムであるため、全部の写真が不用意に出回ることは避けたいと思います。

2012/10/01

写真で記録しておくことについて

2010年の4月にCanon PowerShot S90を購入して以来、練習や演奏会の様子をカメラで記録している。2012年の4月には念願のレンズ交換式カメラであるSony NEX-5Nを購入し、PowerShot S90は利用停止中。

2つのカメラを合わせてこれまでにおよそ20000枚ほど記録しており、その中には宝物の様な写真からどうでも良い(本当にどうでも良い!)写真までが混在している。

自分でも不思議だったのは、携帯カメラで写真を撮る習慣はほとんどなかったのに、デジタルカメラを買ったとたんに撮るのが楽しくなってしまったことである。わざわざ携帯電話とは別に持って行かなければならないというハンデはあるが、専用機器ならではのレスポンスの良さや高感度性能を始めとする画質の良さがツボにはまったのが大きいだろう。また、NEX-5Nを手にしてからは、レンズを替えることで見える世界が変わってくるという驚きや、シャッターを切るという楽しみがプラスされ、ますます面白くなったのだった。時にはデジカメでお手軽動画を撮ってみたり(とは言え、最近のデジカメの動画機能は凄いのだ)という楽しみも憶えてしまった。

こういった何気ない練習や演奏会をすることが、実はけっこう重要なのではないかなと思えてきた。もちろん音楽をやっているわけだから録音を残すのはもっとも重要だが、写真一枚から、どこで、誰がいて、どんな気持ちで吹いていたのかということをすぐに思い出せるのだ。演奏会の後なんか、あれほど充実した表情はなかなかとらえられるものはない。

うっかり油断すると、過去を振り返ってそこに浸ってしまうので注意…ではあるが(座右の銘として、思い出に浸ることはなるべくやらないようにしている)、それでも記録として写真をきちんと残しておくことと残しておかないことでは、演奏活動をする上で何か大きな差があるのではないかなあ。うまく表現しづらいのだが。