2024/03/10

SAXIDEA "Hommage"

新生SAXIDEAのアルバム第二弾が、NATレーベルより発売された。これでCDを入手‥などとなると、アメリカへの輸入は時間がかかるが、発売の瞬間に聴くことができるのは、やはり配信の利点の一つだ。

武藤賢一郎(Ss)、茂木建人(As)、小山弦太郎(Ts)、歌頭諒(Bs)という師弟カルテット。日本人初のパリ国立高等音楽院卒業生にして、国際コンクール入賞者という唯一無二の経歴を持つ武藤氏。いまだにその技術・音楽性は健在であり、弟子とともに大曲を見事に創り上げている。収録は、ブーニョ、シュミット、グラズノフ。

武藤氏の演奏に着目すると、(例えば年齢による)後退の姿勢など一切を感じさせず、それはソプラノサクソフォンの音色・音楽性ともに、稀にアンサンブルの上で先行しすぎるきらいに反映されるのかもしれないが、とにかく圧倒される演奏だ。弟子である他の3名が、いまこの時点でもかなりのものだが、さらにタガが外れたときに、いったいどんな次元の演奏になるのだろうかと、そんな妄想をしてしまう。次のアルバムも期待したい(ぜひ、旧SAXIDEAでも録音していたベルノーの再来を!)。

個人的にはブーニョの録音が嬉しい。商用録音として、私が知る限りはJacques DeslogesのLPアルバムに収録されているくらいで、CD時代に取り上げられたことを聞いたことがない。小品として扱われてしまうことも多いが、個人的には他の数あるネオ・クラシカルスタイルの作品と遜色ないと考えており、これをきっかけに現代でも取り上げられることが増えてほしい。



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