==========
ラングドック地方のクリサンで生まれたロジェ・カルメルは、ベジエ地方で最初の音楽教育を受けた。1944年、パリに行き、セザール・フランク音楽院で作曲を学んだ後、パリ音楽院に入学し、オリヴィエ・メシアン(美学)とダリウス・ミヨー(作曲)のクラスを受講した。その後、Studio d'Essais de la Radioにて、ピエール・シェーファーの下で研鑽を積んだ。
1958年サクソフォーン四重奏とオーケストラのための「コンチェルト・グロッソ」でパリ市第一位、1959年フランス国家勲章第一位、1960年ディボンヌ国際作曲コンクール大賞、ゴセック賞、1976年フランス学士院室内楽大賞など、重要な賞を受けている。この頃、ロジェ・カルメルは、多声や調性を否定しない独自の語法によって、彼自身の音楽的個性を強く主張するようになる。
1963年、RTFの教授に任命され、1979年から1991年まで、パリ14区にあるダリウス・ミヨー音楽院で教鞭をとった。1991年から1998年まで、パリ市立音楽院の審査員を務める。こうした教育的な活動が影響し、1980年代以降、「A Cœur Joie」運動やさまざまな音楽祭、合唱団の依頼で、多くの声楽作品を書くことに活動の大部分を割くようになった。このことは、作曲語法の変化のきっかけとなり、多声を、独自の手法で注意深く扱うような清冽な作品が数多く生まれた。
多くの現代作曲家がそうであるように、ロジェ・カルメルのアプローチは常に「よりシンプルであることを志向する」傾向を持っているのだ。
0 件のコメント:
コメントを投稿