2008/09/06

名リサ聴いた

隙あらば入るノイズとの戦い?だったが、いやー良かった(ラジオのデジタル放送って、そのうち始まるんだっけ?)。録音していたので、早速トラック分割してCD-Rに焼いてみた。

F.クライスラー - 愛の喜び
G.ピエルネ - カンツォネッタ
鈴木純明 - スフルスティック
E.グリーグ - 叙情小曲集 第10集から"森の静けさ"
A.グラズノフ - サクソフォン協奏曲
原博巳(sax)、野原みどり(pf)
http://www.nhk.or.jp/meirisa/content/yotei/080906.html

グラズノフは、ラッシャー版のカデンツァが演奏されたほか、練習番号[23]~[24]もLeduc版ではなく自筆譜版が演奏されていた。

現場で聴いてみたかったなあと思わせる、充実した内容。たった40分程度だけれど、本当にリサイタルの一部だけとか二部だけを聴いているような感じだ。緩む部分など一切ナシの、真剣勝負。部屋の明かりを落としてぐっと集中して聴いていると、どんどんと原さんの音楽の世界に引き込まれてゆく。野原みどりさんのピアノも、素晴らしかった。なんですか、あのグラズノフのピアノは(連弾でもしているのかという錯覚に陥った)。

演奏も良かったけれど、曲中の司会者や演奏者によるトークも実に面白かった。なんというか、場内大爆笑の連続、って感じ。グラズノフあたりで、曲の解説がすっ飛ばされたのは、少々残念だったけれど。

面白かったといえば、前半の河合優子さんのショパンの演奏では、河合さんご自身の研究によって楽譜の見直しを行ったものとかで、現行の出版譜とは大きな差異が見られるものである、とのことだった。現代の出版譜がどんな演奏であるか、というのは良く知らないのだが、こんど何かCD買って聴き比べてみようかな。そして、ピアノ協奏曲のピアノソロ版とか…そんなんあるんだ。

2008/09/05

FM名曲リサイタル放送予定

明日9/6 19:20~21:00のNHK-FM名曲リサイタルに、原博巳さんが出演なさるとのこと。毎回2組の音楽家を迎えて演奏してもらうという試みだが、後半が原博巳さんと野原みどりさんの演奏であるのだ。放送予定のページに、プログラムが載っていた。

F.クライスラー - 愛の喜び
G.ピエルネ - カンツォネッタ
鈴木純明 - スフルスティック
E.グリーグ - 叙情小曲集 第10集から"森の静けさ"
A.グラズノフ - サクソフォン協奏曲

原さんも、ご自身のブログでこの番組のことを紹介されている。今回は、グラズノフの協奏曲シガード・ラッシャーが作曲したカデンツァを演奏しているそうだ。野原みどりさんのグラズノフ他のピアノも、もちろん楽しみであるし、前半ショパンのスペシャリスト、河合優子さんが出演するとのことで、そちらの演奏やトークも楽しみ。

つくば市で入りやすいNHK-FMの周波数は、水戸から1KWで発信されている83.2MHzだそうだ。ほおー。

ちょうどいまチューニングを合わせた時にやっていた、「U-18 ユーガタM塾」が面白すた。イエスの「ラウンドアバウト」に、ゴダイゴの「ガンダーラ」、ユニコーンの「大迷惑」、かと思えばバンプの「ギルド」だなんて…世代を超えた名曲の交流か。いいなあ。

2008/09/04

Claude Delangle Interview on YouTube

クロード・ドゥラングル教授が台湾に演奏旅行に行ったときの、インタビュー映像がYouTubeにアップされている。「薩克斯風大師(サクソフォンのヴィルトゥオーゾ)Claude Delangle」だって。カッコいいなあ。



インタビューは英語で行われている(ドゥラングル教授がしゃべる英語の、流暢であること!)。喋りがゆっくりなため、なんとか聞き取れなくもない。途中で切れてるのが、とても残念…。



インタビュワー:中国の作品は日本の作品とは違うのですか?
ドゥラングル教授:日本の作曲家は…私がかつて演奏したことのある作品の作曲家ですが、彼らはドイツやフランス、アメリカで学んだ人たちが多く、より強く西洋音楽の影響を受ける作品を書くように思います。しかし、中国の作曲家が作った作品からは、中国の伝統音楽への強いリンクを感じます。

2008/09/03

ミニマル・ミュージックへの憧れ(その2)

以前の記事の続き。

Philip Glass - Concerto for Saxophone Quartet
このブログでも度々話題にしている、ラッシャー四重奏団によって委嘱された、サクソフォン四重奏とオーケストラのための協奏曲。美しくクールな音世界が良い。全4楽章の緩急緩急という構成で、急速調の2楽章や4楽章では、プログレばりの複雑な変拍子も聴かれる。オーケストラ版のほか、四重奏のみで演奏可能なバージョンも存在している(実際に委嘱したラッシャーSQのテナーサクソフォン奏者、Bruce Weinbergerの依頼によるものなのだそうだ!)。日本での初演は3年前、雲井Qがおこなった。世界を見渡せば、数十回にわたる再演がされているようだが、充実した作品にも関わらず、国内での演奏回数は少ない。
第1楽章だけであれば、YouTubeで観られる(→こちら)。

オーケストラとの録音で言えば、ラッシャーSQとシュトゥットゥガルト室内管の共演盤が存在する(→こちら)。オーケストラは良いのだが、四重奏パートの音程感覚がすこし甘いのが難点か。四重奏版では、ラッシャーSQの旧録音ラッシャーSQの新録音、Tetraphonics Saxophonequartettの「The Invitation」というアルバム、オランダの四重奏団であるAmstel Saxophone Quartetのアルバムなどがある。

Michael Nyman - Songs for Tony
かつては秘曲中の秘曲という感じだったが、最近では有名になりすぎて「いまさら」という感じもするかな。私がイギリスのサクソフォンにはまるきっかけとなった曲だ。マイケル・ナイマンのマネージャーであり親友でもあるトニー・シモンズが1993年1月に癌で亡くなった際に、ナイマンが追悼の念を込めて書いた全四楽章の作品。友人を失ったやり場のない怒りから始まり、最後にはその死を現実として受け入れるまでの心情の変化が表現されているようにも思える。単純なモチーフの繰り返しの中に、強いメッセージ性を感じることができた。

なんと言っても、Apollo Saxophone Quartetの録音を第一に推す。これ以上の演奏は考えられない。ArgoというレーベルのCDで、手に入りづらい時期もあったが、最近は中古品が広く出回っているようだ。聴衆へのアピール度が高い第1楽章だけ録音されることも多いようであるが、やはり通して聴いてこそのこの作品であると思う。

Michael Nyman - Where the Bee Dances
ソプラノ・サクソフォンとオーケストラのための協奏曲。ミツバチの踊りからインスピレーションを得た、爽やかでスピード感のあるフレーズが折り重なる。単一楽章、17分ほどと長いが、次々に出現する主題が面白い。サックスとピアノのデュオ版も存在し、「Shaping the Curve」という名前が与えられている。

ナクソスから出版されているナイマン作品集。オケはまあ普通だが、ジョン・ハールの一番弟子とも言えるSimon Haramが演奏を担当していることもポイント高し。そしてなにより、安い!併録の「ピアノ協奏曲」は、ジェーン・カンピオン監督の映画「ピアノ・レッスン」の音楽を再構築したものだが、徐々に高ぶる感情が感動的である。

「Google Chrome」雑感

新しいもの好きなので、早速インストールして使ってみた。Googleがリリースしたブラウザ、「Google Chrome」。Firefox 3を使用していた私が、Google Chromeに対して感じたファースト・インプレッションと、目についた利点・欠点、そして今後の展望などについて簡単に書いておきたい。ダウンロードとインストールは、以下のリンクから可能である。

http://www.google.com/chrome/

ファースト・インプレッション
 まず驚いたのは、Firefoxから設定がインポートされたこと。新ブラウザ導入に当たって、ブックマークとパスワード認証が引き継がれるのはあり難い。GoogleはMozilla財団とも技術的な提携を行っているのだから、まあ考えれば自然なことか。
 起動し、いくつかのページを巡ってみる。速度的な問題は、ほとんど感じられない。インタフェースはβ版ながら洗練されており、随所に工夫が見られる。ブックマークバーは、Firefoxで慣れ親しんだものであるから、そのままの感覚で使用できた。マウスジェスチャはない…これは、今後に期待だろう。
 学校の研究室へでかけ、研究室のPCにもインストール。問題なくインストール終了&起動し、いくつかページを巡る。フォントは小さくなる傾向があるが、これはレンダラがWebKitであると聞いて予想できたことだ。Gearsの起動速度は驚異的だが、私のブラウザの使い方からすると不要かな。そしてここではたと気付く。起動がありえないほどに速いのだ!Firefox 3で不満であった点がそれであったのだから、この起動の速さは感動モノだった。
 研究を放り出して午前中をGoogle Chrome遊びに費やし、昼ごろにはおおかた快適に操作できるようになってきた。その後も、空いた時間にちょくちょくと触っていたのだが、特筆すべき点がもう2つ。
 「JavaScriptの実行速度がありえないほどに速い」:JavaScriptは、アセンブラにコンパイルされた後に実行されているらしい。そういうアイデアは思いつきはするけれど、実装したブラウザってなかったよなあ。iGoogleやGmail、Google Readerを使っている私には、かなり嬉しい。
 「テキストボックスを広げられる」:右下のつまみはなんだろうなー、と思いながら何気なくドラッグしたところ、テキストボックスが大きくなった!ブログを書いたり、コメントを書いたり、というときには、かなり重宝します。

利点だと感じたこと
・起動が速い
・HTMLレンダリングは十分ストレスフリーなレベル
・JavaScriptの実行が速すぎる。Googleのウェブアプリ利用時に威力を発揮
・インタフェースにあまり違和感がない
・テキストボックスを広げられる機能

欠点だと感じたこと
・マウスジェスチャがない
・AutoPagerizeが使えない→xAutoPagerizeが使えるみたい
・戻るボタンの履歴を表示させるための「長押し」という操作は、個人的には苦手です。プルダウンメニューをつけてほしい
・ブラウザに記憶されたパスワードが、簡単に見れてしまうのはちょっと…

展望
 さて、たった一日しか使っていないが、このブラウザが果たして今後どのような道を辿るのかを考えてみたい。
 中期的に考えれば、バージョンアップによってマウスジェスチャなどが導入されることは十分考えられる。だがマウスジェスチャだけでは不十分で、もし、Firefoxのアドオンのような仕組みを実装することが出来れば、大半のFirefoxユーザはGoogle Chromeに流れてくるのではないだろうか。IEとの戦いに関しては、数年のレベルでIEの牙城を切り崩せるかどうかは、ちょっとわからない。IEの足元をぐらつかせるには、一般ユーザへのアピールが重要となると思う。広告やテレビCMとかやったら、シェアは大きく変化すると思うのだが。
 そして、長期的に見た場合。Googleは、コンピュータ上で行っている作業の大部分をブラウザ上で行えるようにしようとしている。OSの世界には介入せず、あくまでもブラウザより上位のレイヤを手中に収めようとしているのだ。そしてajaxの普及により、JavaScriptによってローカルアプリと機能的に大差ないウェブアプリを作成することは可能となった(Google DocsやGoogle Spreadsheetsは、その代表格)。将来、ウェブアプリの普及が進んだ先で、もしビジネス向けのパソコンが単なるインターネット端末と化したときには、その上で動いているブラウザは、このGoogle Chromeをおいてほかにないのではないだろう…とも思う。

あなたはGoogle Chromeを使いますか?
 はい。しばらくはFirefox 3を離れて、Google Chromeを使ってみようと思います。欠点もありますが、このブラウザが気に入りました。

2008/09/02

デュオのレパートリー

ルクレールやヒンデミットやプーランクはたくさん演奏されるが、その次が続かない、というのがサクソフォン・デュオの現状。私が今まで聴いたり演奏したりしたなかで、際立っているなと感じたものをいくつか思い出して挙げてみたい。

Alain Bernaud - Sonate en duo (ssax, bsax)
フランスの作曲家、アラン・ベルノーと言えば「四重奏曲」あたりが有名だが、ソプラノサクソフォンとバリトンサクソフォンのために書かれた本作品も、見過ごしてはおけないと思う。もともとはデファイエとルデュー、という2人の伝説的名手らのために書かれた作品で、モチーフの鏡像進行に重きを置いた作品。第1, 3, 4楽章あたりなどオススメ。難しいのはもちろんだが、長いのもちょっと難点。
(楽譜:Editions Comble)

Ferrer Ferran - Sonatina ~PARSAX~ (asax, asax, pf.)
「キリストの受難」などの吹奏楽作品が有名なフェレール・フェランだが、こんな曲も書いているのですねえ。スリリングな第1楽章、美しい第2楽章、ジャズ風の第3楽章と、はっきりと性格が分かれており聴きやすく、全部通しても演奏時間は11分程度。Ensemble TXの演奏会でも取り上げたが、けっこう難しかった(もしかしてアマチュア初演!?)。吹いているほうも楽しいし、聴衆受けもかなり良い作品であることは間違いがない。
(楽譜:Editions Comble)

Andy Scott - Dark Rain (ssax, asax, winds or asax, tsax, winds)
音源が存在せず詳細が分からないのだが、ジョン・ハールとロブ・バックランドに捧げられた協奏曲、というだけで興味が引かれる。しかも、British Composer Awardsの吹奏楽&ブラス部門を受賞してしまったというのだから、なんだか凄いものであることは間違いなさそうだ。このリンク先から試聴できる。clip1とclip3とclip5がカッコよすぎる。ピアノリダクション版作ってくれ~。
(楽譜:Astute Music)

Guy Lacour - Suite en duo (asax, asax)
アルトサクソフォンのためのデュオ。第2楽章(だったかな…)のフーガに、バロック作品からの影響を感じ取ることができる。終楽章は、二本のサックスが濃密に絡み合いながら複雑なパッセージを吹き飛ばす。最後の飛ばしっぷりには、拍手喝采って感じです。
(楽譜:Billaudot)

江原大介 - Coloring time (ssax&asax, asax&tsax, pf.)
蓼沼雅紀さんと長澤範和さんのデュオ「阿吽」の演奏会に際して委嘱された新作。中間部にはジャズ風のフレーズが置かれ、そして両端にはゆったりとした美しい部分が奏でられる。この演奏会では3つの新作が披露されたが、トリを務めたこの作品に、観客席が大いに沸いていた。
(楽譜:未出版)

他に何か良い曲がありましたら、教えてくださいm(_ _)m…そういえば、フェルドハウスのライヴエレクトロニクス作品、「TATATATATA」ってテナーサクソフォンとバリトンサクソフォンのために編曲されているんだったか。

2008/09/01

Leon Kochnitzky - Adolphe Sax and His Saxophone

サクソフォンという楽器の黎明期について、かなり多くのエピソードが載せられた書籍、Leon Kochnitzky著「Adolphe Sax and His Saxophone」が、以下のリンクから無料でダウンロードできる。1949年の出版ということで、パブリック・ドメインとして公開されている。

http://www.archive.org/details/AdolpheSaxAndHisSaxophone
(リンク先のページの左隅に、"PDF"というリンクがある)

アメリカのBelgian Government Info Centerというところが出版したベルギーの文化を紹介するシリーズ「Art, Life and Science in Belgium」の一環で、その13巻目として、ベルギーの楽器発明家アドルフ・サックスと彼が発明した楽器についての書籍を作成した、ということのようだ。全50ページ弱。

ここで公開されているのは初版本のスキャン・イメージだが、最終改訂版として4th Editionまで出版されているらしい。4th Editionでは、表紙や装丁が変わっているほか、シガード・ラッシャーのコラムが付属している。しかし、中身としてはこの無料ダウンロード版でも十分すぎるくらいだ。

アドルフ・サックスの生い立ちから、楽器の発明、作曲家とのかかわりなどについて述べられており、特にサクソフォンの黎明期について知りたい向きには、必携の資料だと思う。随所に織り込まれた貴重なイラストや写真も、面白い。