1983年9月5日録音の、ジュネーヴ国際コンクール本選か、その入賞者披露演奏会かわからないが、最高位(一位なしの二位)に入賞したスティーヴン・ジョードハイム氏演奏のライヴ録音を聴いた。ジュネーヴ市のアンセルメ・ホールにおける演奏。
イベール「コンチェルティーノ・ダ・カメラ」、マルタン「バラード」。詳細はさっぱりだが、イベールはローザンヌ管弦楽団、マルタンはスイス・ロマンド管弦楽団との説明記載あり。種々の情報が定かではなく、イベールは別機会で、演奏日も間違っているかもしれない。
これ以前に僕がコンクールと名のつくものを受けたのは、1983年のジュネーヴ国際音楽コンクールが最後だ。
僕はその本選で、生まれて初めてオーケストラの前に立ってソロを演奏した。本選には、コンクール参加者84名中、3名が進んだ。
曲目は、フランク・マルタン作曲「アルト・サクソフォーンとオーケストラのためのバラード」、オーケストラはスイス・ロマンド管弦楽団。
僕はオケ前で吹くのはもちろん、それまでオケ中で吹いた経験もほとんどなかった。オケ前初体験が、このように異国の地で外国のオケの前でスイス人の指揮者とだったので、リハーサルでは何が何だか分からぬまま無我夢中で吹くだけだった。
本選では、むやみに楽しく音楽に没頭して演奏できたと思う。しかし好事魔多し。忘れもしない、練習番号[28]の4小節前でフラジオを一発はずしてしまったのだ。
結果、僕は「銀メダル1席」。ノーミスで吹いたアメリカのスティーヴン・ジョードハイムが1位なしの2位となった(ちなみに、その頃のジュネーヴは1位、2位の次が銀メダルとなっていた。銀メダル2席はスイスのコレットという人)。
あとで、そのとき審査員を務めていたヘムケ師匠に「なぜ君が最高位にならなかったか分かっているね」と言われた。厳しいもんだなと思った記憶がある。
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